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2009年11月21日土曜日

神聖かまってちゃん@下北沢BASEMENT BAR

前回の11月11日の下北沢Daisy Barのライブは『自分らしく』を初披露し、『夜空の虫とどこまでも』を今年の4月以来、久々に演奏。にも関わらず、テープを破損してしまい、使い物にならない映像に。ひどく落ち込みながら雨の下北沢を帰った記憶が蘇る。
丁寧にも、彼らはどちらの曲もこの日は演奏してくれた。場所は同じく下北沢、BASEMENT BAR。
住所不定無職、ねごと、ときめき☆ジャンボジャンボ、神聖かまってちゃん、オワリカラ、ジプシールーズが出演。まだそれほど知られていない、若手のバンドばかりだ。

住所不定無職の『あの娘のaiko』を聴いているとちょっと泣きそうになった。この曲は本当に売れる。aiko的に大丈夫であれば。とにかくグッとくる。
グッときていると、ちばぎん、みさこさん、monoくんが僕の目の前に登場。ちばぎんに着ている服を「ビートルズみたい」と言われる。
この日の一番の収穫は、ねごと。
早い話、可愛いのだ。メンバー全員が大学1回生の女の子。それだけで可愛い。MCが初々しいのだ。ときめき☆ジャンボジャンボ目当てで観に来ていた友人の横山くん(弁当屋勤務)の様子がおかしかった。演奏前から「これはやばいかも知れませんね」とメガネをキラリと光らせていたが、その予想は的中した。
それはキーボードの女の子のMCで頂点に達した。
「今日はとっても良い天気だったので、家で洗濯物を干してから来ました。こんなに良い天気だったら、草も虫も喜んでいると思います」
前で観ていた横山くんが静かにこちらを振り返った。メガネが光っていた。ここがポイントだったんだろう。その通り。植物や昆虫に優しい女の子が可愛くないわけがない。これからはねごとを応援しよう。曲もポップで素敵。売れそう。ねごと最高!

などと、神聖かまってちゃんのことを書かずに終わりそうになったが、そうはいかない。1曲目から『自分らしく』を演奏してくれる彼らを無視できない。かまっちゃう。最近、こちらがかまってもらっている感じもあるけど。

この日、セッティングにやたら時間がかかっていた。
「今日はありがとうございます。よかったらライブの後にでも話しかけてください。CD売りつけるんで。バンバン買ってください。ボンボンバンバンボンボンバンバン」
の子はまだライブが始まってもいないのに、MCみたいなことを言い出す。
そしてセッティング中のBGMが、なぜかX-JAPAN。
後で聞くと、ちばぎんがX-JAPANを歌う予定だったらしい。そういえばライブ前、ちばぎんが「今日、セッティング中にやることはネットにアップしないでください!」と本気の目だったので、そういうことだったのか。結局歌わなかったので悔しい。歌ったら絶対アップしていた。

『自分らしく』はmonoの軽快なリズムを刻むパーカッションで始まる。の子が「日だまりの夢見て~♪」と歌い始め、ジャーン!と気持ちよくスタート。
みさことmonoのダブルリズム。首からタンバリンをかぶったの子のその姿は異様にキマっていた。曲の途中、「マイクに返しを!返しを!返しを!」とリズムに乗りながらPAさんに訴えていた。デモ音源よりもライブのほうが、ちばぎんのベースも聴こえてマッチョな音に。
そして注目すべき点はここ。
「男の子になった 女の子になった」の後、monoがパーカッションからキーボードに移行する瞬間だ。その切り替わりがかっこいい。耳にこびりついて離れようとしない、強烈にポップなメロディ。この曲展開は痺れる。

monoがの子にヘッドマイクを渡し、『23才の夏休み』へ。
の子の声にエフェクトがかかりまくり、天からの声のようになっている。それをちばぎんが翻訳する。本当に何を喋ってるのか分からない。ものすごいディスコミュニケーションがステージ上で繰り広げられている。「俺のボーカルエフェクターを切ればいいんじゃないかよ」と神様のような声で言い、切る。
「荷物がありーの準備がありーのなんで、そのあいだにmonoくんが何かやってくれるんで」とムチャ振るの子に対し、「俺が一番準備することあんだよ!」とmonoが反抗。「うっせーアゴ」と返すの子。「お前、アゴなんか言ったことねえだろ!」とmonoが慌て、の子は「言ったことなかったっけ。俺monoなんか言ったことねえ!」と返す。

