たけうちんぐ最新情報


⬛︎ たけうちんぐと申します。映像作家をやっております。 プロフィールはこちらをご覧ください。
⬛︎ 撮影・編集などのご依頼・ご相談はこちらのメールアドレスまでお気軽にお問合せください。takeuching0912@gmail.com
⬛︎ YouTubeチャンネルはこちら→たけうちんぐチャンネル/Twitterアカウントはこちら→

2011年5月19日木曜日

神聖かまってちゃん@川崎クラブチッタ

神聖かまってちゃん、フリーライブツアーで初の川崎クラブチッタでのライブ。

川崎に住んでいると身としては地元に来てくれて嬉しい。が、川崎市に住んでいるのに電車で1時間くらいはかかるため、結局東京でライブしているのと変わりない。
フリーライブツアーは先日の名古屋公演も無事に終了。みさこさんとmonoくんがMC中に険悪なムードになり、気まずいムードが漂った瞬間もあった。それが『26才の夏休み』の演奏でカバーされ、結果、感動的なライブになったようだ。
大阪では打ち上げでケンカ。渋谷は大盛況。名古屋はライブ中に険悪。そして川崎はどうなるのか。相変わらず起伏のある神聖かまってちゃんのライブ。毎度ながら、ライブが始まるまでどうなるかは予測不可能だ。

クラブチッタに着くと、劒マネージャーに連れられて楽屋へ。先日撮影した撃鉄の渋谷クラブクアトロのライブ映像と、劒さんがベーシストで在籍しているバンド・あらかじめ決められた恋人たちへの『Back』という曲のPVを一緒に楽屋で見る。
の子さんは会った途端、「おー!」と笑顔で握手してきて元気いっぱいに思えた。「竹内さん、なんなら今日、ステージ上がってきて撮っちゃってくださいよ。竹内さんのこと知ってる人いると思うんで。5人くらい」と言われ、5人くらいなので断った。
ちばぎんは配信のセッティングに一生懸命。みさこさんは自身のバンド・バンドじゃないもん!のときの衣装と同じだった。monoくんはいつものウィスキーを装備していた。

本番が近づいてきたので、の子さん側でカメラをスタンバイ。劒マネージャーの前説(TRG)があり、見事に噛んでいた。「頑張れー」という声援が聞こえ、うろたえている様子には笑いが起きていた。

『夢のENDはいつも目覚まし!』が流れ、メンバーが登場。
みさこは小走りでステージへ。ちばぎんは配信中のノートパソコンを持っている。続いてmonoが舌をぺろぺろしながら出てくる。最後、上手からの子が満面の笑みを浮かべながらステージに現れて、そのまま下手へと消えていく。客席からは悲鳴が。monoが連れ戻し、の子が無事登場。

「そんな感じで神聖かまってちゃんです!よろしくお願いしまーす!」
ちばぎんの挨拶のあと、デーーーーーン!とドラムとベースが鳴る。の子は「やべっ!セトリの紙忘れた!」と慌てており、劒マネージャーがなぜか余裕の表情でセットリストの紙を持ってくる。
「これないと、3曲目くらいで忘れちゃうんだよ…」
はにかみながらセットリストをじっくり眺めるボーカリスト。いつもの光景だけど、おそらく他のバンドのライブだとありえないのだろう。

「いやー、川崎のクラブチッタということで」とmonoが喋り出す。
「そうですねー川崎のクラブチッタといえば、オアシスのイメージが。この場に来るってことがこう、ぐぁーーっとすごいなんか、僕はちょっと、なんか、リアム・ギャラガーだ。いや、ノコム・ギャラガーだ。神奈川では初めてだからな、なかなかテンション上がるな」
ノコム・ギャラガーは嬉しそうな表情。とにかくオアシスが来たことのあるクラブチッタというイメージがあるようで、その喜びをかみ締めていた。

1曲目は『いくつになったら』
今のところフリーライブツアーの1曲目はすべてこの曲で統一しているようだ。
広い。とにかくステージが広い。の子側から撮影していると、ちばぎんがとても遠い。これは神聖かまってちゃんが大きくなったということか。ズームアップするとブレるちばぎんの顔から、それが伺えてしまう。
の子側だからか、劒マネージャーが持つ配信中のパソコンの撮影が近くで行なわれており、これがなかなかアングルが被る。そしてなぜか劒マネージャーが撮影中の僕の顔にパソコンを向ける瞬間があり、戸惑う。意味がわからない。僕はライブしていない。リアルタイムで配信を観ていた人によると、ばっちり映ってしまったらしい。

