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2010年10月30日土曜日

神聖かまってちゃん@恵比寿LIQUID ROOM

恵比寿リキッドルームの『平成東京』というイベント。出演は、LAGITAGIDA、HALCALI、鳥肌実、そして神聖かまってちゃん。

天候が悪く、季節外れの台風が来ていた。もはや音楽業界の台風の目となりつつある神聖かまってちゃんが原因だ。とは言い過ぎか。しかし、嵐を呼ぶバンドであることは間違いない。
学生時代の友人とリキッドルームへ向かう。友人は映画の現場で働いているため、ライブハウスには普段行かない。神聖かまってちゃんにまつわるエピソードを教えてくれた。
「車の中で神聖かまってちゃん流したら、高校生の女の子2人が『夕方のピアノ』聴いたら怖くて泣き出してしまった」
そんなに怖い曲なのか。ちなみに宅録音源バージョンのほうらしい。

イベントが始まる。まずはLAGITAGIDAの登場。ギターを持つ手がテロテロリンと鳴る音を形で表しているかのようにクネクネ動かす。すごいテクだ。テクテクバンドだ。
続いてHALCALI。知っている曲がいくつかある。可愛くておもしろい。「『堂本兄弟』に出ている人だ!」といったミーハー心も満たされ、真心ブラザーズの『愛』、『今夜はブギー・バック』のカバーがたまらない。
鳥肌実。2001年10月に神戸の三ノ宮HMVで観て以来、9年ぶりに観る。内容はここにはひとつも書けないようなものだ。地デジ化に向け、アナログ放送はすべて鳥肌実が占領すると大胆発言。そこで放送する番組の企画書の内容を言い放っていたが、田代まさしと加勢大周の『相棒』の企画が印象的だった。

そして、トリは神聖かまってちゃん。

12月に2枚同時発売されるアルバムのタイトルが『つまんね』『みんな死ね』に決まった彼ら。神聖かまってちゃんらしいタイトルだ。
登場SE『夢のENDはいつも目覚まし!』が流れ、大歓声の中、メンバー全員がステージに。

「レコーディング終わりで疲れちゃったよ…言い訳です。レコーディング終わりでずっと寝てて、起きたら、お前らに村八分にされてるからさ」
割烹着姿のの子がいきなり愚痴。「もうだいぶ伸びたんだよ!」とmonoが坊主ではなくなっているところをアピールする。レッドブルをガンガン飲んでいる状態のの子に「お前、もう4本か5本くらいは飲んでんじゃねーの?」と心配する。
「今日の、台風の中で来てくれてありがとうございます本当に。みんなの、盛り上が、盛り上がも、盛りりません」
の子、呂律が回っていない。これは不調だ。レッドブルの飲み過ぎなのか、頭がふわふわしている状態。誰もが不安に思った予想は的中。この日、久しぶりのグダグダライブに。

の子「mono君、1曲目何やんの?」
mono「天使じゃ地上じゃ」
の子「天丼?」
mono「天丼だよ、天丼。『天丼』って曲やります!」
の子「天丼じゃねーよバカヤロー」

客席から失笑。「レコーディングスタジオでゆーれい屋敷みたいなところで隔離されてよー、そして今があるんだよー」との子が言うとなぜか客席が「おーーっ!」と湧く。あとはマスタリング作業のみらしい。「早く曲やれよ」との子がメンバーに指示。「スタジオ配信みたいになってすいません」と謝り、1曲目は『天使じゃ地上じゃちっそく死』
調子は悪そうだが、「嫌だーーー!!」という声だけはやたら冴え渡っている。本当に嫌なんだろうか、と思えるほど。歌詞に説得力を生んでいた。「嫌だーーー、僕は本当に明日また学校に行くの辛いなーー」と珍しくこの曲で歌詞を付け加えていた。

の子「台風だかサイクロンだか、津波だかが最近きてさー、こんなもん津波だったら口の中に入ってくよなー」
ちばぎん「うん…」
みさこ「ちばぎん、無理に合わせようとしなくていいんだよ!」
の子「mono君、次の曲は何ですか?」

2曲連続、メンバーにセットリストを尋ねるの子。ずっと呂律が回っていない状態でボーカルエフェクターで「俺のー、俺のおーー」とずっと繰り返している中、みさこのシンバルが始まって『学校に行きたくない』。が、仕切り直し。みさこが「すいません、すいまへん」と謝る。「かわいいー」と客席から。「かわいいとか言うけど、ただ単に間違えてんだよ」との子が真実を告げる。
やり直し、演奏に入る。「学校に行きたくない」「計算ドリルを返してください」の二言を延々と連呼。monoが「おかーーーさーーん!!」と叫ぶのはもはや定着している。
途中、の子が劔マネージャーに偶然体当たりを食らわす一場面も。いつも以上にちばぎんだけが頼りに感じられるステージ。ハラハラしながら観てしまう。

