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2010年1月24日日曜日

神聖かまってちゃん@渋谷duo music exchange


日曜日の13時スタートという、休日真っ昼間からのライブイベント。学校帰り/バイト帰り/会社帰りでもない人たちが集った"ROCK'N ROLL SUNDAY"というイベントはその名の通りサンデーであり、夕方16時頃に終わるという日曜日特有の夕方の憂鬱を堪能できるのだ。

前回の新代田FEVERでのこともあり、この日は色々不安があった。
会場に着くと、monoくんの友人・森くんが会場前にいた。monoくんと連絡を取り合うと「今日は大丈夫そう」とのこと。その言葉で少し安心した。そもそも、不安を抱えて観に行くライブって一体何なんだ。親にとっての「わが子は大丈夫かな」といった授業参観みたいなものか。どこまで周囲を心配させたら気が済むんだ。手首の傷みたいな存在でもある。それでこそ"かまってちゃん"なのかも知れないが。
相変わらずduoは広い。それでもお客さんは埋まっていき、神聖かまってちゃんのファンが多いと聞く。2階席の一番で撮影しようと階段をのぼる。遠くから彼らを撮影するのは久々になる。

『夢のENDはいつも目覚まし!』が流れると、メンバー登場の合図。
「あ、どうもこんばんわー。神聖かまってちゃんです」
しょっぱなからの子はテンションがとても低い。無表情で挨拶をする。手には紙コップ。なんだか、検尿直後のテンションのようだった。意味が分からない表現をした。申し訳ない。
「どうもー! 神聖かまってちゃんですー!」
「神聖かまってちゃんです!」
monoとみさこがの子のテンションをカバー。「お前ら、いつもの俺の位置とるなよ!」と、いつも「神聖かまってちゃんです!」と言う役のちばぎんが困る。なんとなく、monoとみさこはの子をカバーしようと意識したせいか、普段言わないことを言った気がする。
「こんばんわ神聖かまってちゃんです!今日一日よろしくお願いします!」と、ちばぎんが改めて挨拶。デーーーン!とベースとドラムの音が鳴り、観客が拍手。こうしてライブがスタート。

monoが「『黒いたまご』です」と曲紹介。きました。元日にの子がアップロードした新曲が初披露。monoがなぜかの子に呼ばれ、顔を近付けた後、なぜか頭を叩かれる。の子は無表情。monoは痛がる。突然の状態に、会場内が爆笑。
「もう一回言っとけ…」
の子がmonoに促し、従われるまま「…『黒いたまご』です」と再びmonoが曲紹介。「もっかい来いよ…」との子。どうやらもう一回頭を叩きたかったらしく、「天丼だろ…」とボソッと呟き、空気が読めていないmonoが「は?テンドン?わかんない。」と返し、「くそっ…」ととにかくテンションが低い割にはちょっと面白いことをやろうとするの子。
そして『黒いたまご』が始まる。
曲が始まるタイミングが微妙だったり、の子のボーカルエフェクターが音源通りに使えていない部分もあったが、これから化けていきそうな予感がプンプンしていた。どう転んでも曲自体が良いため、聴いていて気持ちいい。の子の気分を表しているようなちばぎんの重苦しいベース音が響き、
「どうしようもないだろうね」と繰り返すボーカル。の子はキーボードを操作しながら、テンションを徐々に高めていっているように見えた。の子とmonoが近い距離にいるため、遠くから見るとどうしてもちばぎんだけが離れていて寂しそうな構図のステージに。

演奏後、ようやくの子が笑顔を見せる。
「あーっ、まちがえちゃったー。まちがえちゃったー。お前…」とmonoのせいにしようとして、monoが慌てる。「後で楽屋裏で…とりあえず気を取り直して」との子。なんとなくだが、『黒いたまご』を演奏できたことで気分が少し高揚したように思える。

「今日は来ていただいて、ありがとうございます!」と、monoが礼儀正しくお客さんに喋る。「こんな昼間から…まあ多分チョモランマ・トマト目当ての人とか、そういうアレですけど」とちばぎんが悲観的に言う。
「次は『自分らしく』という曲です」とmonoが曲紹介し、『自分らしく』へ。
monoがパーカッションを叩き、の子が「日溜まりのゆーめー見ーてー」と歌い始め、ベースとドラムが一斉に始まる瞬間がたまらない。monoがスティックを床に落として、ささっと拾い上げるシーンもあった。慌てている姿はなんとなく応援したくなるものだった。
の子は相変わらずテンションは高くないが、曲はしっかりと歌い、いつも以上にまともに演奏している。しかし歌い終わった後、「うぅぅ~~っ!いやっはぁああーい!!」とカウボーイみたいな叫び声を披露。テンションが有り余っている様子で、安心した。

