神聖かまってちゃん、初のツーマンライブ。バイナリキッドとの"タイマンGIG"と題されたイベント。
演奏する曲は過去最大級に多いだろうし、そのぶんお客さんも多くて盛り上がるはず。予想通り、渋谷LUSHには長蛇の列が。LUSHでは過去に3度ライブをやっているが、一番の混み具合だった。ドラクエが発売されたときみたいな列だ。出来れば前のほうで観たいというお客さんが多いように思った。monoくんのアゴが突き刺さる危険性も知らないで。
開場時間は押していた。ちばぎんは会うたびに乳を揉んでくる。みさこさんは尻を触ってくる。「竹内さん、今日も揉まれに来たんですか?」と言われる。違うんだ。今日、俺は神聖かまってちゃんを撮影しに来たんだ。
開演前のステージ上のスクリーンにはなぜかマイケル・ジャクソンのDVDが流れており、ちばぎんとゆらゆらリズムを取りながら喋っていると、神聖かまってちゃんの物販スタッフである恋愛研究会。の中内さんが近付いてきた。
「これ作ったんですけど、販売しちゃっていいですかね?」
そう言って見せてくれたのが、monoバッジ。3月10日の発売される1stミニアルバム『友だちを殺してまで。』の裏ジャケットに応募したイラストが、まさかの二次使用。承諾前に制作。しかも他のメンバーが切られていて、monoくんとモアイだけになっていて、神聖かまってちゃんのグッズなのか何なのか分からない状況になっている。最高です。
もちろん承諾。次のライブから物販で売られるそうなので楽しみです。正直、神聖かまってちゃんの活動を追ってきて最も嬉しい出来事でした。monoくんというところがいい。
神聖かまってちゃんのライブがスタートする。
いつも以上にお客さんの数が多い。ギュウギュウ詰めとまではいかないが、マイケル・ジャクソンの踊りが出来ないくらいの詰め加減だ。そもそも、なぜマイケルのDVDが流れていたのだろう。
「どうもこんばんわー、神聖かまってちゃんですー」
テンション低めのの子が挨拶。お客さんの「の子ー!」「の子ーー!」という声に、の子が「うるせえよ!」といつもの調子で返す。monoが「"の子ーの子ー"って、俺はねえのかよ…」と呟くと、一人のお客さんの「monoー!」という声にmonoは「ありがとうございます!」と満面の笑み。言わせてどうするんだ。
mono「今日けっこう人いるなー!」
の子「これ全員俺らの客なのかな。俺らのこと観に来た人、手あげてー」
たくさんの人が手を上げる。
の子「少ねえじゃねえかこのやろー!!」
ちばぎん「多いよ!」
の子「少ねえじゃねえか全体的に見て!これだから結束力がないんだよ」
「俺は今日38.9℃の熱がある、、」
この日、終始「38.9℃の熱がある」と言い張っていたの子。ライブには熱があった。の子自身は物凄く元気だったように思えた。
1曲目は『ぺんてる』。最初から出だしが好調。今年は22日にいきなりうわぁ…なライブが繰り広げられていたのもあり、24日は不安を募らせて、そしてこの31日。の子のテンションが次第に高まって(熱も高まったようだが)、この日は好調な滑り出しだった。22日に初めてライブを観て神聖かまってちゃんのライブに通い出した人にとっては、物凄く成長が早いバンドのような印象さえ受けるだろう。そのくらいの浮き沈みの激しさです。
それより、monoのファッションが気になる。どうしたのか。垢抜けたのか。いや、垢抜けようと必死にもがいている気持ちは十分伝わってくる。白とピンク(本人は赤紫だと言い張っている)の服、更にネックレス的なものが首から飾られてあり、田舎のヤンキーがステージでうろうろしている瞬間が多々あった。
「風邪が治んねえんだよー!!」
『ぺんてる』演奏後、キメセリフのように叫ぶの子。「今日どうする? こんなにお客さんいるけど」とちばぎんが尋ねると、の子は「取り込むんだよー!売名?バイナリ?キッドのファンを!」とテンションをギンギンに上げて答える。
ちばぎん「今日、持ち時間が1時間あるんだけど」
mono「1時間つっても俺らいつもオーバーしてんじゃねえか」
みさこ「そうだね、30分の持ち時間を1時間やっているから今日はちょうどいいですね」
ちばぎん「いっつもじゃねえだろ!イメージ悪くすんなよ!」
