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2009年4月23日木曜日

神聖かまってちゃん@下北沢屋根裏

「“神聖かまってちゃん”ってバンド知ってる?」

3月、関西に住んでいる友人が電話で突然尋ねてきた。
知らないよ。なんだその変な名前のバンドは。“神聖”って。『神聖モテモテ王国』ってマンガを思い出した。“かまってちゃん”ってあれか。頼んでもないのにやたら日記をメールで送り付けてくる人のことか。寂しいアピールする人か。ブログで暗いことを書く人か。
奇をてらったような名前のバンドを、なんで?
その友人が日本のインディーズバンドの事を急に話すのは初めて。普段は洋楽を聴いていて、あらゆる分野に造詣の深い友人。自分の周りにいる誰よりも先にPerfumeの魅力に気づき、かつて部屋に遊びに行くと頼んでもないのにPerfumeのCDを再生された事を思い出す。あのときは「うわーこの子なに急にアイドルのCD流してんの…」とか思っていた自分を恥じている。今のPerfume人気、そしてPerfumeの素晴らしさ、かっこよさ、美しさ、のっちのボブの凄さ、前髪作った方が好みだけど作ってなくてもボブの素晴らしさ…
おっと脱線。

「俺はこのボーカルの奴の事スゴいと思ってるんやけど」
神聖かまってちゃんのボーカルの名前は“の子”というらしい。接続詞がつけづらい名前だ。「普通に曲がポップで振り幅があってこれが全然有名ちゃうのが謎やわ…」と友人は嘆く。Perfumeの時に振り払ったバトンを今度こそ受け取らなければ。恥ずかしい思いをしたくない。そんな気持ちでYouTubeを開いた。
なぜか、それは早かった。正直、いつもだったら他人が薦めるものにあまり興味を持たない。なぜすぐに検索したんだろう。そのときの気分が良かったのか、友人を信頼していたのか、それとも“神聖かまってちゃん”という名前にどこかしら惹かれるものがあったのか…

『夕方のピアノ』という曲を見つけた。
まさか有名じゃないインディーズバンドにPVがあるとは。
気になった。タイトルで“夕暮れ”って表現はよく見かけるけど、“夕方”って案外見かけない。誰もが日常的に使っているのに。
「の子って奴がpeercast?とかいうところで配信って事をやってんねんけど、それが新宿の交番の警察官と揉めたりしてて。曲がせっかくええんやから、配信とかで無茶なことやってメンバーが離れていかへんかが心配やわ…」
友人はさらに嘆いていた。peercast?何それ。配信?何それ。聞き慣れない単語ばかり。
『夕方のピアノ』を再生した。
なんだこれ…
怖いぞ。不気味だ。いや、違う。切ない。悲しい。…なんだこれ?
ボーカルは、子ども?なんでこんなに甲高いんだ。なぜか子どものような声が夕方の赤く染まった空に向かって、「死ね!」を繰り返していた。右上に“MTV”の文字が浮かび上がる。絶対嘘だろ。MTVで流れるわけがない。チープな映像とテロップ。それなのに、なんだろうこの感じ。怖くて気持ち悪くて不気味なのに、切なくて悲しいのはどうしてか。
途端にギターが叫ぶように鳴る。すると映像が乱れ、手持ちのカメラのブレた映像がますますブレる。震える感情を表すかのように揺れる。
学校、部活、あらゆる帰り道、夕暮れ時間、景色がガタガタと震えるくらいに感情が高ぶり、行き場のない怒りや悲しみを覚えた記憶が蘇ってくる。