「神奈川に僕が来たのは、木村カエランド以来です。はい。神奈川っていう高級住宅なイメージが僕にはあるんです。千葉魂を見せてやるしかないんだよ。千葉の人がいたら失礼ですけども、なんか神奈川のほうが高級っていう…チューニングさせろよ!千葉魂もチューニングだ」

カエランドは懐かしい。劒マネージャー、の子、mono、竹内という変なメンバーで2年前の夏、横浜の赤レンガ付近で行なわれた木村カエラの野外ライブ『GO!5!カエランド』を観に行った。あの日はたしかに楽しそうだったけど、やっぱり楽しい思い出だったのか。
の子はしつこいくらい、クラブチッタでライブをする喜びをかみ締めている。

の子「ここはレッド・ホット・チリ・ペッパーとか、オアシスとか、もっと言ったらニルヴァーナとか、オアシスとか…」
mono「またオアシスかよ!」
の子「好きなんだよ!」
mono「俺だって好きだよ!」

続いて『天使じゃ地上じゃちっそく死』。死にたいというテンションには見えない状態で「死にたい」を連呼。演奏後、「いやー、楽しいです」と言っていたし。楽しく死にたいのか。
「新しい場所で新しいプレイスでライブってことで、僕はなんか変な感じだなー。お、おとぎの国か…?」
楽しそうに喋るの子。セットリストの紙をガン見している。ここからはまたまたmonoの滑舌の悪さが話題になる。

みさこ「歯医者何年通ってるんだっけ?」
mono「15年…いや、歯並び悪いから。もともと歯ないけども」
の子「お前のそんな自伝の映画ができたらいいんだどな。ということで『映画』やります。これは、うまい」
mono「うまいね」
の子「お前ほんとのこと言えよ!」
mono「準備準備!」
の子「準備?じゃあ勝手にやるか!」

『映画』の演奏に入ろうとするが、またもや「いや俺、神奈川初めてなんですけども…」とまた神奈川の感慨に耽ろうとするの子。
「なんか、高級そうななんか、絶対外出たらお嬢様がなんか日傘さしててさ、なんか、"あの人アゴ出てるから"とか"あの人目がテンパってるから"とか、心の中で言ってそうなピーポーがいるのかなあと勝手に感じてるんですけども」
またもや高級イメージ。どうやらmonoとの子がお嬢様にdisられている錯覚を感じるようだ。

お客さん「千葉ニューもやばいよー!」
の子「ちばぎん?ちばにゅー?」
ちばぎん「いや、俺もどっちかわかんない…」
お客さん「ちばぎんもいいよー!」
ちばぎん「あ、ありがとうございます…」

「じゃあ、セットリストがあるんですけども…」と、なぜか次に演奏する曲を再考しようとするの子。「えっ、今『映画』って言わなかった?」とすかさずちばぎんが会場全員の気持ちを代弁し、の子が照れ笑いする。「『映画』…ヤだなあ」と困惑させてくる。「このために練習してきたよ」とmonoが自信満々に言うと、の子が「あたりめーだろ!」とつっこむ。たしかに。
こうして無事始まった『映画』。ようやく聴けた。相当昔に作られた楽曲だそうで、ずっとお蔵入りにしていたようだ。教室の後ろの席にいる“君”に目がけて、映画のような美しい世界を演出しようとする歌詞。青くて、若い。の子がこんなにロマンチックな歌詞を書くのかと誰もが驚いただろう。『ちりとり』に匹敵するラブソングだと思う。
「3、2、1」とカウントした途端にジャーン!とシンバルとギターとベースが景色を広げさせ、空がキラキラと光りだすようなピアノのメロディが奏でられる。
この日、最もときめいた瞬間だった。
「図書室で君をみつけたよ スローモーションで動いてる 古い映画のように絶賛上映中 巨大な思いを映してる」
淡い恋心が、映画の演出表現や女優や作家などの固有名詞を使って歌われている。小さな教室から大きな景色へと向かう曲の展開がたまらない。神聖かまってちゃんには「死ね」「死にたい」などといった一見過激に思われる言葉が散りばめられた楽曲もあるが、一方で、『ちりとり』『ベイビー・レイニー・デイリー』、そしてこの『映画』のような純粋なラブソングもある。どちらも同一人物でなければ描けない世界であるし、どちらもあるからこそ絶妙なバランス感覚で成り立っている。そのふり幅にはいつも驚かされる。でもそれは、人間誰もが持っているであろう感情と衝動のふり幅なのかも知れない。
それを率直に表現できるのがの子という人間であり、あらゆる感情をストレートにぶつけるからこそ、たくさんの人の心を動かしているのだろう。