の子「ベースメントバーは僕ら2年ぶりなんですよ。2年前は、対バンの客が3人いた。今はこんなにいるという、なんだこれはという感じで。あー、アハハハ」
mono「アハハじゃねえよ、早くやろう!時間がない!」
みさこ「いきますか!いきますか?」
の子「じゃあ、ジャジャッジャッジャッジャ、チャチャチャチャチャチャ。ね?」
ちばぎん「何の確認!?」

そしてドラムがジャジャッジャッジャッジャ、チャチャチャチャチャチャと鳴り出し、『23才の夏休み』へ。
左右のキーボードを使い分けて弾くmono。僕のビデオカメラに映るの子、まさに黄金アングル。彼が「俺がイケメンに映る」と気に入っているだけあって、ちばぎん側から撮るとベストショットが多くなる。の子ガールが歓喜するに違いない。の子ガールなんていないだろうけど。タンバリンを頭から被って首飾りのようにしているのも滑稽なようで、実際は様になってしまっている。
この曲はちばぎんのコーラスの場所が観るたびに変わっていたり、細かい部分に変化が見られる。それほどこだわり、試行錯誤しているのだろう。

PAさんにボーカルのマイクの返しの音を求めるの子。「…てか次インストか!次は『夜空の虫とどこまでも』」と曲紹介。ちばぎんも返しの音を求める。

の子「うちら、リハーサル出てないからな!」
ちばぎん「はい誰のせいですか!」
みさこ「わたしです!わたしが…いつも乗り慣れてる電車を乗り間違えて、15分遅刻したから…」
ちばぎん「30分です!」
の子「お前、そこんとこしっかりしろって毎回言ってんだろ!」

本番前にやたらセッティングの時間がかかっていたのは機材が多いからだけではなく、みさこの遅刻が原因だったのか。天然パワーが炸裂したようだ。

みさこ「だってね、特別快速って書いてあったのに快速だったんだよ」
の子「は?知らねーよ」
みさこ「ごめん。PAさんごめんなさい!他の対バンの方もほんとごめんなさい…」
の子「さて、アンケート。許すか許さないか」
mono「微妙だねそれ。結構どうでもいいと思うけどね」

みさこはここで大胆発言。
「許すと言ってくれた方には、あとで乳揉ませます…」
一人の男性客が「許すよ!!!」と叫ぶ。全員が許したら揉まれまくりじゃないか。

「今日は女の子のバンドもいっぱいいて、なんかわたしも恋したいなって気分になりました。普段こんなアレな男の子たちに囲まれてるから、そういうバンド観て、わたしもこうあるべきじゃないかと思って。今日は乙女ぶって『夜空の虫とどこまでも』を叩こうと思います」
なぜかいきなり語り出すみさこ。その間、ちばぎんがずっとイントロのベースを弾き続けている。みさこが「準備できましたかー?」とメンバーに聞くと、ちばぎんがブチ切れる。
「ドラムを始めろよぉおおおお!!!弾いてんだろさっきからぁぁああああ!!!」

そんなこんなで、曲の世界のムードが一切ないまま『夜空の虫とどこまでも』へ。
の子が持たず、キーボードを弾く。デモ音源とは違い、の子がヘッドマイクで歌詞があるのか分からない言葉で歌っている。声が楽器みたいな役割。ベースとドラムがビートを刻む中、monoとの子のキーボードが絡み合う。普段暴れている人が、インテリな様子でキーボードを演奏する姿にドキッとした女子は少なくないはずだ。客席には女子自体少なかったが。
後半、静かに盛り上がる感じがたまらない。4月に観たときはmonoがキーボードを弾けなかったが、もう弾けるようになっていた。あのときの不可解なシャドウボクシングみたいなダンスも良かったけど、今の感じもグッとくる。

「ぶっちゃけこの曲やりすぎてるんだけどね」との子が言い、『学校に行きたくない』へ。
たしかに、ライブで演奏しないことは少ない。
monoがライブ告知をしている語りに合わせて、みさことちばぎんが演奏を開始。そのおかげでmonoの声が全然聞こえないという残念な展開に。「お前らでセッションしろよ」との子の命令のもと、突然セッションが開始される。そしての子もキーボードを弾きながら歌い始め、お得意のラップが披露される。
「漫画喫茶もやってらんねえ!アルバイトどうすんの?いぇー(渋い声で)。アルバイトどうすんの?いぇーー(渋い声で)」
の子のラップにちばぎんが笑いまくる。
「最近はキクチという奴がいて、僕に、清掃に行かせようとするー」とアルバイト体験談を即興ラップに。「僕は、清掃に、行った。そして受け付けに、帰ってきた。そしたらキクチが言い放った。"大島くん、どこ行ってたの?"…清掃に行ってたんだよーー!!!このやろーー!!てめーが行かせたんだろうがよぉおお!!」
これ、単純にアルバイト先の上司に対する愚痴でした。