「えっ…『夕方のピアノ』から見たん?俺は『ロックンロールは鳴り止まないっ』って曲を最初に聴いてもらいたかったんやけど…」
友人は『夕方のピアノ』を聴くと引かれると思ったらしい。ところがどっこい。惹かれた。ランドセルを背負った小学生が映り、叫び声がリコーダーに変わった時、僕の中で“神聖かまってちゃん”は完全に気になる存在となった。
圧倒的なものだった。「死ね」なんて歌詞はありそうでない。単に攻撃的ではない。切なかった。どうしてリコーダーの音に切り替わったのか。どうして「死ね」がたくさん叫ばれたのに切ないのか。その理由を知りたかった。
電話を切り、次から次へと動画を再生した。なんでこんなにPVを作ってるんだ。調べてみると、全部ボーカルの“の子”が制作しているという。曲も歌詞もすべて。打ち込みの音源も全部。『ロックンロールは鳴り止まないっ』の最初のドラムにずっこけた。この音いいのか?大丈夫なのか?って思ったのも束の間、繰り出される歌詞に完全に心を奪われた。
「夕暮れ時 駅前TSUTAYAさんで 僕はビートルズを借りた セックスピストルズを借りた ロックンロールというやつだ しかし、何がいいんだか全然わかりません」
いきなり挑発的と思いきや、次第に気持ちが変化していく様子が描かれていた。歌の中で葛藤があった。物語だった。音楽に触れ、感動を覚え、誰もが身に覚えのある初期衝動が、一切ぼんやりしない言葉で歌われていた。
なにこのバンド。曲がめちゃくちゃいい。
極めつけは『ゆーれい未満』と『笛吹き花ちゃん』。びっくりした。一度聴いたら耳から離れないメロディの連続。
「自殺しちゃうぞと叫んでも 誰からも返事ございません」
まさに“かまってちゃん”じゃないか。鬱屈したパワーが炸裂している楽曲ばかりで、明らかに“の子”が自分自身のことを歌っていた。
これらをすべて一人で制作した本人がとても気になった。

友人が言っていた“配信”の動画を見た。
狂人が映ってるんじゃないかと思いドキドキしながら再生するが、半ばワクワクしている自分がいた。
の子がヘルメットを被った姿で路上ライブをしていると警察官に止められる。それでも会話しながら、合間合間に「du da~」とさりげなく歌っている姿に笑う。
この人、面白い。狂人ではない。ちゃんと意識がしっかりしている。時折見せる謎のサービス精神からすぐ分かる。
単に面白いか面白くないかで行動しているように見えた。その瞬発力と判断力は交番前での一部始終で感じられる。そしてバカバカしい。そんなに難しい言葉で語られるべき存在ではなく、語った時点でマヌケにさせてくれる。彼が行なう表現と宣伝活動は感覚的に思う。開いたノートパソコンを片手に持ち、画面に向かってぶつぶつと喋る。誰もが近寄りがたい姿。だけど、それを本人は分かっているように思った。周囲との緊張感を理解している。だからこそ、そこらへんのストリートミュージシャンのヌルい雰囲気とは一線を画す。
“ライブ”という概念を覆していた。
インターネットと、交番。自らキツい言葉を容赦せず投げかけてくる場所に突撃していた。
こんな人初めて見た。

この衝撃が実際に足を運ばせることになった。
公式サイト『子供ノノ聖域』には次回のライブの予定が書かれていた。一ヶ月に一回くらいのペースでしかライブしていない。mixiで“神聖かまってちゃん”のコミュニティを見つけた。参加人数が100人くらいしかいない。なのに、なんであんなにPVが作られてるんだ。そこにの子のガツガツとした表現への意欲と何も知らない世間とのギャップを感じ、新しい世界に一歩踏み入れる気になってドキドキした。
一体どんなライブが見れるのだろう。
仕事帰り、前売りの予約をしないまま直接向かった。

下北沢屋根裏に入るのは初めて。友人のバンドのライブを観るために何度も下北沢を訪れているけど、屋根裏は行ったことがない。
神聖かまってちゃんの本番30分前くらいに着く。受付で「お目当てのバンドは?」と尋ねられ、「神聖かまってちゃんです…」とちょっともじもじ。彼ら目当てのお客さんリストを覗くと、自分を含めて3人しかいない。少ねえ。扉を開ける。人いねえ。全然いねえ。こんなライブハウスは初めてだ。対バンのバンドメンバーしかいなさそうな空間に驚く。7、8人くらいがまばらに散らばっていた。少ないと一人一人の存在が色濃く目立つ。こういう空間はとても気まずく、一人で来たことをちょっと後悔してしまう。