の子「疲労が…」
mono「おかーーーさーーんって叫んでたら吐きそうになった」
みさこ「お客さんにゲロシャワーを浴びせることに…」
の子「レッドブル飲もうかな」
相変わらずのディスコミュニケーションが繰り広げられる。
の子「monoくん、レコーディングスタジオでさあ」
ちばぎん「さっきからレコーディングの話しかしてないんだけど…」

の子が最近のことを話し始め、雑誌『MUSICA』の話題へ。
「あとは僕らは終わるんじゃないですかね。バンドが。インタビューとかでも気持ち悪い…"の子さんの半生を語ってください"。でもそんときはカウンセリングみたいな感じだったんですけど、なんか僕も懐かしいなぁと思って。なんなんだろうね、あれ。皆さんも経験あると思うんですけど。感極まって泣いちゃいました」
笑いを誘うの子。「ピックどっかいっちゃった」と嘆き、劔マネージャーに助けてもらっている。

mono「台風いっちゃったね」
の子「でも今日こんなに来てくれるとは思わなかったです」
客席から歓声が上がる。
の子「2曲目でこんなんだったら、もうあと2曲演奏して帰ったらいいんじゃないかな。25分バンドでいいんですよ神聖かまってちゃんは。俺が疲れてくるから」

こうして『ベイビーレイニーデイリー』へ。
みさこが「チャララチャララーって私が言ったら、皆さんもチャララチャララーって言ってください」と言うと、monoが「アイドル気取ってんじゃねーよ」と突っ込む。
「あえて言わないだけです」と繰り返した後に「言えないことも僕にもある、言えないことがみんなもある、言えないことがみんなある、僕はそんなことを言いませんね」と続けていたのが印象的だった。色々あるんだろうな。物凄く漠然と、の子の抱えていることを想像できる。
曲が意外と唐突に終わり、の子が「いやmonoくん、ここは僕が1人だけで弾くかっこいいところがあるというのに」と指摘すると、monoが「じゃあお前がやればよかったんだよ!なんでやらないの!」と反論。
ラブソングの演奏終了後、すぐにケンカするバンドなんて、あまり聞きません。

の子「これからかまってちゃんはヘビメタバンドになっていくんで、ベースとドラムが」
ちばぎん「えっ?」
みさこ「さっきLAGITAGIDAの演奏見ましたか?あれでどんどん私の存在が薄くなっていくんですけど…さっきハルカリさんの楽屋から可愛い声が聞こえてきて、キャピキャピしてるんですよ」
の子「てめーそんなこと言ってよー、社交辞令かよ!」
みさこ「いや、ここでこう、コネを使って、(メンバーに)入れてくれるかな…って」
客席からは温かい声援が。みんな優しい。「かわいいよー」と女の子の客からの声。
みさこ「愛してる…!」
mono「何なんだよそれ"愛してる"ってよ!」
ちばぎん「まあ、みさこさんもお前には言われたくないと思うよ」
の子「なんか色んなところ行ったら、やった曲とか分かんなくなるんだよな。やってない曲って何なんだろうな。『ぺんてる』とか2年くらいやってないんですけどね」
ちばぎん「こないだ大阪でやりましたけどね」
の子「さっきリハーサルで『ぺんてる』やったらクソだったけどね」

そんなわけで『ぺんてる』へ。
いきなり2番の歌詞を歌い始めて不安感もあったが、この日一番の演奏だったように思う。ただ、最後は「ぺんてるに!ぺんてるに!ぺんてるに!行けねえだろう、どうせ」と吐き捨てるように呟き、後味の悪い余韻に。ちばぎんがそれを若干笑いながら「フフッ、ありがとうございます」とお客さんにお辞儀。

相変わらずのグダグダMCに、客席から「しっかりしよー」という声。こんなの、ロックバンドのライブで聞いたことがない。
次は『あるてぃめっとレイザー!』

の子「この曲疲れるんだよ。そんなテンションじゃないですけど」
お客さん「がんばれー!!」
の子「うるっせえ。お前らがんばって歌ってくれたら、俺の声みたいに聴こえるんじゃないの?ごまかせ!!俺はプロだけど、ごまかせ!!」

プロとは思えない発言に笑う客席。「できんのか…?」と不安がるの子。みさこ、シンバルを叩き始めるが、止まる。「もういいや。もう、死ねばいいのに」との子が溜め息をつき、ちばぎんが何かを言いかけるが、の子がギターを弾き始める。そして曲へ。この、久々の息の合ってなさ。

