昨日の吉祥寺MANDA-LA2での宣言通り、この日は史上初・ニコニコ生放送配信ライブ。
以前、の子さんに「映像を使ったライブをまたやってほしい」みたいなことを言うと、「スクリーンを使ってニコ生配信ライブやりたいんですよ」と構想を少し話してくれた。その念願が叶い、スクリーンにニコニコ生放送の画面が映し出され、リアルタイムでインターネット上のリスナーのコメントが右から左に流れていき、それにの子さんが反応していくというサイバーなライブになった。
初の試みということもあり、セッティングには長い時間がかかった。神聖かまってちゃんの前に出演していた撃鉄の筋肉質なライブとはうって変わり、いきなり室内チックな配信ライブに。
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ライブ前から配信は始まっていたようだ。
こう見るとメイドカフェに来た客と店員にしか見えないが、実はこの2人は病みあがりのちばぎんとなぜかメイド服を着たみさこである。ライブ前からいつも通り、リスナーと会話していた。
撃鉄のライブ後、の子がライブ直前にいつものようなテンションでリスナーに話しかける。するとそこに、ライブを終えた撃鉄のボーカル・天野ジョージが後ろのほうで好奇心満々な笑みで配信を眺めている姿が。画面に映りこんでおり、「後ろの白衣の人が好奇の目で見ている」とリスナーも反応。天野ジョージが「なんだこのやろー!」とリスナーに挑発的。ライブの格好が半裸状態だったので、ここでも半裸状態に。の子も負けん気が発揮され、半裸どころかなぜか全裸になる。
「なんだこのやろー!!」「そうだ、なんだこのやろー!!」
これがクリスマス・イブの風景とは思えない。冬場、とてつもなく涼しい格好の2人。やることなすこと、バンドマンなのか芸人なのか分からない。これは今に始まったことではない。
『夢のENDはいつも目覚まし!』が登場SEとして流れ、メンバーがステージに登場。
メイド姿のみさこはmonoに促され、ステージ前方でスカートを両手でヒラッとし、可愛らしくお辞儀。なんなんだこれは。ビデカカメラを回しているとカメラ小僧のようになってしまうメイド服。何してくれるんだ。いや、もうすでにカメラ小僧なのだろうが。
ちばぎんが配信中のノートパソコンを持ちながらステージに現れる。そしてスクリーンには、いつも家で見慣れているニコニコ生放送の画面が映り出す。
これは面白い。本当にニコニコ生放送と連動している。会場の様子がスクリーンに映し出され、家でライブを見ている人によるコメントが流れている。ちばぎんがイケメンとか言われている。これは面白い。
しばらくして、ようやくの子が登場。
「ポイフルどこやった?」とうろうろする。ポイフル?「朝、すべてのポイフル店を回って買ったポイフル」と呟き、手にぶらさげている袋には大量のポイフルが入っている。どういうことだ。これは今年5月に下北沢で女子大生に逃げられた通称・ポイフル配信のセルフオマージュなのだろうか。
「客席にカメラ向けようか」との子が客席にカメラを向ける。「映ったらマズイという人は顔隠してください。全国に配信されます!」とちばぎんが警告する。
ノートパソコンをmonoに手渡したの子は自由の身に。みさことちばぎんが演奏を始め、monoがノートパソコンでニコ生撮影。の子は「僕はここでお祓いをしなければならない!」と言い、ポイフルの粒を袋から客席に投げてくる。
「ポイッ、ポイッ、ポイッ、ポイッ、カップルポイッ!」
「この中でカップルっぽいやついるか?見つけろ、みんなで。お前らこんなクリスマスに来てるやつなんて、どうせひとりだろ?」
客席に投げ込んでくるのはポイフルの粒だけでなく、なぜかサクマドロップの缶まで。それは投げると痛いだろう。ポイフルがぶち当たり、「痛ーい」と訴えるお客さんも。
ライブなのですかこれは。なんなんですかこれは(『ちりとり』)。