の子「ここ凄いな。こういうところなのか…」
ちばぎん「ていうか、いつもよりスモーク濃くない?」
みさこ「雲の上にいるみたい。天界人みたい」
の子「てっ、天界人?何言ってんだお前」

次の曲を決めようとしていると「ミスター成井さん」との子が呼びかける。「ミスターではない」とちばぎんが冷静に訂正。サポートバイオリンの成井幹子さんがステージに。
現在行なっているレコーディングの話を語るメンバー。ひとしきり語った後、「わくわくさーん!あ、わくわくさんじゃねえ、まきおさーん。『美ちなる方へ』やりたい」との子がスタッフ・まきおくんに言い、戸惑うメンバー。成井さんは『美ちなる方へ』はバイオリンを弾かないのだ。
無事、バイオリンが入る『白いたまご』の演奏へ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ」との子が慌てると「結構待ったんだけどな…」とちばぎん。
「チューニングの鬼だからな、俺は。チューニングを1ミリもずらさない…これ、ほほーって」
ちばぎんのベース始まりと、の子の喋りがかぶってしまい、曲のスタートを連続3回ミスるというハプニングが。最終的にはちばぎんが「始めますよ?」とわざわざ言った後、無事に『白いたまご』がスタート。

の子「いやーなんかな、曲多いとな。これがな、ナパームボムとかだったら凄いんだけどな」
ちばぎん「ナパームボム?」
の子「うんなんか凄いんだよ爆発するんだよ世界が!通じる人もいるんだよ!」
客「クロノトリガーでしょ?」 
の子「クロノトリガー?ちげーよ!!」

「ここから横浜中華街まで行って配信したかったんだけど、遠いんすか?」というの子の問いに、「遠いー」と川崎市民の意見。いや、川崎の人かどうかはわからないけど、たしかに遠いのだ。そしてそのまま『美ちなる方へ』の演奏へ。
後半の盛り上がりがキマっていた。客席も、腕でウェーブみたいなものを作っている人たちが何人かいたようで、演奏後にちばぎんも「お客さんもすごいですね、チームワークが」と。

の子「いやー、ここまでくるとまた『いくつになったら』やろう、ってなりそうな感じなんですけども。あ、ちば銀行さん、ちば銀行さんはパッセンパッセン(セットリストに紙に、演奏済の曲のところに線を入れて分かりやすくする行為のことらしい)してますか?」
ちばぎん「してないっす。僕、覚えてるんで」
お客さん「ヒューーー!!」
の子「なんだお前それ、早稲田か」
ちばぎん「早稲田じゃないです」

の子の中では頭がいい人のことを早稲田というらしい。セットリストの演奏済みの曲を覚えているというだけで。
「早稲田ということで、僕の心が傷ついたんで。そんな早稲田とか地上にあるものなんてどうでもいいんだろ!それよりも海にいきたいんだよ!深海魚になりたいんだよ!とりあえず『怒鳴るゆめ』です」
色々つっこみたいところ満載の曲への繋ぎ。ドラえもんの映画『アニマルプラネット』の「ジャイアン、ほーい」を真似して楽しんだの子は、「次、なにやるんだっけ?」とますますやばい。忘れすぎだ。ちばぎんが「流れ的には『怒鳴るゆめ』かな」と冷静に対応する。の子はテンションが上がりきっているからか、忘れやすい頭になっている。
「じゃあ、海賊をぶっ殺しにいく曲です。こんだけ人数いれば白髭くらいは倒せるんじゃない?みなさん、歌っていたいたいたいただければ、いいと思っています」
噛みまくった後、『怒鳴るゆめ』。の子が歌詞を忘却の彼方へ飛ばしてしまったのか、ちばぎんのコーラスと噛み合っていない部分があった。

「神奈川イコール、日傘差してそうなイメージ」
の子、またまた神奈川イメージを。これで本日3度目だ。monoは「木村カエランド行ったとき、高貴な女性ばっかりだったからね!」と話を膨らまそうとする。
セットリストの紙にパッセンパッセン(の子語)されていることに気づいたの子は「monoくんがしたの?」と尋ねる。どうやら劒マネージャーがこっそり紙にパッセンしていたらしい。「ああ、らーめんか」と劒マネージャーのことをあだ名で済ましたの子は、「次は『さわやかな朝』やろう」と指示。

