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2001年10月5日金曜日

NUMBER GIRL@大阪ベイサイドジェニー

初めて来たベイサイドジェニー。その名の通り、ベイサイドだけあって大阪の港が見えて、近くには観覧車と海遊館がある。

港の向こう、海の遥か彼方から舞い降りてきたニューヨークのバンド・SUPERCHUNKを迎えて行なわれたイベント『SPLIT JAPAN TOUR』。考えてみれば対バンライブは初めて観る。いつもはワンマンで、ナンバーガール目当ての観客の前での彼らしか見ていない。さて、今日はどうなるか。しかもニューヨーク。ワールドワイドなライブを見せてくれるに違いない。
先月、9月11日にニューヨークでテロ事件が起きた。あらゆるところで大々的に報道され、SUPERCHUNKの来日は大丈夫なんだろうかと不安に思ったけど、無事開催されることになりました。


出番はナンバーガールが先。
開演を待つ間、見上げた2階にはナンバーガールのメンバーが次々と姿を現していた。スタッフと談笑する彼らの姿がやがて消えたとき、それがステージに降り立つ合図。『マーキームーン』が流れると大歓声が上がり、メンバーがステージに。
向井秀徳は散発をしたのか、耳のあたりが草原みたいになっていた。ほんと、今までイメージしていた"ロックミュージシャン"とは一線を画す風貌をしている。

アヒト・イナザワが「P・U・N・K!」とカウントを始め、いきなり『裸足の季節』とは。この日の向井はいつもとワケが違った。目が鋭く、何かを凝視して捕らえて離さないような眼光で絶叫している。いつもより増して狂気が滲み出ていた。その証拠に、そのまま『SASU-YOU』なんだから。通り魔の歌なんだから。終盤、田渕ひさ子の工場の機械音のような無機質であり、尖りまくったギターの音がたまらない。「ルサンチマン抱えた奴ら」がすぐ目の前にいるような、そんなテンションでがつがつと演奏するナンバーガール。

そして初めて生で聴いた『ウェイ?』。向井、まさかのぴょんぴょん飛び跳ねながらの演奏。さっきまでの狂気はどこへやら、といった可愛らしい姿が目の前に広がり、観客も彼と同じようにぴょんぴょんとモッシュをしている。オモチャのような飛び跳ね方に笑いが起きる。

「アメリカからはるばる、"Hyper Enough"がやって来ました。やって来てくれました。大変嬉しい」

対バンに迎え入れたSUPERCHUNKを紹介する向井。何度も「アメリカが誇る…」と絶賛する。客席からは「テロは?テロは?」という声が。「そんなん知ったことかー!」と向井が返答。
「それでお前、そんなんでお前、イベントできんかってお前、部屋でなんもせんやったらお前なー」などとなぜか日本語崩壊な返答を続けていた。やはりテロ事件当時はこのイベントへの出演のキャンセルを考えていたそうだが、SUPERCHUNKが前向きに出演を考えてくれて無事出演、とのこと。

『DRUNK AFTERNOON』。真っ赤なライトに照らされて、夕暮れの空の中で演奏されているような光景に。ほぼ全編に渡って向井が絶叫し、淡々と演奏されているようで、内面はゾクゾクと鳥肌が立つような感情が渦巻いている。そんなステージだった。そして『桜のダンス』へ。最近、東京のライブとかではダブバージョンになったと噂で聞いていたが、通常バージョンだった。「造・反・有・理!」というアヒトのカウントが刺激的だ。
そして『ABSTRACT TRUTH』。ステージで繰り広げられる衝動は、もはや抽象的なんかではなく、具体的。
「先生あなたは誰ですか?先生お前は誰なんだ?先生貴様は誰なんだー!?」
この三段活用はいつ聴いても痺れる。


再びMCの時間へ。先ほど海遊館に行ってきたと渋く語る向井に、会場が笑いに包まれる。
「かわいい動物ショーというものに参加しました。一人で」
寂しいエピソードを続ける。
「まわりにはカップルたちがいましたが、そこで檻の中で犬や猫が発狂しそうに、うずくまっとるわけですわな。動物たちが。それを見て私は感傷に浸っていました…そんな犬猫畜生に捧げます」
結局何が言いたいのかさっぱり分からないことになったMCに、田渕ひさ子が爆笑する。あと、「シーソーでバランスを保つ…尾崎豊の曲でもありましたね。『軋むベッドの上で~♪』」などとも話していたが、何のときのMCかは忘れてしまいました。そんなやるせない向井が次に繰り出すのは…。

『YARUSE NAKIOのBEAT』きました。カラスの鳴き声のようなギターが田渕ひさ子のジャズマスターから聴こえ、ああそうか、シーソーってこの曲の歌詞からか。と今書いていて思い出した。ただ、向井は2番の歌詞を1番の歌詞で歌ってしまっていた。あと、「1978年」って叫んでしまっていたような気がする。
そしてこの日のハイライトは『BRUTAL MAN』。特筆すべき点は、ラストの中尾憲太郎→向井秀徳→田渕ひさ子の連続ソロだ。それぞれが一部分のパートをリレーしていき、最後は全員でジャーン!と合わせる快感がたまらない。観客はステージの左から右へと視線を移す。最終的に音が中央に集まる感覚、これはかっこいいとしか言えない。
『TATTOOあり』ではまたひさ子ギターソロが長くなっていた。その間、ひさ子に向かい合ってギターを掻き鳴らす向井の姿が。

最後は『omoide in my head』。怒涛のイントロ、そして最後の向井が作ったオリジナルキャラクター"弦切り妖怪"とやらが降り立ったかのごとく、自ら弦切りとなってギターの弦を引きちぎる向井。メンバーが振り落とす音に合わせて、丁寧に一本ずつちぎっていく。「まだまだー!」と言わんばかりの表情でメンバーに合図し、その弦の異様な状態を見てひさ子が若干笑っている。「まだかよ…」と顔で訴えかけていた。
最後はバシッと弦をちぎってキメて、ナンバーガールの出番はこれにて終了。


次はSUPERCHUNK。ボーカルのマック・マコーンが「今日はヨーイチの誕生日なんだヨ!」と冒頭から日本人を連れて登場。誰かは分からないけどとりあえずおめでたい空気に包まれた会場では「ハッピーバースデイ・ヨーイチ」と大合唱が巻き起こる。ヨーイチさんらしき方は照れ笑いし、反応に困っていた。スタッフか関係者かと思われるが、アットホームなその雰囲気に温かい気持ちになる。

『hello hawk』を演奏してくれたのが嬉しかった。ギターのジム・ウィルバーは、ギターが身体の一部かと思えるほど縦横無尽にギターを扱っていた。ベースのローラ・バランスは中尾憲太郎女版と言わんばかりの激しいアクションで、度肝を抜かれた。これがアメリカってやつか!とバカみたいなことを言ってしまうほど。
アンコールは5曲も演奏。キーボードやアコースティックギターを使用し、幅広い音楽性を見せていた。 メロディがキャッチーで、耳にすんなり入り込む。テロ事件にも負けず、アメリカから無事来日してくれてよかったです。


< セットリスト >
01. 裸足の季節
02. SASU-YOU
03. ウェイ?
04. DRUNK AFTERNOON
05. 桜のダンス
06. ABSTRACT TRUTH
07. YARUSE NAKIOのBEAT
08. BRUTAL MAN
09. TATTOOあり
10. omoide in my head

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