ちなみに昨年6月の渋谷屋根裏でのライブは、30分の持ち時間で55分間のライブ。みさこの言うことは割と正しいのかも知れない。
次は『黒いたまご』。
24日のライブより、遥かにアレンジがかっこよくなっている。正直、ライブでの子の宅禄音源を超えられるのか不安だったけど、余裕で超えていた。やはり大音量の迫力にはかなわない。それに、monoの切ないピアノの音が加わっていた。ヤンキーとしか思えない格好のmonoだが、ヤンキーには決して表現できない繊細なフレーズをサビで弾いていた。わずか7日間での曲の成長に、感激してしまう。
演奏終了後、「ほえー!ほえー!」との子が楽しそうに吠える。演奏がしっかりできた喜びだと解釈できる。本人は「大丈夫かー!頭がー!って感じ」と意味不明なことを叫んでいた。
の子とみさこの鼻炎コンビがティッシュの貸し借りを始め、の子が鼻水を出している間はmonoとちばぎんが場を繋げる。
「今日1時間も大丈夫なのか俺ら」とmonoが喋ると、の子が「だから、風邪を伝染すんだよ!」と。みさこが「そうだね、今日はタイマンギグだからね」と言う。
タイマンがの子の風邪を伝染すという地味な攻撃方法となった、神聖かまってちゃん。いつも通り、曲間はグダグダ。それでも演奏が始まるとばっちりキメるこの日。会場は明らかに神聖かまってちゃんファンが多いように思えたが、の子は終始"アウェー"と言い張る。
の子「いいかお前らこのやろー。神聖かまってちゃんって名前しっかり覚えとけよ!神聖かまってちゃんがどんどんどんどん、来年くらいには武道館だよこのやろー!そういったことを手相で占ってもらったんだよ。そしたら武道館とか出るって言われたんだよ!!」
mono「え?武道館行くなんて言われたっけ?」
の子「…いらんチャチャ入れるな」
mono「…あ!言われたね!武道館行くぞこのやろー!」
無理矢理の子に合わせるmono。そして久しぶりの『ゆーれい未満』の演奏が終わっても尚、テンションが高いの子。
の子「うぉ!うぉ!うぇ!うぁ!うぉ!うぇ!うぉ!???どこだここ!? うぉ!うぇ!?」
みさこ「うぇ?」
の子「うぁ?」
みさこ「うぉ?」
の子「あ?」
みさこ「え?」
の子「なんだ?ケンカ売ってんのかこのやろー!」
頭のおかしい人たちのやり取りのようだが、これが神聖かまってちゃんのライブのMCだ。この日、最も笑いを堪えた瞬間だった。
monoが「またお前、壊すなよ」と、22日のライブでのドラム蹴り事件について触れる。「88万円弁償とか言われたよ。免許証コピーしてとか言われて…まあまあ!武道館出るからね!余裕っちゃあ余裕だけどな!現金でそのまま出すけどな!」との子が答える。怒鳴るゆめならぬ、怒鳴るPAさんに髪の毛を掴まれてステージ脇に連れ出されたシーンを思い出しす。
「目見て話せこのやろーとか言われて、目を見たら、俺の目がこんなん(かっ広げている)だから"お前喧嘩売ってんのか!"って言われて。どうすればいいんだよ!髪の毛掴まれて、学校思い出したよ!」
ちばぎんがようやくmonoの服を指摘してくれる。「お前今日ピンクなの?」と尋ねると、「違うよこれ赤紫」とmono。色にはこだわっているようだ。
次の曲は『笛吹き花ちゃん』の予定だというのに、monoが「次は『いかれたneet』です」と間違えたことで、『いかれたneet』へ。こんなこともあるんですね。
『いかれたneet』は少し前までは演奏するのが意外に思えた曲だが、最近ではもはや定番になっている。『ぺんてる』もそう。だからこそ、いつ予想外の曲を演奏するのか分からない。そのタイミングを逃さないため、毎度撮影に向かっている。
「そろそろ俺らの領地に、俺の手の平でころころ…」
の子は「そろそろ俺らの虜になっただろう」という意味のことをお客さんに言いたいらしいが、なかなか言葉になっていない。ニヤニヤしながら「手に平に、えっと、踊る?だっけ?」と付け加える。客席、「この人は何が言いたいんだろう…なんとなく分かるけど」といった表情で沈黙。の子は「えっ!?」と不安になって叫ぶ。
の子「まだころころさせてない奴は、していくぜ」
mono「さあもうころころさせるぜー」
みさこ「わーmonoくんキモーイ」
mono「また引っ叩きたいのかこのやろー!」