の子「『さわやかな朝』も、遅いバージョンのほうがいいって言われたりもするんですけどね。どっちがいい?」
お客さん「早いほうがいいー!」
の子「早いほうがいい?何言ってんだお前?」
尋ねて答えてくれたお客さんへのまさかの対応に、会場には大きな笑いが。
ちばぎんが『さわやかな朝』のベースを始めるが、そのリズムに合わせてなぜか『STAND BY ME』を熱唱し始めるの子。懐かしい。昨年の夏の埼玉県の坂戸市を思い出す。しかし、なぜ突然。疑問を抱きながらも演奏に乗るメンバー。
まだまだ喋り続けるの子に対して、みさこが強制的に最初のドラムを始める。笑いながらも「イラッとするな、ほんと!」と叫ぶの子。この曲はmonoが「はーーほーーー」とホーリーな声を出していて、すごくいいんだけど、失礼ながらちょっとおもしろいことになっている。
そしての子が突然、みさこの方を向いて演奏を止めるように指示。そのときのmonoといえば、戸惑いながらの子の顔を見て、声はいまだ「はーーほーーー」とホーリーな声を轟かせている。
「リズムがずれてた…」
そして仕切り直す。「ここまで赤裸々に言うバンドいないよね」とmono。「もう一回、『さわやかな朝』いくぜ。逃げねえぜ俺は!」との子が言い、再度演奏へ。今度は無事、演奏が終了。

「最近俺の売名に協力している曲をやります。では『電波女と青春男』の、まあ、『日常』しか観てねえけどな」
『Os-宇宙人』の演奏に入るが、また仕切り直し。本日2度目だ。グダっている空気がずるずると引きづられているけど、再開した演奏はバッチリ。そのままカップリングの『コタツから眺める世界地図』へ。「じゃあいきます。覚悟しとけよ」となぜかキメたmonoに対し、の子が「みなさん、こいつのキーボード聴かないようにしといてください」と言葉を添える。
途中、の子だけに照明があたる演出がかっこいい。それからブァッと光がステージ上に広がり、視覚効果になっていた。さすがはクラブチッタ。照明の数が半端ない。

ギターを置いてキーボードの前に向かうの子が「もう何をやるかわかるだろ」と告げる。観客が「おおーっ!」と歓声を上げる。「やりづれえんだよ」と、いつも装着しているヘッドマイクが壊れたことを明かすの子。
「よう、よう川崎へやってきたぜ。だけど、千葉の、千葉魂をお前らに見せてやる、田舎、田舎だからこそ夜空の虫が見れるのです、だから、ここに、千葉県で夜空の虫を見た光景を、ここに叩きつけたいと、思います」
言葉というものが一切ない曲だからこそ、聴く人それぞれの光景を思い浮かび上がらせることができる。なんとなくだが、この曲には死のイメージが漂う。『夜空の虫とどこまでも』が演奏される。
そしてそのまま『黒いたまご』へ。
このときの演奏は神がかっていた。大きい会場であればあるほど、この曲は映えるように思う。

の子「木村カエランドに出たいですよ劒さん。3万5千人くらい来て、野外フェス。神聖かまってちゃんランド?かまってランド?」
mono「海が見えたらいいよな…あれ?」
まったく客からの反応のないことに焦るmono。「お前、海行ったらそのままブータンとかいけよ。イースターとか行って、配信しろよ」との子に言われる。たしかにその配信は見てみたいが。

成井幹子さんのバイオリンが加わり、『聖天脱力』へ。まだチューニングができていない様子のの子に、客席から「成井さんが待ってるよー!」の声。「うるせえお前に言われたくないよ!成井さんも空気読んでんだよ!」との子。
『聖天脱力』は朝の気だるい気分と、さわやかさな日差しが同時に攻めてきたあの感覚が歌われている。

次は『ロックンロールは鳴り止まないっ』へ。monoが「オアシスが『ロックンロールスター』をやるような感覚」と形容する。
正直、やはりこの曲を撮っているときが一番楽しい。先ほどからステージ脇に場所を変えて撮影しているが、客席が盛り上がり、展開がドラマチックで、ビデオカメラに映る光景がとにかく感動的なのだ。この曲だけで彼らの活動の2年間を表現できるような気がする。最後、monoがの子の様子を伺いながら笑顔でキーボードを弾く姿で終わるのは、グッとくる。

