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2010年2月18日木曜日

神聖かまってちゃん@渋谷O-nest

神聖かまってちゃんにとっては2度目の渋谷O-nest。

前回のO-nestは無料イベントだったからか、お客さんが大入りだった。今回、入りはどうなるのか。
会場には早めに着き、iPhoneを買ったばかりの最先端・劒マネージャーに恐らくストレスが原因であろう身体のじんましんを見せていただいた。じんましんだった。戦時中を感じた。『火垂るの墓』で死ぬ前くらいの節子の身体にできていたものに近かった。大丈夫なのだろうか。
この日、友人のバンド・シャムキャッツも出る。彼らがトリということで、ギターの菅原慎一くんに「竹内さん、神聖かまってちゃんが終わったらお客さんを止めておいてください」と言われる。
1バンド目は、0.8秒と衝撃というバンド。僕の目の前にいらした女性ボーカルが赤いタイツ。ライトを浴びて赤が映えていた。赤タイツばかり見てしまう。2バンド目はふくろうず。それはもう見事なボブのキーボードボーカル。赤タイツとボブばかり見ていたわけではないが、グッとくるものがあった。

神聖かまってちゃんの出番が来る。

の子のアゴにちょっとばかり大きなデキモノが。思えば、先日までのライブは起伏があった。2月5日の名古屋ではライブ直前の失踪。「居酒屋で一人で飲んでた…」とのことらしい。7日の大阪は普通にライブし、8日の新宿LOFTではmonoがの子を殴った。そして9日の柏は、の子がライブを欠席。残り3人のメンバー+劔マネージャーによる"神聖こまったちゃん"が結成された。

この日、無事にこまったちゃんではなく、こまってないちゃんだった。じゃなかった。神聖かまってちゃんとして出演した。

「渋谷O-nestは2回目ということで、僕たちはこのO-nestが大好きです。なぜかというと、対バンが客を集めてくれるから。対バンが集めてくれるから、そいつらのぶんを根こそぎごっそり持っていくことができるから」
第一声、の子が自信満々の発言。monoが「若干(客が)しらけてるよ、ほんとに。えーっ、、あれだね、こないだはお前欠場したからね。今回はちゃんと、(メンバーを指差しながら)1、2、3、4人。4人でやれました!無事に!」と言うと、客席から拍手が起きる。
「やっぱお前がいなきゃダメなんだよ!!分かる?ね、"お前なんかいなくてもやれるよ!"とか俺言ったけどね。言ったけど、やっぱお前がいなきゃダメなんだよ。みんなお前を待ってるんだよ!!」
monoの言葉に拍手と歓声が。なぜか最初から感動的なシーンになり、「やめろよ…こんな状況でいいのか?やめろよ、素に返るから…」との子が照れ気味になる。
前回のバイオレンスなステージとは打って変わり、友情のステージに。monoの目はキラキラし、の子は恥ずかしがりながらも、嬉しそうな表情を浮かべた。BL漫画にされそうなくらい、美しい光景だった。

1曲目は『怒鳴るゆめ』
感動的だった。珍しくの子側から撮影したが、その表情は常に凛々しいものだった。LOFTでの態度が嘘のように、別人のように、ギターを掻き鳴らしていた。今年に入ってから神聖かまってちゃんのライブは、怒鳴るPA、怒鳴る客と続いていた。しかし今回のライブでしっかりとゆめが怒鳴れていたのだ。
「僕らなんてちっぽけって言わせないぜ」
誰もがちっぽけだなんて思えないライブ。1曲目から飛ばしていた。
演奏後、人さし指を立てながらはしゃいでいるの子。最近気づいたが、の子はテンションが高いときやテンションを上げようとしているとき、人さし指を立てることが多いように思う。

mono「お前あれだね、一回ライブを休んだから本調子だね」
ちばぎん「そういうこと言うなよ!」
の子「違う!ライブは、続けてはいけない。2週間に3週間に一回くらいがちょうどいい。ワンマンは、ダメ」
mono「あれだね、お前は現代社会のアレ(?)と同じようなことを言ってるよね。いや、いいよいいよ。お前、この現代というもののそのまんまの姿が映っているからね!」
の子「話が噛み合ってなくてよくわかんない」
mono「僕は噛み合ってるよー!」
の子「そろそろ一人で踊ったら?とぅっとぅっとぅるっとぅるー♪」

の子が音頭をとり、ちばぎんとみさこがリズムを刻み始め、monoを躍らせようとする。mono踊りは最強なのである。昨年4月の下北沢屋根裏のライブでは『夜空の虫とどこまでも』で、ドラクエでいうとMPを吸い取られそうな踊りを披露していた。このまま多くのお客さんのパワーを吸い取り、自分たちのものにするのではないかと危惧した。が、この日は結局踊ることはなかった。
「あのね、前もって打ち合わせしよ」
monoは優しい口調でメンバーに訴える。