「結果的にいいでしょ」と、演奏に満足の様子のの子。
「あの、さっきの曲で最後だったらしいんですけど…」
ちばぎんが先ほど言いかけたことを言う。「えーーーっ!!」と観客。「最後だったらしい…」と改めてちばぎん。の子が「えっ、まだ俺は休み時間くらいだと思ってたんですけど。図書室行こうか」と言い、反応に困る観客。
「何やる?こっからは別にフリータイムでしょ?」というの子の発言に、客席から拍手が。

mono「どうも、神聖かまってちゃんです」
の子「はじめにやりたいと思っていた曲を、やっていきたいと思いますわ。ちゃんとやっていきます」
ちばぎん「もう1曲やれるみたいですよ」
の子「3曲、4曲やろうぜ」

『いかれたNeet』のベースを弾き始めるちばぎん。「なんかさっき、総武線が止まったみたいですね。台風で。2ちゃんのスレで知ったけどさ。ほんとだから、みんな来ないと思っていたけど…」との子。
「とりあえず『ロックンロール』やろうと思ったんですけど。久々ですからね、ここに来たのが。色々前回のを蹴っ飛ばして…うん、デモのほうがいいな」
時間が限られている状況なのに喋り続けるの子。ちばぎんが進行をさせるように「とりあえずやろっか」と。「ちばぎーん!」「安心のちばぎーん!」という客席からの声。monoがそれを真似て「安心のちばぎーん」と言うが、ちばぎんが「早く弾けよお前はよーー!!」とキレ、会場に笑いが。
こうして、ちばぎんが怒りながらの『ロックンロールは鳴り止まないっ』。もはやイェーイェーイェーという気分ではないちばぎんだ。

の子「何曲やったんか覚えないですけど。けっこうキリキリマイマイですわ」
mono「帰るぞ!!」
みさこ「今日のライブはどんどん2ちゃんで叩いてください」

そしてなぜかちばぎんコールが絶えない会場。「帰るぞ!!」と再びmonoが言うが、アンコールを許された神聖かまってちゃん。アンコールを呼ぶ観客の拍手のリズムに合わせて、の子が即興ラップを始める。
「まだ帰りたくない、そんなー気持ちがあるならさ、全神経を全神経を、足に足にそれが来たら、ジャンプ!ジャンプ!俺は飛ぶのが好きだ、俺は飛ぶのが好きだ、ライト兄弟とか、そんなんじゃねえ」
ちばぎんとみさこが演奏に入り、セッションへ。
「はい、これが最後の曲です」
会場が爆笑の渦に。

MCの話題は、大阪のライブで全裸の高校生がステージに乱入してきたこと。「monoくん、今度たらむんでしょ?」との子。「たらむ?絡むってこと?」とmonoが聞き直すと、近くにいるお客さんが「裸で?」とあぶない発言を。そして客席からは「早くやれーー!!」とごもっともな声が。

最後は『いかれたNeet』を演奏。と思いきや、の子は「一番好きな曲です」と言いながらも最初のギターを弾かず、「足が捻挫した…」と言ってメンバーに演奏中断を指示。
「別に自分が上手く歌えなかった、とかではなく、足が捻挫した…」
どうして捻挫したのか、捻挫して演奏は止まるのか。観客の疑問は止まらない。「なんでもいいですけど、僕は時間が心配です」とちばぎん。の子は「いいや、オールナイトで」ととんでもないことを返す。
「がんばっていきます」と呟き、代わりに『ちりとり』へ。最後は「かあさーん!」「かおりさーん!」などと叫び、叩き壊そうとしたのか、ギターをぶんぶん振り回す。
その後は時間の都合で劔マネージャーに制止されるも、観客とコミュケーションしようとステージに居座るの子。

「今日は台風の中来てくれて、ありがとうございます!今日は総武線も止まったみたいで!僕は配信恐怖症で、今も配信してないんですけど!」
なぜかエルヴィス・プレスリーを歌いながら退場していくの子。

頭がグルグル回っている様子。いつも以上のグダグダ感。演奏のやり直し。の子さんの割烹着姿。その条件からか、今年1月の新代田FEVERを彷彿とさせていた。しかし、あの頃とは全く状況が違う。
この日、ちばぎんコールがたくさんあった。彼がいなければもっとグダついたライブになっていたことは確実だ。言うまでもないが、ちばぎんがいなければ成立しなかったライブは多い。ライブ中のステージをお客さん以上に冷静に見ているボジションであり、このバンドに客観性を持たせる重要な役割を担っている。

終演後、ロビーにいるちばぎんが今日のライブのことを語る。
「今日は久々にグダグタだったー…今日のライブのチケット代って、4000円とかそんなんでしょ?ええーっ…うわーっ」
やはり、誰よりもこの日のライブの出来を気にしていた。そんなちばぎんのありがたみを改めて感じることができた意味では、良いライブだったのかも。

2010年10月30日 恵比寿リキッドルーム
〈セットリスト〉
1、天使じゃ地上じゃちっそく死
2、学校に行きたくない
3、ベイビーレイニーデイリー
4、ぺんてる
5、あるてぃめっとレイザー!
6、ロックンロールは鳴り止まないっ
(アンコール)
ちりとり

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