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2009年9月4日金曜日

神聖かまってちゃん@下北沢屋根裏

下北沢屋根裏でのライブは4ヶ月ぶり。
あの頃とは違い、大勢のお客さんが詰め掛けていた。この日はSPACE SHOWER TVが撮影に来ていたようで、大きな機材を抱えたカメラマンが客席前方にいた。
レコード会社の方も何人かいたようで、神聖かまってちゃんの注目度がサマーソニック後に一気に高まっている。
今回、下北沢屋根裏の普通のブッキングライブだったようだけど、この日でそれに出るのも終わりかも知れない。

神聖かまってちゃんの出番はトリ。お客さんの多さに反比例するかのように、の子のテンションはかなり低い。
「はいこんばんわ。神聖かまってちゃんです。久々に下北沢の屋根裏でライブやることになりました。なんで人がいっぱいいるのかよく分かりません。なんでこんなにいっぱい…幻を見ているかのようだ。今までは、4人とか5人とか、対バンとか。これは、たぶんうちらのファンじゃないですね、はい」
表情を一切変えることなく、感情というものがどこか別の惑星にでもあるかのようなテンションで語り始める。
「次は『ちりとり』って曲をやります。こんな夜遅くにすみませんね」
1曲目なのに「次は」と言ったことに笑うお客さんも。

『ちりとり』は終盤、「奥まで!奥までー!」と叫ぶときのの子の目が飛び出そうなくらい、ひんずり剥かれていた。
髪の毛を切ってちびまる子ちゃんのような髪型になったの子。ゴリラ柄のシャツを着たmono。ネクタイファッションのちばぎん。みさこはいつもより服装が華やかで、これはちょっとSPACE SHOWER TVのカメラを意識したものではないかと憶測が。
そしてステージのフォーメーションが変わっていた。monoが中央でキーボードを弾く構図となり、みさこがmonoに隠れる。一つの絵にメンバー全員が収まりにくい、少しカメラマン泣かせな立ち位置である。

「今日はこれを使ってね。きれいな、夏になったからね。夏の曲を…」
の子には夏がそろそろ終わってしまうことも関係なく、頭にヘッドマイクを付けようとする。まだ付けられていないのにみさこがドカドカドカドッドッダン!とドラムを始めてしまい、メンバーもの子に気付かずに演奏をスタートさせる。
「ちょっと、はえーよバカ!俺がいまコレ付けていただろうがよ!付けてこれをクリックリッとしていたのに…いつも練習でやってるのに!バカかお前!これなんかそういう番組的なノリ?…つまんねえぞ!」
演奏を止めたの子が、みさこを叱責。これは仕方ない。
ちばぎんが「じゃあ、『23才の夏休み』を!」と進行させるように促し、やり直しで再び『23才の夏休み』を。
「サンサン太陽がーむかつくぜ、むかつくぜ」のときのの子の目がまたまた凄いことに。瞳孔開きっぱなし。本当に太陽にムカついているような顔をしていた。ちばぎんがサビでコーラスをしたり、みさこの最初のドラムなど、この曲はライブで聴くたびにちょこちょこ変わっている気がする。試行錯誤しているのだろうか。

「まあ僕は23才じゃなくてもう24才で、おっさん化していってるんですけどね!でも精神年齢はまだまだ若くて、みなさんも年取ってる人いると思うんですけど、まだ30なっても40なっても忌野清志郎モードで来てるんじゃないかと僕は思ってるんですけどね、ロック少年たちはね。うん。ガンバレロック少年!!」

バシャーンとシンバルが鳴る。
の子やmonoが何かしら印象的なことを言った後、みさこがシンバルを叩いて更に印象づけることが多い。「ここ、ポイント!」といった感じで。

「自殺したいって曲です」というの子の紹介で、『ゆーれい未満』へ。
「そんざーい」のちばぎんのコーラス、スタンドマイクじゃなくてヘッドマイクで歌っている。「ですよね」の後のmonoのキーボードが6月の渋谷屋根裏のときとは全然違っており、壮大な音になっていた。ライブで観るたびに細かいところでアレンジされていて、曲がどんどん成長していく過程が伺える。