「でもここはいいね。o-nestは、対バンの客がいっぱいいて。アウェイ感とホーム感が混在してて、僕はここ大好き」
の子の調子はすこぶる良いようだ。『自分らしく』の演奏へ。monoに「早くしろよ、バカ!」と言ったの子だが、ギターのチューニングが合っていなかったのか、自ら曲を途中でストップ。そして仕切り直し。「ちょっと待てよ!はえーよ!今のはお金を払ったお客さんに失礼だろ!」と言いながら、横でmonoが「(お客さんに)今日は許して!今日だけは許して!」と謝る。「いや、自分がチューニング間違えてただけだけどな。ちゃんとしてくれよ」との子が白状。monoがパーカッションを鳴らしながら、そのまま曲へ入る。
ジャーン!ジャーーーン!ジャーン!の部分でいつもmonoが空中パンチするのだけど、先日の人間パンチとは格別のかっこよさがあった。

演奏後、「いやっふぃーーーい!!」と絶叫して気持ちよさそうなの子だけど、「そんなわけで神聖かまってちゃんでした。ありがとうございましたー」とライブを終えようとする。monoとみさこが「ありがとうございましたー。って!」とノリつっこみ。
monoがアルバム『友だちを殺してまで。』の告知をした後、みさこが「ちばぎんが飲んでいるジュース、『紅茶花伝』なんですけど、ライブ中に『紅茶花伝』っておかしくないですか?」とお客さんに問う。ちばぎんが「そこ、つっこむところ…?」とみさこに確認。両方に言いたい。「たしかに」と。

次は『23才の夏休み』。ライブでやるたびに進化していく。というより、実験していく。始まりのみさこのドラムも変化を遂げてきているし、コーラスもころころ変わる。色んな部分に改善が見えて発見が面白いのです。
の子が頭に付けているマイクがズレ落ちつつあった。演奏中には直せないので、常に落ちそうな様子はかなりスリリング。昨年8月のライブではの子がズレ落ちる頭のマイクにイラッとして、なぜかマイクスタンドを蹴飛ばすというシーンもあったが今回は無し。スタンドを蹴っていたら僕のほうに飛んできたことだろう。

の子「僕らもかれこれ色々あって、最近は遠征とかあったんですけど、最近は、局もね」
mono「ああ、テレビ局ね」
の子「もう俺らも活動して6年になるんだけども」
ちばぎん「6年は言い過ぎだろ」
mono「そりゃあお前、ケンカの一つか二つはするわ!」
客席から笑いが。
の子「こないだ殴られて、耳から血が出たんだ。これちょっと笑えないけど」
mono「病院、行ったの?」
の子「病院と精神科行ったよばかやろー」
mono「おれ関係ないだろー!」
の子「お前のせいじゃない。偶然タイミングが合ったから。でも、お前のパンチで俺の精神的支柱が折れた」
みさこ「リアルなんでやめてもらえます?」
mono「土下座すればいい!?"悪かった、の子!"って?」
の子「…冗談だよ、ばかだなぁ」
mono「反省してますって僕。ちょっとカッとしてボカーンってやっちゃったけど」
の子「前回の記憶がないんだ、本当に」
mono「えっ!記憶がない?俺すごいねー!記憶が無くなるほどのパンチってことなのかな。俺自信持っちゃうなー。彼女できたら、ね。あれだよ。"俺にまかせとけ"って」
ちばぎん「ああ、守ってあげるんだー」
みさこ「守る人がいない」

中央でメンバー3人に囲まれるmono。こういった会話のために、キーボードが中央にあるのかも知れないと思えるほどだ。バンドの中の出来事もMCで何でも話すその姿は痛快で、最終的にはいつもmonoがいじられて終わる。
そんなこんなで『死にたい季節』の演奏へ。
演奏を始める前、「なんか言えよ、ワン・ツー・スリーくらい言えよ」とみさこに促すの子。そのせいでみさこがなぜか混乱する。そのグダグダっぷりに、の子が「テレビでイタイ素人を見てるかのようだ」と呟き、笑いが。

『死にたい季節』は死にたくなくなるほどバッチリとキマり、次は『ロックンロールは鳴り止まないっ』
monoの喋りに対し、の子が「お前、ビートたけしに影響されているだろ」と指摘。

の子「最近俺も『ソナチネ』と『その男、凶暴につき』を借りたんだ」
mono「お前、バイオレンス映画ばっか借りてんじゃねーか。最新の映画見に行こうじゃねーか」
の子「え?」
mono「最新の映画見に行こうじゃねーか」
の子「何言ってんだ?何語だよ。グローバル社会がどうかしたのか」
monoの喋りは滑舌が悪くて、たまに何言っているか分からないことがある。というのも、酔っ払っているからそういう喋り方だったりするわけだけど。
mono「最新の映画!」
の子「ああ、『アウトレイジ』だろ。お前と観ねーよばかやろー」
mono「(ビートたけしっぽく)観ねーよばかやろー」
の子「似てねーよ」
mono「なんだよ!マイクをいちいち下げるのが大変なんだよ!座ったり立ったり、楽しいな」

monoがいちいち笑いを誘い、「次の曲いくよ!『ロックンロールは鳴り止まないっ』だよ!ロックンロールはもう鳴り止んでるんだよ俺らの中で!」とmonoが言うと、の子が「ほんとだ、いつの曲だと思ってんだよ。やり飽きたよ。バカじゃねーの。なにが『ロックンロールは鳴り止まないっ』だよ。アホか!」と、まさかの自作批判。会場は笑いが止まらない。

