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2010年8月12日木曜日

神聖かまってちゃん@恵比寿LIQUID ROOM

恵比寿のリキッドルームでミドリと神聖かまってちゃんが激突。

4年前、大阪の小さなライブハウスで偶然観たミドリ。1年前、東京の小さなライブハウスで観た神聖かまってちゃん。どちらにもガツンとやられた身としては、これ以上ないくらいの組み合わせだ。
そして多くのメディアで"ミドリVS神聖かまってちゃん"と書かれただけあり、"VS"はあながち嘘ではなかったようだ。
ステージはまさに対立構図、そのものだった。

恵比寿駅に着いてトイレを探すためにうろうろしていると、の子さんにバッタリと遭遇。目が合うとお互い「あっ!」と言って立ち止まり、「がんばってください!」となぜか励ましをいただき、一瞬のコミュニケーションで終わった。
会場に着くと、人、人、人。この組み合わせに当然、ソールドアウトの会場。
人で密集された空間と化したリキッドルームが盛り上げるのは、フロアだけでなく、ステージだけでなく、後ろの小さなステージも。
まずは撃鉄、385のライブが客席フロア後方の小さなスペースでそれぞれスタート。撃鉄はボーカル・天野ジョージのアクロバットなパフォーマンスと、ライトに照らされた肉体美。鬼ような天使に思えた。ミドリのボーカル・後藤まりこ主宰のレーベルに所属する385も小さなステージに収まり切らない何かがあった。
フロアには首にタオルを装備したお客さんで溢れ返り、場内には先ほどから水着のギャルが「ちかん、あかん」と韻を踏んだプラカードを持ってニコニコしてうろついている。どういう空間なんだ。

そして、いよいよ大きなステージでのライブが幕を開ける。誰もが「最初はミドリか、神聖かまってちゃんか」と想像したことだろう。
しかし、その答えはどちらでもなかった。やがてBGMと客電が消えた途端、お客さんの歓声だけが地鳴りのように響き渡る。そして『夢のENDはいつも目覚まし!』の登場SEが。
「神聖かまってちゃんが先か!」と思った途端、突然ミドリの登場SEに切り替わる。どよめく客席。後藤まりこの声と、の子の「イッツマイジェネレーショーン!」の声が流れ、突然のNHK『MJ』に戸惑いを隠し切れない。
ステージに下ろされているカーテンの幕が開き、ますます戸惑いを隠せない光景が目の前に。

なんと、ミドリと神聖かまってちゃんが一つのステージに同居している。

わ、すごいわ、ステージに2つのバンドが、それぞれセッティングされとって、狭い空間の中、それぞれが、音を鳴らしとって、2人のボーカルが、左右におるで、これ。あまりの意外な光景に戸惑ってしまい、思わず後藤まりこのツイッターの文体になってしまう。
イラストに描くとこんな感じだ。




の子「みなさん!夏バテとか関係なく、今すぐここに叩きつけて…」
まりこ「いっせーのーっせっ!!」
ハジメ「ミドリいくぞーー!!」
まりこ「セックスーーー!!!!」

の子の声を掻き消すようにミドリ側が叫び散らし、ミドリが演奏を始める。「あたしは、あんたと、セックスがしたい!!」と後藤が叫び、『うわさのあの子』からライブがスタート。
左側でミドリがバシバシと演奏をキメている中、右側では神聖かまってちゃんのmonoとの子が音楽に合わせてうねうね踊っている。の子は宇宙人との交信でもしているかのような動きで、monoは若干憎たらしい踊りを見せている。なんだこの光景は。
ミドリファンは演奏に拳を上げ、かまってちゃんファンは2人の姿に苦笑い。間奏では後藤まりこがの子の顔に大接近し、「ああーー!!セックスーーー!!」と叫ぶ。「あぁー!!」「ああぁー!!」とお互い絶叫。なんなんですかこれは。

"VS"という名のもとの対立構図。お互いのバンドの姿を延々観ることができると、それぞれのファンが全く飽きさせられることはなく、演奏を楽しめる。この発想は新しい。

の子「僕らの番ですよ、負けてはいられません!背水の陣です、僕は!」
mono「ぼくらぁ(聞き取れない)」
の子「(無視)まあまあまあ、なんかシステムがあるからどんどん行くぜ!」
まりこ「おまんこーー!!」
の子「じゃあいきます、ゆーれいみマンという曲をやります」

