二人ののほほんとした雰囲気の女子がツインドラムでばしゃばしゃ叩きまくる。Tortoiseのアイドルバージョンと言ってもいいかも知れない。
ナタリーでも紹介されたり(http://natalie.mu/music/news/43485)、バンドじゃなかったら一体何なのさと結構話題になったということで、更に対バンが向井秀徳(ZAZEN BOYS)だったりで、第一回目とは思えない敷居の高さを感じながら下北沢GARDENへ向かいました。神聖かまってちゃんと同じように撮影をするので、メンバー初のソロ活動の撮影にワクワク。会場にはお馴染みのスタッフやファンの方々の姿もありました。
今回は劒樹人(神聖かまってちゃん・撃鉄マネージャー/あらかじめ決められた恋人たち)をベーシストに迎え、楽曲制作をしているミナミトモヤがステージ後方でこっそりパソコンで遠隔操作。その前で二人の女子がドラムを叩きまくるのだ。
この日、彼女らはトリの出番。向井秀徳などを差し置いてトリとは、どんだけ大物なのか。
登場SEが流れ、楕円形のいかがわしい風貌をしたベースを抱えた劒氏が女子メンバーの登場に待機する。スモークがたかれ、煙にちょっとビックリしている様がまるで小動物のようだった。
みさことかっちゃん、初のライブということで緊張しているのだろうな。と思いきや、二人はビールを持ちながら笑顔でひょこひょこ登場。初ライブでビールて!その余裕は天然でありながら、貫禄さえ感じさせる。
「かっちゃんカンパーイ」
左右のドラムにそれぞれ座り、みさこがビールの缶を開けてかっちゃんとグビッと。一口飲み終えると、スティックを手に持ってシンバルをバシャバシャーン。左右からマシンガンの銃声のように聞こえてくるドラム。中央では劒氏がぽつんと佇み、ムードある表情でベースを鳴らす。
一曲目は『愛の世界』。
アニメのオープニング曲かと思うほど、分かりやすくキャッチーなメロディ。神聖かまってちゃんの時では絶対に着れない(メンバーもファンも許してくれない、ネットで叩かれそうな)ガーリィーな服装のみさこ、かっちゃんが女の子らしいけど、女の子とは思えない迫力のドラミングで魅せる。曰く、ゲーム『モンスターハンター』のアイルーをイメージした曲ということだが、モンハンをプレイしたことのない自分には何のことか分からない。
「緊張する~!すごい緊張するよ~!すごいすごい、どうしようどうしよう。緊張するなと思いながらもステージドリンク用意してなくて、忘れてて、頭いっぱいで。どうしようって控え室で言っていたら、向井秀徳さんが…くれました」
なんと、向井秀徳氏から貰ったビールとは。これは断れない。「基本的には飲めないんですけど…下手したら喘息の発作が出るかも知れないんですけど…今日は飲まずにいられなかったですね」とみさこ。やはり緊張の極地だったのかも知れない。かっちゃんも「ね、今日は乾杯ですね」と添える。
「はー。はー。メイクも入念にしたんですけどね、早くも油で落ちてきてる。なんかすごい真ん中の人に見られてる」
いつもの調子でMCをゆったりまったりしているみさこに、訴えるかのように劒氏が凝視していたとのこと。「見てない見てない」と首を横に振る。「なんか喋りますか?(ベースを見て)なんですかそれ、琵琶ですか?」といじるが、劒氏は終始反応に困っている様子。考えてみれば劒氏はマイクを持っていないため、喋っても聞こえないことを分かってすべてジェスチャーで応じている。
「ゆるゆると、てんやわんやで。『バンドじゃないもん!』って名前は、琵琶法師(劒氏のこと)がユーストリームを使ってリスナーさんによって決められた名前だったんですよ。『バンドじゃないもん!』のあとに続く言葉って何ですか?…あれ?」
誰からも反応のないみさこが戸惑い、すかさずかっちゃんが優しくフォロー。
「後に続く言葉決めてないですね」
