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2010年3月9日火曜日

神聖かまってちゃん@渋谷eggman

雪!!

とにかく雪。3月であるにも関わらず、東京には雪が降っていた。渋谷の路上がつるつると滑り、安物のシューズは水浸し。穴が開いているのか、足に氷漬けされたかのような冷気が走る。感覚が麻痺する。何故そこまでして、仕事終わりにビデオカメラを抱えて渋谷に行く?答えは一つ、神聖かまってちゃんのライブがあるからだ。
それにこの日、の子さんから事前にこっそり"YUIが来ている"という情報を得ており、YUIを見たいというミーハーな動機もあった。

余裕ぶっこいて遅れてeggmanに到着すると、入り口が人で塞がっている。神聖かまってちゃんの人気はもはやここまで来ているのか。ステージが遠く感じる。背伸びしないと見えない。神聖かまってちゃん、明日には武道館か?などと大いに期待と不安に襲われていたところ、シークレットゲストにCoccoが登場。
なるほど、Coccoのファンの人たちか。ため息まじりの安心がそこにあった。
Coccoは元くるりの大村達身さんと2人組で登場。直前まで出演することは公表されていなかったが、このファンの数。平日で、雪なのに。それほどまでファンに愛されているのだろう。
ライブを観ていると、僕の右隣にいた女性が突然倒れる。続いて、左隣にいた女性も倒れる。どちらも気分が悪くなって倒れたようで、すぐに連れの方やスタッフに抱きかかえられてフロア後方に運ばれていく。女性が両サイド倒れたので、自分を軸に女性が倒れたことになる。そんなに僕は臭いのか。はたまたキラーなのか。口笛を歌うだけで卒倒させるという時代のスターなのか。

神聖かまってちゃんは最後の出番。

セッティング中、ステージに下ろされたスクリーンには『ロックンロールは鳴り止まないっ』のPVが流れている。そんな中、スタッフとメンバーが機材をセットする。ちばぎんと目が合う。「ちんぐ(竹内のこと)見ると落ち着く~」と言ってくる。monoくんと目が合う。近付いてくる。ここには書けないことは話しかけてくる。みさこさんが一生懸命スタッフとドラムをセットしている中、の子さんがステージに座り込んでいたり、ドラムを叩き始めたり。ドラム姿は少し貴重に思った。

程なくするとの子さんがステージから消え、登場SEが。いつもの『夢のENDはいつも目覚まし!』とは違い、今回はアニメ『ぼのぼの』のエンディング曲『近道したい』だった。日曜日の昼下がりのような穏やかなムードの中、「毎日がとてもつまらなくって~♪」という歌が流れながらメンバーが登場。アニソンであることは変わりないため、恐らくちばぎんの仕業だろう。

「はじめまして!最後まで残っていただいてありがとうございますー」
monoが挨拶。その口調だけで彼が完全に酔っ払っていることが伺える。続いての子が喋り始める。
「今日はなんと、タワーレコードに行くと、(神聖かまってちゃんの)アルバムがあった!買いましたあなた?買った?ああそう、無駄金だったねそれは。ははは!当たり前だよそんなもんあんなのどこがいいんだよって話だよ。一回目聴いたときは良かったんだけど、その後どんどんどんどん憎悪が…」
明日発売される神聖かまってちゃんの1stミニアルバム『友だちを殺してまで。』をの子がdisりまくる。記念すべき初の全国流通アルバムが発売されるというのにこの言い様。さすがです。
「そんなこと言うなっての!俺らがんばったのにレコーディング!」とmono。「まあ、こんな奴の話は置いといて、僕のソロプロジェクトの音源作りました!親父とPV撮りに行きました!そっちのほうが嬉しいだろ!」との子は容赦なく続ける。
「というわけで神聖かまってちゃんです!よろしくお願いします!」とちばぎんが進行し、みさこがドラムをバシバシバシーン!ベースがデーーーン!と鳴り、神聖かまってちゃんのライブがスタート。