神聖かまってちゃんは『ゆーれいみマン』からスタート。
広いステージに計8人がそれぞれ楽器を持つと、なかなかの狭さに。それでも、の子のフィールドは常に広い。ステージ中央や端、ありとあらゆる場所に移動しながらギターを弾く。

「こんなのは初めてだから、戸惑いっちんぐ…」
の子が言った後、ミドリのハジメが鍵盤を弾いて『あたしのお歌』。「股を広げるだけが女じゃないのーです」などと後藤まりこが可愛らしい声で歌い始め、右側でまたの子とmonoがウネウネと踊り始める。曲の感慨をぶち壊すかのように。ミドリファンにとってはイラッとする動きにも思えてしまいそうな2人だけど、2人は単純に楽しんでいるようにも思える。

ミドリの演奏が終わった途端、の子が叫ぶ。
「いぇーーーい!!今日は同じバカなら踊らにゃ損損ですよ。夏バテとか言ってるそこのみさことかどうでもいい!夏バテ解消!運動!スポーツ!いきましょう!」
「いきましょう!」と言ってもすぐに演奏が始まらないのが神聖かまってちゃん。客席からは「あごー!あごー!」とmonoへの歓声が。こうして『学校に行きたくない』へ。
「計算ドリルを返してください!計算ドリルを返してください!」
始めから飛ばして大丈夫なのだろうか。マイクを持ってステージを歩き回るの子。そして思いっきりダイブ。
「計算ドリルを、返せーー!!」
の子のものではない低い叫び声が響き渡る。なんだ?と思って視線を左に向けると、後藤まりこが「計算ドリルを返せ!計算ドリルを、返してくださいー!」と、なんと『学校に行きたくない』に参加していた。これは貴重だ。

「計算ドリルを返してくださいー!デストローーイ!!」
強引すぎる繋ぎ。そのままミドリは『ゆきこさん』へ。
この日はノンストップで激しい演奏が交互に続けられる。後藤まりこは曲の合間に「計算ドリルを返してください」と呟き、なんとなくだが神聖かまってちゃんへの気配りや愛情もどこかで感じられる。"VS"とはいえ、実際のところは温かいイベントだ。

の子「アドレナリンが凄いときがありますが皆さんもそうだと思いますが、(観客の野次に対し)うるせー?いや僕は喋りますよ全然、あはははは!」
ちばぎん「喋ってもいいけどギター持ってくれる?」
この日もちばぎんは父親的存在を発揮。客席からはなぜか「あごー!」というmono君への声援がやたらと目立つ。
の子「あごーぅ!!」
mono「あごーる!!」
まりこ「おまんこー…」
みさこ「おめこー!!」
まりこ「おまんこ!!!」
の子「おちんこ!!!」
いつの間にか"あごコール"が生殖器へと変化。とにかく下品極まりない。

の子の「おちんこ」発言に対し、「あかん、それはあかん。それはあかん!!」と叫ぶ後藤まりこも他人のことは言えない。すると、「…痴漢、あかん!!」と繋げ、会場を笑わせる。
「かまってちゃんよりな、ミドリのほうが、偉いねんぞ。なんでか言うたらなあ、お前ら、既婚者おらんやろ。こっちは人妻おるねんぞ!!あかんか!??人妻が"おまんこ"言うたらあかんか!??」
後藤まりこ節が炸裂。やはり声の力強さは半端ない。それでも神聖かまってちゃん側はの子が「僕のほうもどんどん声を張り上げて!ピョコピョコとジャンプしていきましょう!!」とマイペースに盛り上げてくる。ちょっとばかりのディスコミュニケーションと張り合い。刺激的な空間だ。
「僕は楽しいな!」
満面の笑顔での子が言い、『ロックンロールは鳴り止まないっ』のイントロが。誰でも知っている往年のヒットソングかと思えるほど、会場全体が盛り上がっていた。
「後藤まりこさん、この度はご結婚おめでとうございます!」
ちばぎんが祝福の言葉を告げ、みさこのドラムがドカドコと鳴る。右側で神聖かまってちゃんが演奏している間も、左側では後藤まりこがリズムに乗って軽く踊っており、ステージの上はワイドスクリーンのように迫力のある光景。温度差はそれほどなかったように思う。

演奏後、ミドリ側でハジメが『ロックンロールは鳴り止まないっ』のピアノを自己流にアレンジ。後藤まりこが「遠くに!近くに!なんとか!鳴り止まねえっ!」と叫び、「ロックンロールの基本を始めるよーっ」と煽情。の子がなぜか「いや、あとで!」とすかさず注文。