「これが本当の厄払いじゃあああ!クリスマスの厄払いじゃあああ!」
の子、気合い十分。クリスマスとポイフルがあまりにも関係ない。それでも「カップル、ポイッ!」と豆のように投げ続ける。節分は2ヶ月先だ。の子の中ではカップルは鬼ってことなんだろう。
ついには客席を歩き始め、カップルを探し始める。
「どっかにカップルはいるかー? お前かー!?」とカップルらしき男女を見つけ、面と面向かって叫ぶ。「セックスか!?今宵はセックスか!?」と男性客の方の足下に顔を埋め、男性客がすっごい困ってる。「俺に言いたいことあるなら、吐き出してこい!!」というの子の振りに対し、男性客は「このあと仕事ーー!!」と切実な叫びが。「僕アルバイトーー!!」レベルの切なさが。の子、思わぬ返答と真実に、喧嘩を売る相手を間違えたような表情で焦る。「仕事、、?」と聞き返し、少し照れ笑いの笑顔を浮かべたままステージに戻り、会場には笑いが。
ちばぎんとみさこの演奏のスピードが早くなり、それに合わせて即興ラップを披露するの子。「セックスさせますセックスさせます。ライブはセックス。ライブというものはセックス。今日はお前らと心と心のセックス!」と叫び、またポイフルを投げつけながら、一旦演奏が止む。
「これがサブカルチャーー!!! 今がサブカルチャーー!!! 俺はサブカルチャーー!!! 渋谷でサブカルチャーー!!! 俺はサブカルチャーー!!!」
出ました。ポイフルといったらサブカルチャー。下北沢から渋谷へと移動したサブカルチャー。今年5月の下北沢の路上配信を見なければ、なんのことだか分からないことだらけ。
「おっさんかー!おばさんかー!貴様ら一体何才だぁああーー!??」
またまた出ました。ポイフルときて、サブカルチャーときたら、「何才だ?」。ちばぎんのベースとみさこのドラムがの子のラップ調の叫びに合わせ、セッションのような演奏を開始。これがかなりかっこいい。monoは終始ノートパソコンを手に持って撮影係に徹し、混沌としたステージとインターネットの世界を繋がせていた。
monoが「動画止まったよー」とニコ生の不調を知らせる。の子はmonoを見て、赤い帽子とキリッとした姿勢がそう見えたのか「どこのバートウォッチングの人かと思ったよ」と例える。monoが帽子を脱いだら、「あ、お前monoくんか!」と悪ふざけ。
の子がなぜか司会者のようにマイクフォローする。「クリスマスは独りなんだよ!」と怒り気味のmono。そのとき1人のお客さんが「うるせーアゴ!」と話しかけ、「はあ?なんだよチクショー!」とマジギレするmono。真に受けてしまう性格は相変わらず。「うっせーアゴって思いますわ~」との子がお客さんに同意。
配信が途絶えたステージは、いつも以上にグダグダ感が漂う。時間を持て余し、しまいにはちばぎんがなぜかドラムセットに座って叩いている。お客さんに「ラップをやれ!」と促されるmono。やらないmonoに対抗し、変なクルクル目のメガネをかけたみさこが「チェケェ!オンッオンッ!」とmonoの傍に立って煽る。ちばぎんがドラムでリズムを刻み、無言のプレッシャーを与える。ノートパソコンの前でニコ生の復旧に対し、夢中のの子。なんなんだ。なんの時間なんだこれは。
メイド服着ていることで、の子がみさこに「脱げよ」と命令する。「私脱ぐくらいなら、3人が脱げばいいじゃない!」と反論するみさこに対し、「は?逃げんな」と厳しく当たるの子。「うそっ。まさかのっ…」との子の反応にみさこがビックリする。の子がいきなり客席に向かって「みんな、友だちですか、ここにいる人は」とみさこを無視して全く関係ない話題を振ってくる。
の子が客席にいるお客さんに目をつける。「さっきからずっとフラフラフラフラしてよー!なんだ?ムーミンの"にょろにょろ"か?」とあだ名を与える。