1曲目は『いくつになったら』。遂にこの曲が初披露となる。
みさこが早とちりしたのか、の子がもたついていたのか、演奏やり直し。「色々と空気を読め!」とみさこに注意を促すの子、「ほいっ!」と威勢よく声を張り、「僕はーいつかー!!」と歌い始める。途中、monoのメガネがずれ落ちそうになり、咄嗟に片手でメガネを押さえる。今までに意外とこういうことがなかったため、貴重な瞬間だった。どうでもいいことだが。
「こんな簡単な曲なのにずっと演れなかったっていうね。たぶん君たちでも2、30時間くらいあればできる」との子。「雪が降ってるんで、お酒でも飲んで…」と続けると、monoがパーカッションを鳴らし始め、「うるせえばかやろ!」と苛立つ。
パーカッションといえば、『自分らしく』。冒頭でmonoが途中スティックを落とし、みさこが「落としましたね」と指摘。メガネもスティックも落とすmonoでした。

演奏後、お客さんの多さに反応するの子とmono。
「俺らの2、3年前とはえらい違いだよ。今の客の多さを考えたら」とmono。その頃は幕が開けた途端にお客さんか0人だったり、対バンの人しかなかったこともあったという。「あと、バーにいる人と受け付けの人だけ…て、お前なんだよその目!」と、monoの喋りを完全に無視しているの子に戸惑う。

の子「あとは富と名声を…」
mono「お前、今回のアルバムもあれでしょ。結局、売れるか売れないかで金が入るかどうか、みたいな」
の子「は? お前たまに何言ってんのか分かんねーよ。フランス語か!シルブブネレー?」
mono「酔っ払ってんだよ!酔っ払ってなきゃお前の相手なんかできねーんだから!」
の子「あっそ」
mono「あっそ、て何だよお前!付き合い長いだろお前!」
お客さん「アゴざまあ」
mono「誰だよお前!!」

いつも通り、のんびりグダグダなの子とmonoの会話。このやり取りは初めて観る人の目にはどう映るのだろう。YUIはどう思っているんだろう。この日、僕は"YUIはどう思う"と考えていた。「アゴざまあ」そのときYUIは?「誰だよお前!!」そのときYUIは?という気持ちもあった。
その後は『23才の夏休み』。この雪の降りしきる中、夏まっしぐら。夏の暑い日差しが恋しくなる。

の子「『23才の夏休み』はクソみたいなライブばっかだったから色々試行誤差してきたんだけど、」
ちばぎん「試行誤差ってなんだよ。試行錯誤な」
そのときYUIは?
の子「いつも俺ヘッドセットしてかっこいいんだけどな、今回はちばぎんがな」
mono「ちばぎんがヘッドセットして、かっこよさを譲るんでしょ?」
ちばぎん「…死ねばいいと思います」
そのときYUIは?
の子「今日は持ち時間が27分だからな。さっさと終わらせないと」
mono「そうだよ、さっさととっととぺっぺらぺーってな」
の子「は?なんだよそれ」
そのときYUIは!?

YUIの反応を知るよしもなく、『23才の夏休み』は終わる。
「あれ?失敗じゃね?」「見事に失敗だよ」「あれ?なんで失敗したの?」「いやいや俺はちゃんと弾いてたよ」「じゃあちばぎんのせいってことか?」「いや、僕が悪かったちばぎん」
の子とmonoがこのようなやり取りしていることに対し、ちばぎんがキリッと告げる。
「あの、ごめん。反省するのは誰でもいいんだけど、ステージの上ではやめない?」

みさこ「最近ちばぎんも反抗期なんですよー」
mono「ちばぎんは反抗期じゃないよー。みさこー、お前はボーッとしているだけだよー」
みさこ「うそ…そういえばmonoくんも最近女の子のファンが増えてきて…」
mono「うるせえバカ!それ言うなこのやろ!」
の子「女の子のファンが増えてきたのかキミは。その顔で。最近どこもかしくもCD屋に行けば(神聖かまってちゃんが)"非リア充のどうとか"言われてるけど、女の子のファンができていたらリア充じゃん。うなじゅうじゃん」
mono「俺はリア充になりたくてこのバンドやってんだよ!!」

このどうでもいい会話の流れで、『ロックンロールは鳴り止まないっ』。雪も溶けそうなまったりとした雰囲気であるけど、曲自体は熱いため、それこそ雪が溶けてしまいそう。monoのピアノのアレンジも効いており、ライブ感が出ている。音源で聴くのとはまた違う迫力がある。
そういえばこの日、ライブハウスに向かう前、渋谷のタワーレコードで神聖かまってちゃんのコーナーが出来ているところを目撃した。やはり感激する光景だった。
しかし、目の前のステージではmonoがの子に近付き、靴のにおいを嗅いでいた。やはり感激できない光景だった。