ミドリは『スピードビート』を演奏し、その後は神聖かまってちゃんが『通学low』を演奏。
みさこに対し、「かわいい!」「みさこかわいいぞー!」の声援が続く。「もう…そんな言ったって何も出ないよー」とみさこ。その間、後藤まりこがマイクを使って高い声でなぜか喘ぎ始める。
「おいみさこー、こんな声出しちゃって…おまんこー!おしっこ飲みたい!おしっこ飲みたい!おしっこ飲みたい!おしっこ飲みたい!おしっこ飲みたい!おしっこ飲みたい!!」
ハジメ、後藤の喘ぎ声をみさこのものと見立てて変態発言を。
そのままマイクを口にくわえてクレイジーにキーボードを弾きまくり、「あ、1曲できちゃった」と満足げのハジメ。その後、後藤まりことmonoのやり取り。マイクを通してないのでお互いのセリフは聞こえない。

まりこ「あの、僕らもう1曲やっちゃったんでそちらが…」
mono「いえいえ、そちらがちゃんと1曲やってください」
まりこ「いえ、かまいませんので」
mono「いやいや、そちらの番ですよ」
すべて想像のセリフだが、そういったジェスチャーで会話が繰り広げられ、場内が爆笑の渦に。「早くやれよ!!」というお客さんの野次。
「今日対決でしょ?」
ハジメが煽動する。「1曲やらせてもらっていいですか?」と更に一人で、もう1曲演奏しようとする。なぜか木村カエラの『Butterfly』を音程外しまくりで即興カバー。「場違いだった…」とすぐに後悔し、ミドリはそのまま『リズム』の演奏へ。

の子「次は僕らの番です、いくぞお前らーー!!」
みさこ「ちゃらららちゃららー、ちゃらららちゃららー!」
の子「待てーー!!俺の前フリがあるだろ、"新曲やりますよ"っていう…『ベイビーレイニーデイリー』やります、初めて」

新曲の『ベイビーレイニーデイリー』を初披露。
デモ音源よりも少しテンポが早く、monoのピアノのアレンジも気持ちいい。の子の「そんな好きだから!」という歌詞の声も透き通って聴こえてくる。
雨が降ったり止んだりのこの日。曲が作られた6月でもない8月の今日、歌詞の通り、ここにいる人たちは生きやすいのだろうか。たくさんのお客さんがステージに向かって手を上げていた。
「気持ちっていうものは、気持ちというものは…」
の子が間奏の中で叫ぶ。最後は余韻を残すように「傘で隠さないよにぃーーぁ」と叫ぶ。

ミドリはそのまま『春メロ』へ。ハジメのボーカル。サビでは後藤まりこが高い声で一緒に呟くという曲だ。
その後は神聖かまってちゃんの演奏。なぜかみさこがドラムセットから立ち上がり、ステージ脇に消えていく。

ちばぎん「なんかウチ、ドラムがいなくなったんだけど」
の子「ドラムがいない?生理か?」
ハジメ「みさこーー!!俺のみさこーーー!!」
の子「ホントなんなんでしょうね、何なんだアイツ…」
ハジメ「俺のみさみさはどこだい?俺のみさみさはどこだい?」
の子「ちょっと2番くらいまでは覚えてるだろうからmonoくんがドラムやって」
観客「あごーー!!!」
の子「アゴラム(恐らくアゴドラムという意)は凄い」
ハジメとの子、一切のコミュニケーションが取れていない。monoがみさこのいないドラムセットに座り、演奏のスタンバイ。そこにみさこが急いでステージに戻ってくる。
の子「お前、座敷童か…いるじゃねーか」
ちばぎん「お前そこで見とけ」

なぜかみさこ見学の『あるてぃめっとレイザー』はアゴラムで繰り広げられる。「あるてぃめっとレイザー!!」と、後半ではみさこも叫んでいる。
どうやら、みさこはトイレに行っていたようだ。先ほどのハジメの叫び声「おしっこ飲みたい!」といい、歌詞にある「おしっこがわたくし漏れそうなのです」の伏線だったのか。