「ここはレッド・ホット・チリ・ペッパーズとかレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとかがやったことがあるからなー」
本日何度目だろう。の子のクラブチッタへの感慨。
「えっと、ラスト3曲だそうです」
ちばぎんの告げにより、客席から「えーーっ!?」と悲鳴が。「ROCKS TOKYOとかな。世界の終わりに突撃したいなあ」と宣言する。「世界の終わりのブログなんなんだよあれ。色々やったらさあ、すぐ削除されちゃったよ」と。色々やったらって、何やったんだろうか。

そして、まさかの『スピード』。久々の演奏。
しかもバイオリンが加わっている。哀愁のメロディに、スピード感のあるバンド演奏が。一瞬静寂になるときの緊張感がいい。なかなか歌い始めないの子に客席から「の子ーー!」と絶えない声援。もっと欲しいのか、まだまだ溜めるの子に「かっこいいー!」「イケメーーン!」と女性客の歓声が上がる。

の子「神奈川は木村カエランド以来だけど、町並みとか好きだからまた来たいです。やりたい曲いっぱいあるんだけどね。うーんと…『怒鳴るゆめ』か?」
mono「やったやった!」
ちばぎん「『いかれたNEET』とかどうですか?」
『いかれたNEET』のベースを鳴らしつつ、ちばぎんが提案。これは終わりに向かっている証拠。ラスト3曲ということを意識し、ちばぎんが提示している。この曲は終盤に演奏する曲だ。
「チョコボール!」
の子が演奏に入るときに言った言葉が謎であるが、この曲の最後ほど危険なものはない。ステージ脇にいるとそれを痛感する。の子がギターを振り回し、カメラマンたちが一斉によける。皆さん、よけるのが慣れているようだ。瞬時に察知し、よけつつパシャパシャと撮影するその姿がかっこいい。荒れたステージを直したり、回収するスタッフもかっこいい。ギターを振り回すの子も当然かっこいいけど、かっこいいが伝染していた。
曲が終わるとき、ギターを思いっきり投げつける。直撃したマイクスタンドがガタッと揺れた。「まだ1曲残ってるのに…」とちばぎん。

本編最後は『あるてぃめっとレイザー!』
「じゃあミッシェル・ガン・エレファントみたいにいきます!お前ら『スモーキン・ビリー』か?あとなんだっけ?『PUNKY BAD HIP』か?新しい国ができたー」
途中、なぜかブランキー・ジェット・シティが入っているが、ギターがかき鳴らされると演奏開始。やることがないmonoであるが、なぜかステージから姿を消し、途中から登場。何をしていたのだろう。

「なんか音聞こえづらくてリズム合ってなかったかも知れないけど、ま、テンションだね!」
の子が元気よく言い訳をし、本編が終了。ギターを回収する劒マネージャーに、「劒さん、弾き語りしてくださいよ」と話しかけていた。

アンコールはちばぎんの登場から。
「あのー、毎回なんだけどー、アンコールで俺だけ出ているけどみんな気づかないんだよね」と愚痴をぽつり。
「ここって消灯時間あるみたいだね。修学旅行みたいだね」
恐らく、楽屋でスタッフに時間を守るように言われたの子。またまたカエランドのことを呟く。「神聖、カマランド。オカマみたい(笑)」と楽しそうだ。

アンコール一発目は『ベイビーレイニーデイリー』
の子「じゃあみなさん"ちゃららちゃららー"って言ったらのよらにはよわに(聞き取れない)…」
ちばぎん「何言ったかわかったか、お前ら?」
しっかりと客席から「ちゃららちゃららー」という掛け声があり、無事に演奏がスタート。

「横浜中華街に行きたかったんだけど、横浜中華街配信したかったんだけどもー」と、この日はやたらと同じことを繰り返すことが多いの子。「今日はワンマンなんで制限がないんで。俺がここで座って、30分休んで、それからライブ始めることもできるから」と無理を言いつつ、会場を盛り上げる。
そして『ちりとり』。最後は「かおりちゃん」などと呟き、余韻を残す。言葉にならない感情を叫びまくる。