の子「え? どうして今近付いてきたの?」
mono「いや、絡みたかったんだよ…」
ちばぎん「仲良しだな」
mono「うるせえばかやろ!」
の子「(monoに対し)お前のせいで俺、顔の形が変形したんだよ。奥歯抜けたし。メリケンサック持ってんだろ?引くわ」
mono「いつかお前をぼっこぼこにするために買ったんだよ。2600円で買ったんだよ」
みさこ「リアルな数字…」
の子「ほんとに引くわ。メリケンサックなんか持ってたら捕まっちゃうんじゃないの?捕まっちゃえよ」
mono「うん、軽犯罪で捕まっちゃうね」
の子「いやいやいやいや、キミは捕まっちゃうよ!サイバーポリスに」
mono「サイバーポリスといえば、ロックマンだよ!」
ちばぎん「その話長い?」

YUIはこの会話にどう思うのだろう。もういいか、このくだり。

最後は『いかれたNeet』。いつも通りのグダグダな会話の終止符を打つためにも都合のいい曲への進行。ああ、音楽があって良かった。
ちばぎんがmonoと向かい合ってベースを弾いている最中、の子がパーカッションを置く台の上によじ登り、立つ。最近はこのアクションが多いけど、この日はちょっと違っていた。
なんと、の子がバランスを崩し、落下してしまうのだ。
ビデオカメラにはメンバー4人がきれいに収まる構図が映り込み、ドラムとベースが息を合わせてジャーーーン!!と奏でる。
この構図、これこそが神聖かまってちゃんだ。
YUIはどう思っただろうか。

終了後、の子とmonoがステージ前方に来て挨拶する。「今日は雪が降っているんで、疲れて帰ってください」との子がこれまたよく分からないことを言う。monoがまるで何も考えていないような表情で、「バイバーーイ!」と元気いっぱいに声を上げる。
ちなみに、この2人の顔の大きさの違いはちょっと無視できない。
その後もファンサービスを忘れないmonoはステージ最前でファンの人たちと絡んでいる。いい人だ。ほんとにいい人だ。YUIも惚れるよ。しかし、長居しずきたせいか、下りてきたスクリーンがmonoの後頭部に突き刺さってしまう。
の子は最後の最後まで「アルバムは買わないでくださいー!」と斬新な宣伝を。monoが咄嗟に「買ってくださいー!」とフォローし、神聖かまってちゃんの出番は終わる。

イベント終了後、お客さんが少なくなったフロアでの子さんのはしゃぐ声が聞こえてくる。
なんと、振り返るとYUIがいた。そのYUIの前で、の子さんが大声を上げてなんだかはしゃいでいるではないか。いや、はしゃいでいるかどうかは分からないけど、とにかく動いている。そしてYUIの曲にある「やいやいやいやい~♪」をパロっているのか「ゆいゆいゆいゆい~!!」と歌っているのだけは確認できた。
YUIは笑顔での子さんを見つめていた。まるで会話になっていない。YUIはどう思ったのだろうか。

eggmanの会場が深夜イベントのための片付けと準備に入り、外に追い出される。雪は雨に変わっていた。そして肌寒さは尋常ではなく、靴の中の冷気はただごとではない様子。足の感覚がない。monoくんを本名で呼んでみると「本名で呼ぶな!」と言われ、みさこさんには壁に押し込まれ、ちばぎんはこの日残念なことがあって(次回のライブレポでそれが分かります)少し元気がないようで、の子さんは「こんな雪の中、普通は来ないですよ」と言ってくる。
Coccoのとき、両隣の女性が倒れたのがやっぱりショックだった。「自分では気付かない体臭が?」などと仮説を立ててしまった。
「Coccoのとき、僕の隣にいた女の人が2人も倒れたんですよ。次々と」との子さんに告げると、「えっ?Coccoのライブってそんなに激しいんですか?」という解釈が返ってきた。
「それは竹内さんの…音楽ですよ」
こんな仮説をの子さんからいただき、帰路につく。

YUIは帽子を深くかぶっていたけど、それだけでも可愛らしい雰囲気だった。神聖かまってちゃんをどう思ったんだろうか。(結局そればっかりですみませんでした)

2010年3月9日 渋谷eggman
〈セットリスト〉
1、いくつになったら
2、自分らしく
3、23才の夏休み
4、ロックンロールは鳴り止まないっ
5、いかれたNeet

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