その後はミドリは『メカ』、そのまま『獄衣deサンバ』へ。
ミドリの間奏で、の子が「わあわあわあ」と呟き始める。そこで後藤まりこがの子のもとへ威嚇するように大接近。切迫感と緊迫感のある状況の中、の子が後藤に「あなたイイ匂いがする」と素朴な意見を。爆笑する会場。
そして後藤まりこが演奏中、monoのネックレスを引きちぎる。

mono「後藤さんマジメに恐いわ。俺のネックレスが一瞬にして…」
まりこ「あご、あご、あご彼女できとるぞ。あご、首からネックレスに指輪通しとったぞ。ハジメ、お前あごに負けとるぞ」
ハジメ「えーっなんやねんこれ、俺あごに負けたんか!」
まりこ「お前こいつ童貞ちゃうやんけ」
ハジメ「俺も童貞ちゃうけど、けど、あご彼女おるねんな」
まりこ「お前負けとるやんけ」
ハジメ「負けたーーー!!!!」

まりこ「あご、お前彼女おるんけ?」

mono「はい、最近できました…」

場内騒然。そして拍手喝采。monoに彼女がいることを後藤まりこにカミングアウトさせられたこの瞬間、この日一番の盛り上がりとなった。「おめでとーーーーー!」の声がちらほらとあり、時折「ちくしょーー!」「ふざけんなーーー!」という声も。怒りの声は、ほとんどが男だ。

mono「なんでこんな形でカミングアウトしなきゃいけないんだよ!!」
ちばぎん「後藤まりこさんの結婚と同じくらい衝撃的なことですよ、ほんとに」
の子「monoくんもついにこのときが…リア充!!」
mono「うるせー!!」
まりこ「結婚すんの?結婚すんの?結婚すんの?なあ結婚すんの?結婚すんの?かまってちゃんで一発当てて結婚すんの?結婚すんの?」
の子「信じられないですよね!」
まりこ「の子くん置いて結婚すんの?」
の子「僕は全然結婚しないですよ!」

まりこ「自分ら結婚したらええやんか。結婚しいや!」

後藤まりこに勧められ、ここでなぜかの子×monoのキスシーンが。沸き立つリキッドルーム。本当に意味が分からない。もはや"VS "じゃなくて"BL"だ。
「やっぱそういうことやねんて。バンドはやっぱそういうことやねんて!!」
後藤は一人で納得し、テンションが上がったように全身で踊り始める。「いかれたまりこさんがいるんで、『いかれたNeet』という曲をやりまーす」との子の曲紹介により、『いかれたNeet』へ。すると、monoがなんと演奏を失敗。

みさこ「monoくん、動揺しすぎだよ!」
ちばぎん「あごのせいです」
みさこ「あごのせいです」
の子「リア充ー!」
mono「帰りたい…」
そこに突然後藤まりこが歩み寄り、monoを豪快にビンタ。メガネがものすごい距離で飛んでいく。会場には戸惑いまじりの笑いが絶えない。
の子「monoくん、今のは愛だ!!」
ちばぎん「早く曲やろうぜ!」
mono「こっちの(聞き取れない)」
ちばぎん「何?」
の子「何?何言ってんのかわかんねーんだよ!とりあえず曲いきましょう!」

神聖かまってちゃんの『いかれたNeet』の後は、ミドリが『鉄塔の上の2人』『どんぞこ』と立て続けに演奏。何年ぶんの「どんぞこ」という言葉を聞いただろう、と思えるほどの「どんぞこ!」の連発が終わり、ミドリがステージから去る。の子以外の神聖かまってちゃんだけがステージに残る。
「すいません…彼女できました」
monoの白状に、客席からは彼女ができたことに対する怒りの野次が。

mono「うるせー!今すぐお前らもバンドやれよお前ら!俺だって頑張ってきたんだよ!ちょっとくらいは祝福しろよ!」
みさこ「24年間いなかったもんね!」
mono「24年間彼女いなかったんだよ俺は!ああ!?」
ちばぎん「別に誰も責めてないじゃん、怒るなよ。"おめでとう"って言ってくれてんじゃん」
みさこ「赤飯炊こう、赤飯」

の子がマイペースに帰ってくる。「ごめん、トイレ行ってた」と。なんなんだこの日は。神聖かまってちゃんだけが残ったステージで、「の子ーー!」という歓声。「うるせーー!」というの子の返答。「糞の子ーー!」という歓声。「ありがとう!」と嬉しそうなの子。ちばぎんの「喜ぶんだ?」という問いに「嬉しいに決まってるだろ!配信だろ」と答えるの子。