しばらくすると、中学生の夏の制服のような白シャツを着た青年が現れる。暗闇の中でノートパソコンの画面の光に顔を照らされ、少年のような屈託のない笑顔が浮かび上がる。ライブハウスには似つかわしくない風貌。バンドマンらしくないビジュアルは、なぜかどことなく安心するものがあった。
彼が“の子”だ。
あれが警察官と揉み合った人か。そうは見えない。素朴で小柄な印象の彼が『夕方のピアノ』を制作したと思うと、人間はなかなか分からない。
やがて一つ前のバンドの出番が終わり、神聖かまってちゃんの出番が来た。少しだけお客さんの数が増えた気がするが、まだスカスカ。ビートルズのアルバム『Rubber Soul』の楽曲が流れる中、メンバーがステージにセッティングに入る。
メガネをかけた地味なにいちゃんがキーボードに座る。彼が“mono”。奥のドラムセットにどこにでもいそうなふわっとした雰囲気の女の子が座る。彼女が“みさこ”。一人だけ別のバンドの人のような雰囲気で、染められた髪の毛が完璧にセットされている派手なにいちゃんがベースを鳴らす。彼が“ちばぎん”だ。
配信しているパソコンはお客さんらしき人に渡され、ステージを撮影してもらっていた。このままライブが配信されるらしい。ライブが家でも楽しめるとは。無料で生中継でしかもコメントが打てる。新しいものが連続している。

の子がなぜか突然服を脱ぎ始める。
えっなにそれ。おいおい下も脱ぐのか。ってなんだこれ。全裸じゃないですか。ギターでちょうど股間が隠れるじゃないですか。普通に見えてるじゃないですか。
「今日は僕らがトリやります。皆さんピョンピョン跳ねちゃって、覚えて帰ってください」
全裸なのに普通に喋っているの子。その後ろには女性メンバーのみさこがいるというのに、なにこの余裕。銭湯以外でフルチンを見るとは思わなかった。天使のつもりか。変質者か。しかも配信やってイるからネット上に公開されるだろうに、お構いなしか。
「それで、久々にライブのトリやって。21時45分っていうその間、4時間か5時間ずっと待ってたんですけど、正直眠いです。眠いけど裸だぜ?俺は裸だぜ?」
そして極めつけの一言。

「裸になって何が悪い!」

この日、SMAPのメンバー・草なぎ剛が全裸になって逮捕された。そのときに警察官に向かって叫んだ言葉を、の子が裸で叫んでいた。おまわりさんこっちですよ!

「俺の生涯最後の勇姿を見よ!」
 
こうして『肉魔法』が始まる。の子のギターからジャジャッ!とリズム隊の演奏がバッチリ合い、かっこよくスタートする。が、そこには裸の男が突っ立ってギターを弾いているという、かっこいいとは言いがたい光景が。肉魔法の肉ってこのことですか?魔法なんですか?の子がギターのボディを一切動かさないまま演奏するため、股間は正面からでは見えない。配慮してるのだろうか。
と思いきや、曲が終わるとギターを思いっきり動かし、大股を開いてジャーン!とキメる。ジャーン!が漫☆画太郎の漫画の擬音のように、股間の登場を表していた。

人が少ないライブハウスに全裸の男が突っ立っていると、さすがに会場は妙なムードに包まれる。「笑っていいのか…?」という空気だが、ちばぎんが「ちんこちんこ…」と小声で解説すると会場が和み、笑いが起きる。
「俺はちんこ出してもかっこいいだろ!!」
の子の発言になかなか同意できずにいる空気の会場。無言である。ステージと客席の温度差がシュールすぎる。笑いが止まらない。なんなんだこの人は。バカなのか。いや、あんなに楽曲やPVを制作しているからバカではない。おもしろすぎる…
「ちんこ出してるとこで、上だけ着たら…!」
の子が威勢よく叫ぶが、そこでちばぎんが「変態だろ」とつっこむ。なんで一人だけ気の狂ったようなことをしてるのに、他のメンバーは普通でいられるのか。全然引いていない。の子は「セクシーだろ!」と返事しながら白シャツを着る。下半身はまだプラプラしている。「うん…靴下からにしたほうがいいんじゃない?」とちばぎん。なんなんだこの会話。「いや靴下は…」と言いかけたの子に、monoが「靴下は履かない。うん、上から着ると…」と解説。そしてまた一言。
「全裸になって何が悪い!」
キメゼリフを盛り上げるかのように、バシャバシャーン!とドラムが鳴る。みさこも笑顔でなぜか余裕の雰囲気。なんなんだこのバンド。なんで変人が一人いるのに普通に会話して、しかも妙にゆるいんだろう。