ちばぎんの口から、ニューアルバムが8月31日に発売目標であることが伝えられる。の子は「アルバムなんかどうでもいい。この場で、どう伝えるかだけ」と『23才の夏休み』の演奏を促し、みさこのドラムからスタート。
メンバーがステージを去り、これでアンコールも終了。と思いきや、の子がステージに居座り、まだライブをやろうとしている。
の子「『さわやかな朝』とかやってないなー」
お客さん「やった!」
の子「『怒鳴るゆめ』とかかな…」
お客さん「やったよー!!」
セットリストの紙を見ながらタイトルを読み上げ、やっぱり演奏済みの曲を忘れているの子。「『学校に行きたくない』とかやりたかったんだけどなー」と言うと、客席から『学校に行きたくない』合唱が。の子が嬉しそうにピョンピョン跳ねながら、演奏がないアカペラでの『学校に行きたくない』が。

「計算ドリルを返してください!計算ドリルを返してください!僕のひとしを返してください!」

そんな中、ちばぎんが「うちの、ケチな事務所の社長が延長料金を払ってくれました」と再登場。まさかの、もう一曲演奏可能。客席から歓声が起こり、「な、こうやって無理をいえばなんとかなるんだよ!怒られるのはこっちだけど、お客さんは関係ないから。て、かっこいいこと言っちゃってるけど」との子が言うと、ますます大きな歓声が。
「『ぺんてる』やってねーな。『ぺんてる』いきまーーす」

最後の曲は『ぺんてる』。「大人になりました」のとき、の子だけにスポットライトが当たる演出。ジャーーン!と鳴ると会場全体が明るくなり、ステージからはお客さんの顔が見える光景になった。
この日、途中からはずっとステージ脇から撮影した。以前撮影していた頃とは全く違う景色だ。こんなにも多くの人が神聖かまってちゃんに拳を上げて、笑顔のまま、歓声を上げている。メンバーはこんな光景を普段から見ているんだなあと思うと、しみじみと感じるものがあった。

演奏後、場内BGMが流れ。それでもまだステージに居座るの子。劒マネージャーにギターを回収され、まだ『学校に行きたくない』を一人で歌い続けている。
最後は客席にダイブ。「みなさんありがとうございましたー!」と言いながら、人の波に乗りながらステージに帰ってくる。
彼の真後ろから撮影すると、向こう側にたくさんの人の手が。木村カエランドならぬ、神聖カマランドがいつか実現するかも知れない。オカマの楽園みたいだけど。この日の何倍もの人が彼の目の前で歓声を上げる日が、いつか来るかも知れない。そんな予感のする絵になった。
の子は「ありがとうございました!」と言いながら、マイクを床に叩きつける。笑顔で手を振りながらステージをあとにした。

グダグダであり、の子が演奏した曲を何度も忘れ、やたらとクラブチッタと木村カエランドへの感慨に耽るMCが多かった。
ライブの時間は、なんと2時間48分。ずっと同じ姿勢で撮るので、終わった後は放心状態だ。ライブの記憶もすっ飛んでしまうほど。しかし、僕以上に疲れているはずのちばぎんは廊下で対面すると、いきなり土方担ぎをしてくれた。更にお姫様抱っこもされた。ときめいた。さっそく神聖カマランドの気分になった。
の子さんが「竹内さんの撮ったやつ見せてくださいよ」と言ったので、再生して見せた。「竹内さんの撮り方だ…」と見ている彼とその横で一緒に見ている僕を、カメラマンの佐藤さんが携帯で撮影していた。
撮ったものがいつかどこかで公開できる日が来ればいいな、と思いながら川崎クラブチッタを去りました。
『映画』の演奏は、メンバーの表情がよかった。グダグダな雰囲気でも、曲に入るとグッとくる瞬間がいくつもある。だからこそ、神聖かまってちゃんから目が離せないでいる。

2011年5月19日 川崎クラブチッタ
〈セットリスト〉
1、いくつになったら
2、天使じゃ地上じゃちっそく死
3、映画
4、白いたまご
5、美ちなる方へ
6、怒鳴るゆめ
7、さわやかな朝
8、Os-宇宙人
9、コタツから眺める世界地図
10、夜空の虫とどこまでも
11、黒いたまご
12、聖天脱力
13、ロックンロールは鳴り止まないっ
14、スピード
15、いかれたNEET
16、あるてぃめっとレイザー!
(アンコール)
1、ベイビーレイニーデイリー
2、ちりとり
3、23才の夏休み
4、ぺんてる

0 件のコメント:

コメントを投稿