『いくつになったら』の演奏が始まる。
「僕はいつか 東京のど真ん中で 何千人の前で 存在を見せてやる」
最初の部分を、偶然か、ただの間違えか、それとも意図か、「僕はいまや」と歌っていた。恐らくただの間違いだろう。本当に、いまや東京のど真ん中で何千人の前で存在を見せている状態である。
演奏後、「今日は『学校に行きたくない』で飛ばしすぎて最初から疲れた…」との子が吐き出す。が、すぐさま「でも今はスーパーサイヤ人3だ!」と実は元気であることをアピール。
monoが「最後の曲だよ」と呟き、お客さんが「えーーーっ!!」といいともの状態。
「僕は早く帰りたいよ…」
彼女がいることをカミングアウトして疲れ切った様子のmonoに、メンバーからもお客さんからもブーイングが。
「がんばってー!」
お客さんの声援に、「このままバンド終わってもバイト生活がんばるよ!」との子。「でも、まだまだ伸ばす。ついて来い!ついて来い!…"ついて来い"って英語で何て言うのかな?」とmono君に尋ねる。「"カモーン!"じゃねえの?」とmonoが答えるが、の子は「"あご?"あごじゃねーよ!!」と聞き間違える。

そしてここから突然のセッションが開始。
「僕は来年には終わるかも知れないー。だけど今僕はここで叩き付けるのさー」
そのような歌詞を即興で歌い、「お前ら、どこまでも行くぞ僕は!」と客席を煽情。
「あごー!」「あごかわいいよーー!!」
声援にmonoがニヤニヤ顔で答えようとしていると、の子がステージ中央までギターを持って歩き、床にギターを叩き付ける。いつものピンク色のギターではなく、借り物か何かのギターだ。叩きつける瞬間、みさこがドラム、ちばぎんがベースを鳴らして盛り上がらせる。しかし、何度床に叩きつけてもギターは全く壊れない。
「壊れないね…」
monoが寂しげに呟き、スタッフがの子に歩み寄る。の子はそそくさと元の位置に戻る。

の子「あんまりねぇ、なんかねぇ、壊れなかった」
mono「頑丈にできてるね。えーと、最後の曲だよね」
ちばぎん「うん、『ちりとり』」
mono「じゃあ最後の曲、ちばぎんが紹介してー」
ちばぎん「『ちりとり』だって言ってんだろ」

ちばぎんのクールな突っ込みに、場内は大盛り上がり。この日は会話からメンバーの個性がびんびんに伝わってきて、ライブなのかトークイベントなのか分からないほど会話が充実していた。
「よし、ついて来い!いくぞ!…あぁ、くそっチューニングが…」
の子がアジテーションするが、チューニングがまだできていない。「だから僕がチューニングしている間にmono君がラップを!」と促し、みさことちばぎんが演奏を始め、お客さんが手拍子でmonoにラップを求める。チューニングができたかできていないのか、の子もギターを弾き始める。
「お前の男の見せ所!この観客に見せてやれー!!」
の子の言う通り、ついにラップを見せつけるmono。

「俺は彼女できたんだよー。最近できたんだよー。お前らみたいなリア充に仲間入りしたんだよー。ああー?俺だってリア充になりたくてバンドやってんだよー。お前らだってリア充になりたくて生きてるんだろー。ああー?…ラップじゃねえよバカヤロー!」

monoのラップ、というか呟きがスタート。そしての子のギターとボーカルが入り、意外なかっこよさにびっくりする。会場は盛り上がり、大歓声が。クールにキマったのも束の間、残念なお知らせが。

ちばぎん「大人の事情の話をしますと、『ちりとり』やる時間なくなったんですけど…」
の子「でも、やるんだよーー!!」
みさこ「うちら子どもだからねー」

大人の事情は子どもには通用しないらしい。そんなわけで最後の曲『ちりとり』が始まる。
先ほどまで言語感覚がめちゃくちゃだったりしていたの子が、丁寧に歌い始める。その瞬間は少しグッとくるものがある。切実な気持ちで歌おうとしているところに。
「だから僕は、あなたたちもちりとってほしい気持ちでいっぱいです。小学生のときの気持ちは今でも変わりません。だから僕は!!ちりとってくれたら、いいなぁ」
monoはやはり、彼女にちりとられたのだろうか。この日のテーマはもう、これしかない。

その後、ミドリのメンバー全員がステージに戻る。後藤まりこがmonoに近づき、なにやら耳打ちをする。そして最後は『夕方のピアノ』
この曲ではなんと、ミドリのメンバー全員が演奏に参加。ツインドラム。ツインキーボード。ツインベース。そしての子と後藤まりこという唯一無二なツインボーカルで「死ねーー!!!」の絶叫。両者カリスマの「死ね」が乱れ撃ちだ。