「俺らでラストだから」とmonoがの子に言うが、「いや、あと何曲かあるから。おめーがバカだから」との子が返すと「うるせーばかくそ!」とmonoが怒る。「あ、やっと元気出てきた。さっきまで落ち込んでたんですよ!」との子がmonoを紹介しようとすると、「うるせえんだよバカ!」と本気でmonoが怒り、それを聞いたちばぎんが声を出して笑う。
そうか、この人たちは幼稚園時代からの幼なじみなんだ。ネットのどこかに書かれていた。お互いが「バカ!」などと罵り合うことが当たり前なんだ。
次は『ゆーれい未満』へ。なんてかっこいいんだろう。フルチンを除けば。「うーっゆれいっ!」の瞬間と、「ですよね」の後、大きな盛り上がりが二回もある。痺れた。フルチン以外は。

「ぶっちゃけお前ら眠いだろ?」
観客に問いかけるの子。当然反応はない。「これはトランクスだ!」との子が紹介し、脱ぎ捨てられたパンツを手に持つ。それでもmonoとちばぎんが会話をしていて気づかない。「はいごめんなさい!なんですか?パンツですか!」とちばぎんが反応してあげる。「パンツを履くんだ!」との子。「だんだん人間に近づいてきたね」とmono。なんだこの会話。なんでこんなにまったりしてるんだ。

「さわやかな夏っぽい曲、聴いてみてくださーい」との子が曲紹介し、「いきまーす」とみさこが言い、『23才の夏休み』へ。
「いきまーす」って。軽音サークルのライブじゃないんだから。明らかに野心的でぶっ飛んだことをやろうとしているの子の脇で、どうしてかゆるい空気が続いている。このノリがまったくもって謎だ。
それでも曲自体は素晴らしく、演奏も全裸だった人間とは思えない。まともだった。

演奏が終わるが、沈黙。僕も含めてだが、すぐにワーッと歓声を上げられる雰囲気ではない。お客さんが少ないぶん、やりづらいのだ。
「あれ?拍手がねえ…眠いだろ!」
笑いながらの子が言う。「このライブの前、野犬みたいに叫んでたんでちょっと後悔してる」と。どうやらこの日、ライブの直前に下北沢の駅前や路上でライブをやっていたらしい。ギターを弾きながら歌っていたらしいが、通行人は全然立ち止まらなかったようだ。「でも!俺は熱いけどな!俺の熱い魂を持って帰ったらいいんじゃない!」と叫び、まるで何百人かを目の前にしてるかのような迫力と気合いの声だ。が、目の前には10人いるかいないかという数だが。
そして『ロックンロールは鳴り止まないっ』。ようやく聴けた。グッときた。
「なんでだ全然鳴り止まねえっ!!」
痺れた。曲の展開が凄まじくかっこいい。白シャツにトランクスという格好のの子であるが、それだけでも十分かっこいいロッカーに見えた。どこにでもいそうな風貌の青年なのに、ステージに上がると変わる。これはライブでは当たり前の光景だろうが、この人は何かが違う。

その後は『夜空の虫とどこまでも』。ここでまさかのパートチェンジ。
の子がキーボードに向かい、「この人が弾けないから」と解説する。どうやらmonoがまだこの曲の演奏を覚えていないので弾けないという。代わりに作曲者のの子がキーボードの前に立ち、メロディを奏でる。一方、monoは何をするかというとその近くで踊っているのだ。
その踊りがいわゆる踊りと呼べるものではなく、シャドウボクシングのような動き。本人はひょっとするとヒップホップのような動きを意識しているのかも知れないが、これは単にアブナイ人のような動きだ。幻想的で詩的な楽曲。踊りは不似合いだろう。見事に変な踊りが曲の世界観をぶち壊していた。そして踊りすぎたのか、キーボードのコードにmonoの足が引っかかって音が出なくなる。ぶち壊すどころか本当の意味で壊してしまった。monoが急いで直し、手を合わせて謝る。が、そこでの子は怒る様子もなく笑顔のまま美しいメロディを弾き続ける。
この姿が印象的だった。
先ほどまで全裸だった男が、突然平穏な雰囲気で、アーティスティックにキーボードを弾いている。そのギャップにグッときてしまった。この人は二面性どころではない。何面性くらいあるんだろう。よく分からない。っていうか、演奏できないからといって代わりに踊るって発想が信じられない。

演奏後、「何やるんだよー」みたいな様子での子が笑いながらmonoを叱る。最後は再びmonoがキーボード、の子がボーカル・ギターになり、『ちりとり』へ。
エンディングにふさわしい曲だった。「奥まで!奥まで!」と目をひんずりむいて熱唱するの子。その姿に感動せずにはいられなかった。