「僕は今、新型インフルエンザにかかってるんで」との子。「嘘つくな!どんだけだよ!」とmono。吉祥寺のライブでもこの嘘をついていた気がする。
monoが今後のライブ告知を。
いつも思うが、monoの口癖は凄い。「ほんとに」という言葉があまりにも多すぎるのだ。ここでmonoがライブ告知で喋った言葉を書き出そうと思う。「ほんとに」に注目して聞いてみよう。

「次、31日はあれか、バイナリキッドさんとのツーマンね。渋谷LUSHでやりますよ、ほんとに。良かったら来てください。ほんとに。(会場が静まっている)あれ?(会場拍手)はは…あのね、実際、拍手もらわないのともらうのとではえらい違いだからね。ほんとに。(ちばぎんに「言ってみたら?もっと拍手くれ、って」と促され)あ、もっと拍手くれ、ほんとに。(会場拍手)はは、いやいや、ほんとにありがたいね、ほんとに。13時か、昼間にやるってのはほんとにね、僕ら売れてないときほんとに、いや今も売れてないけど、ほんとに、客が7人とか8日の頃にやった(サマソニの)オーディションライブ以来ですよ、ほんとに。すごいもうねー、寝不足寝不足でね。ほんとに。でもこんなにお客さんがいるとがんばっちゃうからね、ほんとに

計12回の「ほんとに」の嵐。なんなんだ。どれだけ真実を強調すれば気が済むんだ。ほんとに。挙げ句の果てに、みさこに「口調がおっさんぽい」と指摘され、ちばぎんに「まだ(MC)終わらない?」とイライラされ、の子に冷たい視線で見つめられている。

の子「なげーよ。(観客に)なげーよ、って言ってやってもいいんだぜ?」
みさこ「アゴが…」
お客さん「アゴしかない!」
mono「は? なんだよ、首あるよちゃんと。ほんとに」

ほんとにほんとに『笛吹き花ちゃん』へ。
前回のFEVERでのライブでは曲の中盤まで演奏したのにも関わらず、の子の指示によって演奏中断。今回はそのまま続けたが、後半でテンポが完全にズレまくり。というのも、「そーりゃーも」の後にみさこがドラムをバッシャーンと叩く瞬間、みさこが装着していたヘッドフォンがズレていたからか、どうなのか。カメラはみさこのヘッドフォンがズレた瞬間をばっちり記録した。

の子「お前ズレすぎだろこのやろーー!!」
みさこ「ごめんね…」
の子「"ごめんね"で済まされるかこのやろーーー!!! お前ら一人一人、こっち来てダイブして飛び込んでいけ」
mono「ムチャ振りだね…」

の子が気持ちを落ち着かせ、「次は『ロックンロールは鳴り止まないっ』をやりますー」と言うと客席から「フゥーーー!!」という歓声が。「フゥーじゃねえこのやろーくそやろーーー! ごまかすんだよ!!」との子が意気揚々とアジテーション。
monoがキーボードで美しいメロディを弾き始め、『ロックンロールは鳴り止まないっ』の演奏へ。中盤、monoのキーボードだけになって、みさこのドラムが始まり、の子が歌い出し、ちばぎんのベースも鳴り始める。あの順番がいつもたまらない。曲展開がドラマチックだからこそ、人気のある曲なのだろう。

演奏が終わり、の子が「はぁああー。うぁああー。こんな昼間に、俺らのことを観に来た人は手をあげてくれー!!」と観客に問いかけ、結構な数の人が手をあげる。の子が「はい少ないっ!」と言い、「結構いるだろ!」とちばぎんがつっこむ。monoが「鼻水出てるよ。」との子に指摘。「これは鼻水じゃねえ!涙だ!こんなにお客さんがいっぱい来てくれてるからな、こうやって涙流してんだよ。ありがとうございます」と、まさかの涙。