次は琵琶法師(劒氏)に捧げるラブソング、とみさこが説明。「劒さんがあまりにも結婚できないんで…あ、劒といいます」と紹介する。「あだ名は泥人形です」と更にインパクトのある紹介をするが、劒氏は終始顔をくしゃくしゃにしている。「顔が梅干みたい…」とかっちゃん。
そんなわけで『32th』という、劒樹人の年齢をタイトルにした曲へ。
みさこ、かっちゃんともに自分がドラムを叩かない部分で、スティックをツノのように頭に飾り、ひょこひょこと頭を振るというアイドル的笑顔を。賛否両論を生みそうなパフォーマンスであるが、ちょっとかわいい。
それでも後半はドラム対決と言わんばかりの、みさことかっちゃんがお互いを見つめながら交互にドラムを叩いていく。これがかなりかっこいい。個人的にはドラムとドラムの距離が遠く、二人の顔が映るようにステージ前方の中央でカメラを構えているからこそ、カメラを振るのに体力を使う。だけど、中央に劒氏がいることで、彼を箸休め(失礼!)のように映すことで体力を保てる。
ただ単に曲を演奏するというより、こういったドラムパフォーマンスとしての見せ場を設けているところがおもしろい。『バンドじゃない』からこそ、自由自在に変化できそうだ。
「今の曲の解説をします。劒樹人が結婚できなくて、嫁が欲しくって、ぱっと目が合ったカバを拉致るってい歌詞だよね!愛てんこ盛りなので受け取ってください」
みさこがしつこく劒氏をいじり、梅干のような顔で応える劒氏。
ビールを飲みながらゆるゆるとMC。この二人の会話、みさこが常に喋り続けてかっちゃんがたまに相槌。ほとんどみさこのワンマンショーの雰囲気はあるが、なんかいやらしさがなくて、なんかおもしろい。会場内もじわじわくる笑いに包まれている様子。普段以上に世間話をしているのではないだろうか。
「電車賃が足りなくなって劒さんに20円借りて…」と、更に延々と劒氏をいじる。
次で早くもラスト。
「2月だからガールズぶってバレンタインソングを作ろうと思って。よろしければ受け取ってくださーい」
こうして始まったのが『ショコラ・ラブ』。サビは「メガネ萌え メガネ萌え 白衣も萌え♪」と二人でコーラス。完全にみさこワールド。とりあえずメガネ男子と白衣男子に向けたバレンタインソングであることは間違いないが、そのメロディは徹底して耳にすんなり入るもので、すぐに歌ってしまいそうなほどキャッチーだ。
「受け止めて~ 受け止めて~」とスティックを振る動作も。女の子の繊細な想いを綴ったラブソング…と簡単には言い表せない、みさこ特有の変態性も溢れ、普通にすごく美人なかっちゃんのフォローもあって、バンドじゃないもん!が成立している。
バンドじゃなかったら何なんだろう。アイドル、でもないもん。よくわからないもん。まだまだ、未知数な可能性を感じました。
最後、「バンドじゃないもんでしたー!」とドラムを合わるが、劒氏がすでにベースを降ろしてしまって動揺。終始、劒氏の戸惑いの表情を観た20数分間でした。
みさことかっちゃんがステージ中央でお辞儀し、ひょこひょこと歩いて去っていく。客席からは「かわいいー」という声が。
バンドじゃないもん!が、これからバンドじゃないもん!!!!くらいになっていくのを期待します。
動画をアップロードすると、神聖かまってちゃんファンの方々からの反応も様々。
バンドじゃないもん!【ショコラ・ラブ】2011/2/6 下北沢GARDEN
2010/2/6 下北沢GARDEN"M☆N☆T 2011 WINTER SPECIAL!!!"
共演 : ドラムスボー+向井秀徳(ZAZEN BOYS)+吉田一郎(ZAZEN BOYS)、Scars Borough、ヨソハヨソ
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