そして『学校に行きたくない』へ。もはや"バイトに行きたくない"のほうが感情高まるだろう。
の子、ダイブするが恐らく誰にもまともに受け止められず、落下。お客さんに背中を押されてステージに戻る。叫びまくりながら、近くに置いてあったビールケースを客席にぶん投げる。この曲は撮影していて気持ちいい。もっとやれ!やっちまえ!という気分になる。ビールケースは客席でどうなったのだろうかが気になるが、危険とか安全とか一切考えずにパフォーマンスする姿はやっぱり清々しく、かっこいいものだ。

演奏が終わると、の子が「はい、あと20分休憩。エヴァンゲリオンでもそうでしょ。20分、休憩」と身体を休める。monoが「なんなんだよそれ。普通に疲れたけどね」と応えると、の子が「は?お前が疲れたとか意味わかんねーよ。何それmonoくん。"つ か れ た"って4文字。あー、はー、そうですよ。ライブってのは疲れるもんですよ」と無愛想に返す。

の子がみさこに対し、「ライブ告知したらいいんじゃないの?」と言うが、みさこは気づかない。「無視かよ!殺して殺して死姦するぞ!!」との子が言い、会場に笑いが。「死姦?死姦でいいの?」とみさこが尋ねたのが気になった。
こんなひどい空気の中、『ロックンロールは鳴り止まないっ』へ。
鳴り止まないっというよりも、の子のギターが鳴らないっ。演奏途中で「待てよこのやろー!!」と止める。そしてまたもや仕切り直しへ。

次が最後の曲であるにも関わらず、「ボーカルの返しをください」と言ってしまうの子。みさこの遅刻からか、機材の不調からか、いつも以上にグダグダなライブに。
ちばぎんが「ギターを弾くんですねー」とmonoに言い、「そうですよー。俺に似合わないギターを弾くんだよー」と返す。ちばぎんがの子に「なんでギター取っちゃったのー?」と尋ねると、「いや、これ(ベルト)が緩いから直そうと」と緩い会話がありつつ、最後の曲は『ぺんてる』
の子が「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」とまだマイクを確認し続けるので、他のメンバーが少し強引に曲を開始。
グダグダなまま演奏は始まったが、「大人になりました」の後のキラキラとした展開がやっぱりかっこよい。
「ジャポニカ学習ノートのページがどんどんめくれてく、僕が学んだことなんて風の中へと消えていく」からの歌詞が切ないのだ。「考えて生きてくような価値なんて どこにあるんだと僕は思うのです」というフレーズが印象的。ライブで演奏していない『あるてぃめっとレイザー!』でも、宅録音源に「頭で考えることではない」といった歌詞があるけど、の子はやっぱりドントシンク・フィールな人間なのだろう。感覚で物事を決め、発言しているように感じることが多い。いつも、計算と天然の狭間にいる。

曲が終わり、お店側に強引に照明を落とされた神聖かまってちゃん。これは仕方ない。撮影したDVテープの録画時間を見ると、50分近くに迫っていた。これはイベント殺しのライブです。

そんなこんなで終了した神聖かまってちゃんのライブ。
次の出演バンド・オワリカラのライブ後、突然物販から出てきてステージ上でCDの宣伝をし始めるの子。次のバンドがセッティング中にも関わらず、マイク無しで大声を張り上げる。「500円なんで買ってください!」と、周囲を気にしない様子の強引な販売に笑いが起きる。
僕の友人が「ちょっと腹立った」と言ってしまうくらいグダグダのライブだった。しかし、『夜空の虫とどこまでも』は幻想的な世界観がステージに滲み出ており、今後の発展が楽しみになった。

あと、ほんとねごとがかわいかった。これはまた普通にライブを観たい。ねごとねごとばかり言って、ねごとばっか言ってんじゃねー!って感じになるけど、配られたねごとのライブの感想のアンケート用紙に、ちょっと熱いメッセージを書いてしまった。また神聖かまってちゃんと対バンしてほしい。切実に。

2009年11月21日 下北沢BASEMENT BAR
〈セットリスト〉
1、自分らしく
2、23才の夏休み
3、夜空の虫とどこまでも
4、学校に行きたくない
5、ぺんてる

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