たったの6曲の演奏だったけど、神聖かまってちゃんの存在に見事に心を奪われた。『ちりとり』の歌詞にある通り、完全に心をちりとられたのだ。
最初は全裸だったの子がもはや元通りの服装に。1曲終わるごとに1着身につけていくという展開を見せ、変人がだんだんまともになっていく過程を見た。特に『夜空の虫とどこまでも』のまともさには知性を感じ、ちょっとドキドキした。簡単に言えばバカな言動をしているように見えて、彼はものすごく頭がいい。それがたった25分間でも感じられるライブだった。
再びノートパソコンを手に持ち、ステージを去っていくの子。そして彼に続くメンバー。
下北沢屋根裏は楽屋通路がないので、客席を通ってステージと楽屋を行き来する。話しかけようと思ったが、あまりに感動したので逆に近づく事さえできなかった。とはいえ話す必要はなく、ライブで会話が成立したような気にもなった。ほとんどがディスコミュニケーションだけど、それがまた会話だった。

の子の狂ったようなパフォーマンスと、意外に狂っていない一面と、それにゆるく反応するメンバー。かっこよさ(といっても裸)と、おもしろさ(といってもグダグダな会話)に魅了され、「また次のライブに行く!」と決意した。
誰かにこの人たちの存在を知ってもらいたい。
だって、こんなに面白いのにこのお客さんの数はありえない。あれほど名曲があるのにどうして知名度がないのか。帰宅後、YouTubeの動画の音声を保存し、勝手にCD-Rを作って布教活動しようと準備する。こんなことするのは初めてだ。

次のライブは5月末。あと一ヶ月以上先。場所は同じく下北沢屋根裏。
僕の友人のバンドは、仲の良いバンドのイベントに誘われて色んなライブハウスに出ている。だけど神聖かまってちゃんは違う。どうも友達がいないように思える。だからライブハウスのブッキングライブにしか出れないのかも知れない。
でも、それがいい。
孤独なのが似合っている。孤独である以上、その音楽を聴く相手と一対一で向き合える気がする。大学の音楽サークルの延長線上のバンドもそりゃ楽しいかも知れない。でも、一人で観に来ているお客さんの中との壁を作っている気がする。排他的な空気を感じる人だっているだろう。
僕もそんな気持ちを味わった事がある。だから神聖かまってちゃんの一対一でリスナーと向き合う姿勢は特別に思う。ただ単に友達がいないだけかも知れないけど、彼らのやっている配信だって、向こう側にいる人はパソコンの前では一人なのだ。
一人でいる時とみんなといる時。それぞれ多少性格が違う人もいるはずだ。会えば楽しく話せる人なのに、ブログには暗い事ばかり書いている。そんな人は心当たりがある。あれは一体何なのか。そして自分もそういう部分はないだろうか。
一人になると自分の性格が浮き彫りになる。一対一という関係性は、そういった本性に訴えかけてくる。神聖かまってちゃんにはそれができる気がした。
これからも何十、いや何百。何千、何万とその一対一の関係を作ってほしい。

「僕はいつか 東京のど真ん中で 何千人の前で 存在を見せてやる」

『いくつになったら』にこのような歌詞がある。今日は「東京の下北沢で 十数人の前で おちんこを見せてやる」って感じだったが、いつか東京のど真ん中で、何千人の前で、おちんこじゃなくてその存在を見せてほしい。
そうなると世の中がもっと面白くなる気がする。彼らが有名になれば、テレビに出れば、絶対面白い。そんなことを思いながら『神聖かまってちゃん たけうちんぐベスト』のCD-R制作に勤しんだ。

暗闇の中の小さな光に浮かび上がる、の子の姿。ノートパソコンの小さな光は、彼にとってスポットライトに見えた。
もう一度、いや二度、三度四度、その光景が見たくなりました。

2009年4月23日 下北沢屋根裏
1、肉魔法
2、ゆーれい未満
3、23才の夏休み
4、ロックンロールは鳴り止まないっ
5、夜空の虫とどこまでも
6、ちりとり

ライブ配信(途中まで)

1 件のコメント:

  1. いやぁ、竹内さんのかまってちゃんを凄く見抜いてますよね。
    凄いです。
    自分は神聖かまってちゃんが一番の最高のバンドです。

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