ちばぎんが「あの…驚くべき事実があるんですけど、まだ僕らステージに上がってから1曲も曲やってない…」と。ほんとだ。もうすでに18分近く経過している。もはや黒子と化した劒マネージャーが配信の復旧に取りかかっている中、ようやくここで曲の演奏を。
「王道の曲くらいやろうや!」とmonoが提案する。「ピックある?」との子。まさか、ピックないままライブしに来たのか。もう、ほんとすごいです。
monoが「俺のクリスマス、これで終わりかよ。可愛い子がいるとかそうことないのか…」などとため息まじりに語り出すと、の子が「明らかにお前だけじゃねーだろーがよお!なんだよお前だけかわいそぶりやがって!」とブチギレ、クリスマスにふさわしくラブソング『ちりとり』が、一切ムード無しのままスタート。
ここにきて、ようやく"ライブ"と言えるものが始まった。ようやく。まさに歌詞の通り、なんなんですかこれはー。スクリーンにはいまだニコ生復旧できていないパソコンの画面が。演奏中、ちばぎんがスクリーンに隠れて一切見えない。足だけしか見えない。それにメイドがドラムを叩いている。この時点で何も知らずにライブハウスに入ってきた人には、一体これが何なのか全く分からない光景だろう。
演奏が終わるとニコ生が復旧する。メンバーもお客さんも歓声を上げる。
「さっきグダってから『ちりとり』やったんだー」と、リスナーにとっては空白となった時間について、配信画面に向かって説明するの子。大量のコメントがスクリーンに流れていく。「ハゲきた」「キチガイきた」というの子に対するコメントに、「ハゲでもねーしキチガイでもねーよ!!」との子が反論する。
そしてリスナーのリクエストについて次々と答えていくの子。
の子「計算ドリルを返してください?おお、君は予言者だね」
ちばぎん「じゃあそろそろネットの中の人たちにも曲を聴かせましょうよ」
の子「俺、パソコンダイブしたい!」
みさこ「したらいいじゃん」
mono「がんばってー!」
の子「お前らに励まされてどうすんだよ!」
メンバーの励ましもあり、『学校に行きたくない』へ。
「計算ドリルを返してください」と何度も叫ぶところで、スクリーンには大量の「計算ドリルを返してください」という弾幕が。インターネット上のリスナーが一斉に歌詞をコメントしている。みんなで作り上げた感があり、少しばかり感動的なシーンでもある。その書かれている歌詞とは裏腹だが。ライブでいう歓声が、ニコ生ではコメント。声以上に、文字の威力を感じてしまった。
曲の歌詞がこれほど流れるとかなりの演出にもなる。これはもっと極めると、いつか発明になるのかも知れない。小さなライブハウス、小さなスクリーンの今はまだ、完璧とは言えないが。
の子は宣言通り、パソコンを片手に持ったまま客席にダイブ。客に担がれ、床に倒れ込む。スクリーンに映るニコ生の映像はの子の動きに同期するかのように激しく乱れ、リスナーは「何が起きた?」と戸惑いのコメントを打つ。
曲が終わると、パソコンの画面がまたおかしくなった様子。
「おいにょろにょろ!さっきお前なんかポチッとボタン押しただろ!」と、先ほどいじったお客さんのせいにするの子。「僕とにょろにょろとな、そういった波長が合わなかった…」と続ける。
ちばぎん「どうしましたか?」
の子「さっきダイブしたら、にょろにょろに負けた!」
ちばぎん「負けた? 弱いですねー。」
みさこ「どんまーい。」
ちばぎんがニコ生の復旧にとりかかる。
の子、ちばぎんに何度も頭を下げて、復旧を頼んでいる。「ちばぎん大先生…毎日仏壇で拝んでます…」と言っているとニコ生が復旧。みさこが「今日さっきコメントでなぜか『ちばぎん、今日神になって』ってあったよ」と。ライブを進行させ、配信を復旧させた今や、ちばぎんはすでに神呼ばわり。の子が「ちばぎんは神ですよ…すごい奴なんだよ」と認める。「だってマサチューセッツ出身だからね!」と嘘を言う。
ここまでグダグダであるにも関わらず、の子が「これからも1年に1度くらいはやります」と今後のニコ生ライブ配信宣言。こういったチャレンジ精神は誰にも負けない。