「死ね!」「死ねー!」「はよ死ね!」「佐藤死ね!」「死なんかい!」「死ねよ!」

早い話、標準語と関西弁が入り乱れているという光景。
の子のボーカルエフェクターによる高い声、そして後藤まりこのデス声にも似た低くドスのきいた声。この現場ではもう、佐藤が死にまくりです。
「佐藤にいじめられたー、教科書はなかったー、僕のためにさー死ねーーーーー!!!!!」
最後はの子が叫び、演奏が終了。
そして後藤まりこがの子の身体を掴み、強引に客席に投げ込んでダイブさせる。やはり投げれるほど身体が軽いの子だし、男一人を投げられるほど後藤のパワーは半端ない。後藤は自ら飛び込んで、ダイブ。
後藤、ステージに戻ってきたの子に突進し、なぜか強引にキス。戸惑うの子と、無表情ですべてをやり遂げ、ドヤ顔の後藤まりこ。なんなんだこれ。ブッ飛んだ2人が見せた、よく分からない奇跡の光景。狂ったように見えつつも、どこか幼稚園児の男の子女の子の可愛らしいお遊戯にも見えるのだ。

ライブはこれにて終了。
余韻に浸っているのか、まだ何かを期待してしまっているのか、なかなか帰らないお客さん。ステージのカーテンが再び開くと、水着ギャルが登場。そして叫ぶ。
「今日はこれで終わりでーす。帰れーー!!」
最後は笑いに包まれ、イベントは終わった。

ミドリ VS 神聖かまってちゃん。
「一体どうなるものなのか…」と期待の反面、不安もあった。しかし幕が上がったその瞬間、期待も不安もすべてが吹き飛んだ。バンドが2つ同じステージにリアルタイムで同居するのは、絵的に笑いが止まらない。「なんだこれ」という光景なのだ。これが大成功だったように思う。
思えば、ミドリは神聖かまってちゃんの曲に繋げる工夫をしてくれていた。一方、神聖かまってちゃんは自分たちのペースだけでやっていた。
どちらもそれぞれの気合いがあった。ミドリは"VS"の気持ちがムンムンとしており、ミドリらしかった。神聖かまってちゃんはいつものペース。それぞれの"自分らしさ"がぶつかり合い、とにかく刺激的な空間でした。

終演後、物販ブースがなぜか異常な盛り上がり。
色んな人たちがいた。ミドリとの対バンとなると尚更だ。開演前に、久々に漫画家の山本直樹さんとお会いできた。以前、ゴールデン街で飲んでそのままカラオケに行って以来の再会。ナタリーのタクヤさんにもお会いし、「さっき楽屋レポ書いて、これからライブのレポも終わった後アップするんだよー」とガンガン仕事中だった。それにしてもナタリーの記事のアップの早さは異常です。
女優の佐藤江梨子の姿を発見。どちらを目当てに観に来たのだろうか。
フジテレビ『FACTORY』公開ライブ時、の子さんにギターを授かった女子高生とそのお母さんが来ていた。ちばぎんがギターにサインを書いてあげていた。僕はちばぎんに出会い頭に後ろから蹴りを入れられた。

の子さんのテンションも高く、後藤まりこさんの気合いはやはり天井知らず。もう二度と観ることができないであろう、ある種の伝説的な空間を体験できました。

2010年8月12日 恵比寿リキッドルーム
〈セットリスト〉
1 うわさのあの子(ミドリ)
2. ゆーれいみマン(神聖かまってちゃん)
3. あたしのお歌(ミドリ)
4. 学校に行きたくない(神聖かまってちゃん)
5. ゆきこさん(ミドリ)
6. ロックンロールは鳴り止まないっ(神聖かまってちゃん)
7. スピードビート(ミドリ)
8. 通学LOW(神聖かまってちゃん)
9. リズム(ミドリ)
10. ベイビーレイニーデイリー(神聖かまってちゃん)
11. 春メロ(ミドリ)
12. あるてぃめっとレイザー!(神聖かまってちゃん)
13. メカ(ミドリ)
14. 獄衣deサンバ(ミドリ)
15. いかれたNeet(神聖かまってちゃん)
16. 鉄塔の上の2人(ミドリ)
17. どんぞこ(ミドリ)
18. いくつになったら(神聖かまってちゃん)
19. ちりとり(神聖かまってちゃん)
20. 夕方のピアノ(神聖かまってちゃん / ミドリ)

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