次の曲でこの日は最後になる。
「このくらいの短さがちょうどいいです。ワンマンとか…」との子が言いかけると、ちばぎんが「じゃあワンマンやめよう!」と。の子が「うん、ワンマンやめよ」と言い、monoも「ワンマンやめるか!」と言う。ちばぎんが乗ってしまうと誰もつっこむ人がいないので、ワンマンライブをやめるという話で完結してしまう。

mono「はい、曲いきますよー!『いかれたneet』ですよ!あーもう、曲紹介するのかっこわるっ!」
の子「なんでかっこ悪いんだよばかやろー!」
mono「さりげなく始めたいんだよ!」
の子「うだうだ言ってっからだよばかやろー」

この2人のやり取りに、お客さんの一人が「お前らほんと仲いいなー」と呟いたのに和んだ。ほんと、今年始まってからのライブのことを考えると、心が温まるMCなのです。なかなか曲は始まらないけど。
最後の『いかれたneet』もそうだけど、この日はすべての曲がばっちりキマった演奏だった。こういう神聖かまってちゃんが観たかった。そう思う人は多いはずだ。衝撃的なライブというよりも、楽曲の良さが表れたライブが気持ちいい。
「いかれたニィィーィートーオ・オ・オ・オ・オ・オー!」
PVでいうと、木のようなものをひっくり返すシーン。この部分にいつも気分が高揚してしまう。

演奏終了後、ギターをぶんぶん振り回して遊ぶの子。ギターを肩にかけたまま、パーカッション機材の置いてある台の上に登る。monoのウィスキーを手に取って、monoに投げ付け、ステージの天井に両手でぶら下がってゆらゆら動き、遊ぶ。
「これがやりたかっただけだ!!」と叫ぶ。
「フゥ~~イ、フゥゥ~~イ」と言いながら天井からぶら下がっているの子の身体を、monoが手で揺らしてあげる。お父さんと子どもみたいだ。
の子が着地しようとするとき、の子の手がmonoのメガネを直撃。メガネが吹っ飛ぶ。
飛んだメガネを急いで探し、「あっ、あったー。良かったー」と気弱な声で呟くmono。の子は自分の位置に戻り、マイクで「えー!それではこれからも良いお年を!!」とキメ顔で言うの子。みさこが「えー!」と悲鳴を上げる。

「次のバンドも素晴らしいバンドが出ますので、よろしくお願いします。初めて観てくれたお客さんも、ありがとうございました!初めて観たお客さんも、ほんと心からありがとうと思っています。初めて来たお客さん、初めて観たお客さん、初めて曲を聴いたお客さん、心からありがとうございました!はい、知ってる人たち早く帰ってください」

無気味なくらい、爽やかな笑顔で胸に手を当てながら礼儀正しく挨拶するの子。清々しい終わり方でした。

最後のバンドは、シャムキャッツ。思えば、3年前に関東に住み始めて、初めて友だちになったバンドがシャムキャッツだった。
『忘れていたのさ』の冒頭の哀愁はたまらない。ボーカル・夏目くんが今日乗った電車、何をしたか、まるであらかじめ用意された歌詞のように即興で言葉を紡いでいく様が健在。『アメリカ』は「スガワラー!」という掛け声で始まるギターソロからは、ギター・菅原くんに目が釘付けになる。

O-nestの上の階はイベントが終わってからもダラダラと広々としたスペース。
ライブを観に来ていたSEBASTIAN Xのベース・飯田くんをみさこさんに紹介し、つまらないことを言うとみさこさんに「竹内さんって関西出身の方ですよね?」とバカにされ、ちばぎんには乳を揉まれ、monoくんには顔を近付けられ、劔さんはハットを被ってなぜかジョニー・デップな格好をしていた。
この日は神聖かまってちゃんというより、神聖かまってさんと言いたいくらい、ライブに貫禄さえ感じた。毎度毎度、ライブの印象が大きく違う。初見の人はどのタイミングで観るかによって、その後のバンドへのイメージが変わってしまうのだろうか。
少なくともこの日のライブは、ファンが確実に増えるものだった。一つだけ指摘することがあるとすれば、の子さんのアゴのデキモノだけが気になったことだけだ。

2010年2月18日 渋谷O-nest
〈セットリスト〉
1、怒鳴るゆめ
2、自分らしく
3、23才の夏休み
4、死にたい季節
5、ロックンロールは鳴り止まないっ
6、いかれたNeet

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