みさこ「叩きたい」
mono「あれ普通に痛かった…」
22日のライブでmonoの頬をみさこが引っ叩いた件について。みさこはまだまだ叩き足りない様子だ。
こうして、の子がなぜかニコニコしながら歌い始める『自分らしく』へ。ジャーン!ジャーン!ジャーン!の部分でmonoは空中をパンチする。その自由なパフォーマンスがツボに入る。
演奏終了後、「チーターマンが!チーターマンが!!」との子が叫ぶ。クソゲー『チーターマン』のことらしい。「チーターマンってあっただろ、ニコニコ(動画)で!」との子が言うと、なぜかその瞬間、monoが飲んでいたジュースを思いっきり吹き出す。爆笑の会場。
の子「ライオンキングって言おうとしたら、チーターマンって言っちゃった」
ちばぎん「レアなほうを」
の子「じゃあ今日はこれで終わりにします!さよなら!」
ちばぎん「うそー!!」
お客さん「え~っ!?」
みさこ「素で"え~っ?"って言ったお客さんいっぱいいたよ」
の子「もうダメだ、頭が朦朧としちゃって…」
女の子のお客さん「がんばってー!!」
の子「えー!はははっ。(嬉しそうに)なんだがんばってーって。こんな淡い声、昔はなかったんだ」
男性客の野太い声「がんばってー!!」
の子「うるせーなんだこのやろー!!」
ちばぎん「ぜんぜん男と女で対応違うんだけど!!」
熱のあまり、の子の本性が明るみに。進行させるため、monoが曲紹介を。だけど「次は『死にたい季節』…じゃなかった。『天使じゃ地上じゃちっそく死』という曲をやります」と露骨に間違え、ちばぎんに「まじめにやってくれる?」と厳しく言われる。
「死にたいって曲です!」との子の爽やかな曲紹介により、『天使じゃ地上じゃちっそく死』の演奏へ。
演奏終了後、「あーー!!」とずっと叫んでいるの子。
高熱があるほうが、テンションが高くてグッとくるライブをするのではないか…と思ってしまうほど、ずっと順調な演奏が続いている。MCも冴え渡っている。
の子「今日はこんなに風邪でフラフラしてんのに!誰だ?1時間もライブ予定入れやがってよ!どこの劒だよ!」
ちばぎん「劒が悪いわ。間違いないわ」
珍しくちばぎんがの子のジョークに乗る。
ちばぎん「(ギターを持つの子を見て)で、キミ、次の曲ギターじゃないけど…」
mono「なんでお前はいつも冷たく言うわけ?もっと優しく言ってやれよ!」
ちばぎん「なんだよ!お前シャツの色気持ちわりーんだよ!」
みさこ「monoくん気持ちわるーい」
ちばぎん「それは色気出した結果なの?」
の子「だってさ、(monoの服とネックレスを触りながら)これも気持ち悪いしこれも気持ち悪いし…全部気持ちわりーよ!!」
mono、マイクに口を近づけて「死にたいなぁ…」と呟く。monoは地上じゃちっそく死。ファッションセンスのせいで。
『夜空の虫とどこまでも』のセッティングのため、の子がキーボードに向かう。「すごい濡れてる…」と、さきほどmonoが吹き出したジュースがキーボードにこってり付着しているようだ。とても幻想的な曲に、monoのジュースが混じるとどんな味がするのだろう。とりあえず、機材が壊れていなくて安心する。この日のmonoはつくづく笑いのツボを刺激する。
「俺はライブ始まる前、泣いてたんだよ。今日ライブどうなるんだろーって」との子が言うと、monoが「嘘、言ってない」とお客さんに説明。
の子「なんだよウソって!お前こういうときだけ俺を踏み台にしてポイント上げようとしやがって!ずっと泣いてたんだよ!」
さっきも声をかけた女の子のお客さん「がんばってー!」
の子「なんださっきから同じ奴が…"がんばってー!"って。どこのニコニコ坊やなのか」
みさこ「ニコニコ坊や…」
先ほどからステージ上で普通に鼻をかんでいるの子。
みさこ「ごめん、私も鼻かみたいんだけど」
ちばぎん「なんだこのバンド…」
ちばぎん、うまいことまとめてくれた。
『芋虫さん』が終わり、「もうそろそろ(俺の手の平に)乗ってきた頃だろ!」とお客さんに尋ねるの子。先ほどから可愛い声援を放ちまくりの女の子が「乗ってきたよー!」と返事する。の子、「うるせー!…あ、ごめん。俺あんまりしつこくされると"うるせー"って言う癖あるから。ごめんねニコニコ坊や」