の子が「にょろにょろこいつ恐い…回復系ポーション与えたら1発で消えるから」と通称・にょろにょろさんをFFの敵キャラに認定。「エリクサーだったら完全に消えるじゃねえか」とまったりとした会話になった自分に対し、「なんだよこれ、家配信じゃねえか!」とつっこみを入れるの子。
ニコ生が完全に復旧し、の子が「ちばぎん大先生、もう今日僕らは捌けるんで一人でやっちゃってください…」とものすごい低姿勢。スクリーンには「ちばぎん神やが」といったコメントが流れる。
ニコ生のアンケート機能を使い、リスナーに"にょろにょろが踊るか踊らないか?"をアンケート。どういう展開なんだ。MCでグダっている部分はちばぎんがベースをゆるりと鳴らし、たまにみさこがセッションっぽくドラムを叩き、の子とmonoがノートパソコンの前で会話。いやこれほんと、家配信のノリである。
そして、にょろにょろさんとmonoの対決が始まろうとする。
「こっちは2packからエミネムから伝授されたライムがこの(monoの頭を指差す)頭脳に入ってるから、ラップ対決してやれよ。にょろラップ。それ聞きたいな~クリスマスだしな~。にょろにょろしたいな~。にょろラップとアゴラップ。アゴという固いものがぶつかると、どういう化学変化が起きるかな~」
普通のお客さんであるにょろにょろさんを、の子が個人アジテーション。
アンケートでは「おk」のほうに票が集まり、晴れてにょろにょろさんがステージに。「よく来たな!」との子。演奏が止まったとき、この空気を見かねて「もう帰ろう」と言ったちばぎんに対し、の子は「死んだにょろにょろの魂はどこに行くんだよ!」とめちゃくちゃな返答。その隙ににょろにょろさんは「乙」と呟いてステージを去る。会場が爆笑の渦に。
ちばぎんが「先生、そろそろ時間が」との子を促し、最後の曲『ロックンロールは鳴り止まないっ』へ。
ところがニコ生がうまく動かないようで、歌い出さないの子。その間にメンバーがセッションのように『ロックンロールは鳴り止まないっ』を演奏。これがさりげなくかっこいい。monoの弾くキーボードのメロディが久石譲のようだ。リスペクトしているからそうなのか。そのまま『菊次郎の夏』のテーマを弾き始めるmono。「アゴ石譲~!」というお客さんの声が。
ちばぎんが再びパソコンの復旧にとりかかる。その間、の子が聴いたことのない曲を歌い出す。未発表曲なのかカバーなのか、単なる即興なのか。定かではない。切ないメロディの歌だった。「ん? つながった?」との子が気づき、ようやく演奏へ。と思いきや、の子が演奏を中断させる。時間がない。monoが「なんなんだお前ほんとによー!」と怒り気味になり、ちばぎんが「いいから早くやろうぜー!!」と焦る。
実はこれ、神聖かまってちゃんがトリではないのだ。この時点で50分近くライブをやっている。次に出るバンドは大丈夫なのだろうか。
更に、の子がニコ生を復旧しようとしたらなぜか画面に時計が出た。会場はまたもや爆笑の渦に。
「ちばぎん、時計が出てきた!」と助けを求める。呆れた様子のメンバーが演奏の開始を促し、ようやく最後の曲『ロックンロールは鳴り止まないっ』へ入る。
スクリーンを見ると、歌詞に合わせて「do,da~」といった書き込みも。配信の映像はなぜか、先ほどのの子の動きを延々ループしており、まとも配信できていない様子。恐らく音だけがインターネット上に届いているのだろう。
最後の語りの部分での子はノートパソコンを手に持つ。
「僕はこのパソコンを壊したい」
次の瞬間、突然ノートパソコンを床に叩きつける。大破したパソコンはバウンドし、無残な形に。今まで長い間配信などで使っていたパソコンが、まさか。ギターの次はノートパソコンだった。の子の愛の形はなかなかいびつなものだ。
液晶の部分がめちゃくちゃになったパソコン。当然、画面は真っ黒になり、破片が少し散らばっている。