次は『芋虫さん』。「僕チューニングしないと、叩かれるんで」との子のチューニングタイムが始まる。その間、メンバー3人のMC。しかしグダグダ。「だろ? こんなんだろ?(観客に)鍛えてやれよこいつらをよー。ブーイングしてもいいんだぜマジで?」との子からの厳しい意見。mono、ちばぎんに話を振って逃げる。だいたいこういうときはちばぎんがムチャ振られる。
「そういやちばぎん、最近配信始めたよね?」とmonoが言うと、の子が「インターネットに逃げるな」と名言のようなセリフを。会場は笑いに包まれる。

mono「…ありがとうの子!お前のつっこみがなかったらどうしようかと思ったよ」
の子「『芋虫さん』やりましょーー!ひゃーーーい!!」
ちばぎん「そういう曲じゃねえけどな…」
お客さん「(の子に向かって)てか、涙拭けよ」
の子「涙じゃねーよ!鼻水だっつってんだろさっきから!!」

涙って言ってたのに!
そんなこんなで、の子が元気いっぱいなまま始まった「死にたいな、消えたいな」ばかりの『芋虫さん』。気持ちいい。monoも気持ちよさそうな表情を浮かべていた。
の子が「はい、これで終わりです。早く帰れ!」と観客に言い、monoが「この後は黒猫チェルシーさん、チョモランマ・トマトさんが出るんで、よかったら楽しんで帰ってください」と礼儀正しく告げる。

の子「黒猫チェルシーとチョモランマ・トマトを知ってる方は、いらっしゃいますか?」
あまり手を上げない。
の子「すくねーな…」
mono「俺らのファンが多いってことかな?」
の子「は?それは後で、楽屋で、チョモランマ…チョモッと。チョモチョモ…早いよね。こんなんでワンマンなんかやったら、俺10分くらい休むわ。鼻水も止まんないし」
mono「じゃあ俺がティッシュ用意するから」
の子「え?"天使上陸"?」
mono「いや、ティッシュ用意するから!」
の子「なんだよ"天使上陸"って。」
mono「天使上陸は今度おまえ天使上陸しよう!」
の子「何言ってんのバカ」

ライブ前、の子のテンションに不安がっていたのも杞憂に終わりそうだ。monoとの掛け合いもいつも以上に面白いもので、何度も笑いを誘っていた。monoが何喋ってるのか聞き取れないことも役に立っている。

最後は『いかれたneet』
前回のFEVERの記憶を吹っ飛ばすくらい、かっこいい演奏だった。喉が潰れそうなほど「ニィィィイトォオオオ!!」と叫ぶの子。monoもちばぎんもみさこもゆったりと演奏しているように見えた。
立ちながらゆらゆらと動いてキーボードを弾くmono。ギターをジャカジャカと掻き鳴らす手を一瞬止め、息を止めるように制止し、その後またリズムに合わせてジャッジャッジャッと規則正しく奏でるの子。
最後はギターを床に置いて指揮者さながらの手の動きをし、パーカッションの機械を置いている台の上に立ち、お客さんをアジテーションするかのようなポーズを取る。
「言っとくけども、ダイブはしねーぞ!!」
最後に一笑させ、華麗にライブは終了。とても心温まるライブとなった。

なんと、お客さんからアンコールの手拍子。1バンド目なのに。
その手拍子に合わせながら「チョモランマトマト!チョモランマトマト!」と叫び、テンション上がりっぱなしのの子。嬉しそうだし、楽しそうだ。ステージに居座っていたらスタッフに連れ出され、客席から笑いが。時間的にアンコールはできなかったようだけど、お客さんの拍手がライブの出来を物語っていた。

終わった後、フロアでmonoくんに抱きつかれる。ちばぎんに抱きつかれる。みさこさんに尻を触られる。集団レイプを受けつつ、抱きつくほどこの日のライブは緊張感があったように思う。の子さんのテンションもライブ中に次第に上がっていき、安心した。『黒いたまご』の演奏がとにかく嬉しかった。
そういえば最後、客席からの子に向かってティッシュ(画像にあるピンク色の物体)が投げられていたのが印象的だった。結局、彼が流していたのは鼻水なのか、涙なのか。
お客さんによる温かいプレゼントの飛行をカメラは捉えた。が、ティッシュは受け取られることはなかった。ほんとに(mono)。

2010年1月24日 渋谷duo music exchange
〈セットリスト〉
1、黒いたまご
2、自分らしく
3、笛吹き花ちゃん
4、ロックンロールは鳴り止まないっ
5、芋虫さん
6、いかれたNeet

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