ニコニコ坊やって一体何なんだ。
ちばぎんが「あと3曲あるんだけど」と言うと、の子が「あと3曲もあんのかよ!早く帰らせろ!」とビックリする返答。お客さんによる「もっと本気でやれー!」という野次により、「もっともっと本気でー!!」との子が叫び、本気モードへ突入。あと3曲という時点で。
久々の『スピード』は今までライブで聴いてきた中で最も凄いスピードだった。
30キロ40キロどころではなかった。優しくされたりしたくなさそうなくらい、人を振り払っていくくらいの全速力が出ていた。最後の「走れ!走れ!走れ!走れーーー!!」がキマっていた。
「2010年が始まって、もう1ヶ月くらい経つんですが、皆さんどうですか? ひとつき経って何かやってますか? 2010年といったら2000年のツインタワーが崩壊されてからもう10年が経つんです。あっちゅう間に時が過ぎていきます。そんな中で、人を殺したいと思ったりする人もいると思います。そんな気持ちを、俺は、ここに、叩き、つけるの、です!よう、よう、ようチェケラ!よう!」
社会派なことを突然語り始めた後、の子はなぜかラップ調に。そして『夕方のピアノ』。人を殺したいと思ったことは、ひょっとすると誰にでもあることなのかも知れない。それを口に出したり、行動に起こしたりすることは稀だ。ここで歌われている「死ね」があまりにも変質的な感性であれば、神聖かまってちゃんを受け入れられることはないだろう。
この日はこの曲の演奏がハイライト。
みさこは髪を振り乱してドラムを叩きまくり、ちばぎんは殴るようにベースを鳴らし、の子はいつも通り喉が張り裂けるように「死ねーー!」と絶叫し、monoは叩くように鍵盤を弾く。メンバーの気迫が凄まじかった。
そしてmonoの表情が何かを悟ったようなもの。かつて、これほどまでのドヤ顔は見たことがない。なんだかもう逆に感動してしまいます。
の子が4月のアルバム発売記念のワンマンライブについて喋る。
「今日初めて観た人に、えーと、4月の十何日かに…あとはググってください」と日付を完全に忘れている様子で、途中で告知を諦める。鼻をかみながら、また「ころころ、ころころ」と手の平の上でジェスチャーをする。
「だから4月にライブ観に来たときは、なんとかしよう!結束力を高めるんだ!俺らに頼るな!」というの子に、ちばぎんが「なんだよ、なんとかしよう!って」とつっこむ。
「違うんだ、みんながなんとかしないといけないんだ。みんなが社会を回していかないと!」
こうして最後の曲は『ちりとり』。
お客さんの結束力を求めているが、この『ちりとり』はメンバー同士の結束力が高かったように思える。「バカヤローこんちきしょー!」と叫んだ後にの子がステージ床に倒れ、その後のみさことちばぎんがリズムを合わせる姿。monoが黙々ときれいなメロディを奏でている。それぞれが役割を担い、その中で最大限のパフォーマンスをする。バンドとは、こういうものなのだろう。神聖かまってちゃんは特異なバンドと思われるかも知れないが、やはり正統派としか思えない面もある。『ちりとり』なんて本当にストレートなラブソングだ。目の前にいた多くの人の心をちりとろうとしていた。
最後、monoのピアノ音だけになるところでの子が語り始める。
「分かるぜ。お前らが、俺の手の平の上で踊らされていることが。最後だけども、また会えるかどうかは分かってるぜ。それがいつになるかは分からないけど、まあ…えーと…ググってくれ!!」
またライブの告知を諦めてしまったようで、演奏は終了。
最後の最後にジャーーーーン!という音を合わせるとき、メンバーの鳴らす音がバラバラ。ジャンプした後の着地のタイミングもバラバラ。そのときの床に崩れたちばぎんの無念な様子といったら、ない。
結束力、最後は締めが甘かった。それはそれで神聖かまってちゃんのいつもの光景だ。
の子はまだ喋りたいことがあるのか、ライブが終わってからもずっと喋っている。するとステージ前方にスクリーンが降りてきて、の子の前を遮る。
「なんだこれ!(スクリーンに頭をぶつけながら)下がるなこのやろー!!」
アンコールを求めるお客さんの手拍子。それに合わせて、の子がなぜか演歌らしきものをアカペラで披露。スクリーンは下がりつつある。「北の~ 酒場から~ やってきたぁ~♪ の子でぇ~すぅ~♪ 北酒場からぁ~ ギター抱えてやってきたぁ~♪」。