の子は遅い時間にライブをやるのが苦手な様子。といっても、先月のLUSHは23時過ぎだったのに。
monoに対していきなり、「彼女募集してんじゃねーバカヤロー!調子に乗んな!」と叱責するの子。ちばぎんの「してんの?」という問いに、「してますよー」と穏やかな声で返答するmono。「いや、興味ないけど」と聞いたわけには冷たく返すちばぎん。
「次は学校に行きたくないを、練習してないのにやります」との子が言い、『学校に行きたくない』へ。「やるんですかー?大丈夫ですかー?」とメンバーに確認するの子。ダダッダッダッダダ!というドラムが始まり、曲へ。
演奏中、の子は上着を脱いで動きやすい格好になる。「計算ドリルを返してください!」と何度も叫ぶ。客席に飛び込み、「お前らさぁ!お前らさぁああ!!」と壮絶な眼力で客に向かって叫ぶ。人一人殺してしまいそうなほどの狂気の目だ。
音がずっとピーピーと悲鳴を上げ、これはハウリングなのか、ノイズなのか。渾沌としたステージに。荒っぽいサウンドのほうがこの曲は映える。の子、最後は客席でストン!と倒れ、お客さんに起こしてもらう。
動きも激しく、目の力も凄い。だけど、どこか魂の抜けた人のようで、人形みたいだ。の子はこの日、本当に気分が優れていなかったのだろう。それでもの子は叫ぶ。
「まあ、めちゃくちゃでした。パンダ見るよりはマシだろ!!」
突然繰り出された予想外のキーワードに、「ぱっ、パンダ…?」と爆笑する女性客。
「ピックがもう無い。一円玉しかない。一円でやるか!」
の子、一円玉でギターを弾こうとする。

「キーボードのコンセントが抜けたよ全く…データ読み込みし直しだよ!」とmono。「お前、酒飲んでっから間違えちゃったんじゃないの?」との子。の子はそのまま「monoくんは説明すると、あれなんだ…まあ…バカ。2文字で済むの」と客に端的に説明し、笑いを誘う。
monoの扱いがひどい。
「夏休みってもう終わったの?」とmonoがちばぎんに尋ねると、「はあ?」と冷たい反応。「俺たちこれからイカダ(配信)やるのに、寒いじゃん」と続け、どうやらmonoはイカダ作って、川に浮かばせて、乗って、海賊王になりたいらしい。ちばぎんが「バカじゃねえの?」と冷たくあしらう。
monoの扱いがひどい。
「みんなインターネットやってるかわかんないから、配信とかそういうこと言っても知らないんじゃないの?ちょうどお前、難民みたいな顔してるからいいけど。」
とにかくmonoの扱いがひどい。

「じゃあ、こうしよう。ロックンロールは鳴り止まないっ!!」

の子がこの流れを抑えるために突然威勢よく叫び、『ロックンロールは鳴り止まないっ』がスタート。
曲の途中、の子が歌わずに前方にいるカメラマンに向かっていきなり「撮るなバカ!」と怒鳴る。僕も後ろから撮っているので、なんとなく、自分が言われなくてよかったと思ってしまった。
「すいません、調子乗りすぎました!ケガした人とかいたら、後で土下座します!ありがとうごさまいしたー!!」
の子が『学校に行きたくない』で客席に飛び込んだことをなぜか謝り、ライブ終了。
今回のライブは終わるのがあっという間だった。しっかりと30分の枠で収めて演奏したからか、どうなのか。演奏中はそうでもないが、表情からしての子の不調な様子が印象的だった。

終演後、の子が人からもらった服をその場で着ていた。サービス精神に満ち溢れている反面、その表情は微動だにせず。鬱状態のときは表情が完全に静止するのだろうか。楽屋ではSPACE SHOWER TVの取材が始まったようで、ちゃんと受け応えできるか心配に思った。
神聖かまってちゃんにとって初のCD音源も、すでに完成していたようだ。
過去の下北沢屋根裏では想像もできないことが、これから起きる予感がする。ライブハウスの客席後方では業界人同士が名刺交換をし、大人の世界になりつつある。

神聖かまってちゃん、いよいよ凄いことになりつつある。

2009年9月4日 下北沢屋根裏
〈セットリスト〉
1、ちりとり
2、23才の夏休み
3、ゆーれい未満
4、学校に行きたくない
5、ロックンロールは鳴り止まないっ

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