の子は「このパソコンは寿命ぎみで壊れてきたんで…」とパソコンについて解説。お客さんの一人がボソッと「寿命じゃねえ…」と呟く。「このステージで殺してあげなきゃなと思って今日ここで…」と語っていると、スクリーンにまだ映像が流れていることに気付く。「あれ?映像映ってる?」との子が反応。なんと、パソコンのモニタは完全に壊れたけどハードディスクは生きている状態だった。ウェブカメラがきちんと映像を撮っており、液晶画面の代わりに、スクリーンにはばっちり映像が映っていた。死んでるはずなのに、生きている。ゾンビのようで少し不気味だ。カマキリの頭をちぎっても、まだ足をバタつかせている。そんな気味の悪ささえ感じられる。
パソコン、最後の悪あがき。その生命力に、の子もスクリーンを見てビックリしていた。
「とりあえず!みなさん!ちょっと初めてのところもあってグダグダな部分もあってすみませんでした!このまま2010年も、生きていきましょう、死ぬ奴もいるかも知れませんけど、がんばっていきましょう!」
今年最後のライブにふさわしく、の子が礼儀正しく挨拶して終了。
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グダグダなところも多かったけど、1年の締めくくりにふさわしいライブだったかも知れない。配信とライブを遂に融合されたことが神聖かまってちゃんらしい。彼らにしかできないニコニコ生放送ライブ配信だった。
ポイフルやサブカルチャー、お客さんの凸的要素、グダグダな会話、曲のやり直し、ちばぎんのお父さんっぷり、そしての子さんの暴走。
考えてみれば、神聖かまってちゃんらしさが十分に盛り込まれていたように思う。
の子さんがネット上のリスナーとライブに来ているお客さんの両方に対応するのに必死で、しかも無線LANという環境で四苦八苦しているところもあった。だけど、彼のやりたいことが物凄く伝わるライブだったように思う。
の子さんにとってはお金を払って観に来ている人も、ネットで見ている人も変わらないのだろう。どちらも興味を持って自分らを見てくれていて、それに応えたいという気持ちがあるのかも知れない。だからこそ、毎度毎度しつこいくらいにリスナーには礼儀正しい姿勢だ。そこが彼がリスナーに愛されている理由のひとつに違いない。
"かまってちゃん"の定義は色々あるかも知れない。ほとんどの人にとって、"かまってちゃん"は迷惑な存在だろう。メールを返さなかったら「怒ってる?」「返してよ?」とわざわざ聞いてくるような。ブログやミクシィでシリアスな感情をぶちまけて、反応を伺うような。
だけど、"神聖"という言葉が付いているバンドはどうだろう。
たしかに"かまってちゃん"であることには変わりはない。でも、まったく迷惑ではない。メールを返す必要はない。嫌なら聴かなきゃ、見なきゃいい。こちらの自由が許されている。
そして、それが表現に落とし込まれている。そこには、の子さんがずっと「鳴り止まないっ」と言っている"ロック"と呼ばれるものがあるからだろう。
実際、大破したノートパソコンがこう言っている。
の子さんはたった1台のパソコンから、世界と繋がった。小さな世界から、広い世界へと突き進んでいくきっかけを作ったのは、間違いなく壊されたノートパソコンだ。パソコンはおそらく、の子さんのことを知っていたのだ。
"の子 ロックしています"
パソコンが瀕死の状態で呟いたかのように、偶然スクリーンに映し出されていた。それは単なるユーザー切り替えのログイン画面。
完全にオチがついた。
このような奇跡こそが、神聖かまってちゃんには似合っているのです。
2009年12月24日 渋谷LUSH
〈セットリスト〉
1、(カップルポイ/サブカルチャー)
2、ちりとり
3、学校に行きたくない
4、(にょろラップ)
5、ロックンロールは鳴り止まないっ
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