の子の即興。なぜか演歌調。どこから演歌が降ってきたのだろう。自然にスクリームが上がり、ステージ全体が見渡せる景色に。
「北ぁのぉ~ どこからかやってきたぁ~♪」と歌い続けるの子を気に留めず、「ありがとうございます、アンコールやります」とちばぎんが挨拶。
の子「みんな、いい目してるな。いい目してるな。こうやって一人一人突っ突いたらどうなるだろうな?」
の子がお客さん一人一人に指差していく。
ちばぎん「かわいそうだからやめろよ!」
mono「ほんとありがとうございます。アンコールなんて初めてです」
ちばぎん「2回目です。あなた、あのとき酔っ払っていたから」
の子「こいつ(mono)最初だけ酔っ払ってテンション上げるんです。今はもう素に戻ってるけど」
mono「かんぱーい」
の子「ほらね、意味わかんないでしょ。(客に)もっともっとこいつに言ってやれよ!」
お客さん「アゴーー!!」
の子「いやアゴじゃなくて、"アゴもっとお前なー!"とかさ!」
お客さん「アゴー!お前もっとちゃんとしろよーー!」
mono「うるせーこのやろー!!」
の子「なんなんだお前。なんで今日色気づいてんだよ…」
mono「俺だってモテてえんだよ!」
の子「じゃあこんなmonoくんでもオーケーの人、手を上げて!」
男性客の野太い声「はーーーい!!」
ちばぎん「男じゃねえか!!」
こんな状況で『ロックンロールは鳴り止まないっ』のイントロのピアノが始まるが、の子が止める。「今、俺に対して"早く帰ってほしい"って思っている客はたぶん60人くらいはいるから、アウェーだから!逆境はパワーだから!!」といまいち止めた理由が分からないまま、再度演奏へ。
最後の語りの部分、の子がギターを肩に置く。ロックスター然としたアクションで、ばっちりと演奏を見せつける。
「覚えておいてください、神聖かまってちゃんというバンドを。来年は、来年は、武道館に、出るので」
高熱のせいなのか、いつも以上に熱いことを語るの子。
そもそも、本当に熱があったのか?と疑いたくなるくらい、絶好調なライブだった。本人はその自覚がないのか、「今日やばかったです」と言うと「いやー今日全然ダメでしたね」と照れ笑いしていた。
神聖かまってちゃんのライブの後、フロアを出て外の階段下にいると、神聖かまってちゃんのメンバー全員がライブの本番以上に高いテンションを見せていた。どうやら、『新世紀エヴァンゲリオン』『天元突破グレンラガン』などで知られるアニメ制作会社GAINAXの社員さんが神聖かまってちゃんのライブを観に来られていたようで、普通にファンらしい。GAINAX社内で神聖かまってちゃんが流行っているとか。
神聖かまってちゃんはそれぞれ音楽の趣味趣向が統一感がないそうだが、唯一共通しているのは"エヴァが好き"ということらしい。これは嬉しい話だろう。僕も大好きだ。の子さんのこれほどまでの楽しそうな表情が見れるのも珍しいくらい、嬉しそうだった。monoくんも存分に酔っ払い、楽しそうでした。
の子さんは「今日熱があったんで何があったのかやったのか、自分ではわかんないっす!」と元気いっぱいな表情で言っていた。「次、会うのは新宿LOFTですね。大阪と新宿と柏、3日連続ライブじゃないですか」と僕が言うと、の子さんがこれまた元気いっぱいな様子で「どれかキャンセルします!」と答えた。マジかよ!
車に乗り込むメンバーたちに大きな声で「おつかれさまでーーす!」と声をかけ、みんなから「おつかれさまでしたーー!」とハツラツとした返事が来た。今年一発目のライブで不安を覚えたのも吹っ飛ぶほど、この日のライブはMCも演奏も爽快なものでした。
2010年1月31日 渋谷LUSH
〈セットリスト〉
1、ぺんてる
2、黒いたまご
3、ゆーれい未満
4、いかれたNeet
5、自分らしく
6、天使じゃ地上じゃちっそく死
7、夜空の虫とどこまでも
8、芋虫さん
9、スピード
10、夕方のピアノ
11、ちりとり
〈アンコール〉
ロックンロールは鳴り止まないっ
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