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2014年7月7日月曜日

BABYMETAL@The Forum(UK)


ようやく初めてBABYMETALのライブを観た。そんな気がした。

日本から離れてみて、その意味をようやく知った気がした。凄かった。これがBABYMETALの真髄なのか。壮絶という言葉がふさわしい。ノンストップメタルレジスタンスは、演奏も歓声も地鳴りだった。歓声はもはや悲鳴で、海外の観客は熱狂というより発狂だった。

「NAMETARA!!IKANZEYO!!!!!」
「IMA NANJI〜!!!?」
「DAME!!DAME!!!DAMEDAMEDAMEDAME!!!!」

笑った。多くのお客さんは歌詞をマスターしていて、片言の日本語で叫んでいた。

もう、こんな衝撃は味わえないと思っていた。
30年間生きてきて感覚はいつも過去の焼き回し、感動は過去の二番煎じ。ライブの「参戦」も「熱狂」も「衝撃」も使い古された言葉でしかなく、距離を置いていた。
でも、このライブほど参戦がしっくりきて、熱狂の意味を超えた衝撃はいまだかつてあったのか?
この日のために、「衝撃」って言葉は取っておきたかった。

2日前、5日のSONISPHEREの余韻がまだ醒めない。BABYMETALは共演者のCARCASS、Anthrax、DEFTONESのメンバーらと接触したようで、またも海外の大物アーティストの鼻の下を伸ばさせていた。
全員、彼らの子どもくらいの年齢だろうか。我が子を抱くように目を細めていた。3人は“BABY”METALの身分を存分に発揮していた。

LondonのKentish Town駅から歩いて5分。BABYMETALのワールドツアーのヨーロッパ最後地点は、The Forumというライブハウス。
駅から「BABYMETAL」って単語を連呼する輩がいると思ったら、なんとダフ屋。会場前だけでなく、駅の出口で待ち構えている。さすが、ソールドアウトしたライブは違う。

オペラが開催されていそうな上品な作りの建物の周りを、マッチョメタラー、コスプレの女の子、顔面ピアスだらけ、美男美女カップル、骸骨パーカー、親子連れ、女の子集団、タトゥーメタラー、神々が取り囲む。
一体何のパレードなんだ?と知らない人は首を傾げるだろう。YUIMETALとMOAMETALのコスプレは西洋人に似合うし、神々のコスプレは意外性ありすぎて風景に馴染まず、強烈なインパクトを残す。
外見の振り幅が大きい集団は列をなし、その長さは100メートルは超えていたと思う。歩いても歩いても最後尾になかなか辿り着けない。
開演前の待ち時間、誰かがBABYMETALの曲を流し始めた。人々は時折歌ったり、踊ったり。『ギミチョコ!!』が流れるとその周辺全体が小刻みにリズムを取り始めるし、列が進むと「YUIYUIYUIYUI〜!!!」って奇声を上げて歩き出す女の子がいた。
幾つかのメディアがお客さんの写真を取り、インタビューしていた。この人たちはどこでどうやってBABYMETALを知ったのか。その答えは簡単に言うとインターネットなんだろう。楽曲もライブ映像も、遠く離れた異国の地ですぐさま共有できる。フライト時間も時差も通貨両替も必要ない。日本とイギリスがこんなに近く感じたのも、すべてYouTubeやFacebook等の力といってもいいと思う。
この日、さらに世界を繋げていた。ライブビューイングでZeppTokyoにて日本時間深夜4時にリアルタイム、その後全国、世界各国の映画館で時間差で上映される。
一体、キャパ数は幾らなんだ。アリーナや武道館とはまた別の計り知れないスケールで、世界中の人々が同じライブを共有できる。

ついに開場する。待ちわびていた観客は、会場に入るとすぐ物販に飛びつく。最前を目指す。飛び跳ねている人もいた。ガタイが大きいから着地するたびに振動する。
The Forumの内装は中世的。壁に騎士・馬が描かれて高貴な雰囲気で、ここでメタルをやっていいのか心配してしまう。
開演20分前になるとざわめき始め、BABYMETALコールが始まる。「ベビーーーメタル!ベビーーーメタル!ベビーーーメタル!ベビーーーメタル!」その声の大きさは日本の比じゃない。ステージの白い幕に沢山のフォックスサインが影となって映り、影絵を楽しむ人もいて場内は爆笑の渦に。時折、会場内BGMのメタルに合わせて合唱。テンションが尋常じゃない。

場内が暗くなると、怒号のような歓声が会場を揺らす。地鳴りだった。それは音楽を掻き消すくらいの勢いで、BABYMETALをどんなに待ちわびていたか嫌でも分かる熱量でしかない。
ワールドツアー用のオープニングムービーが流れる。隣にいた女の子は何度も悲鳴を上げていた。「遠い異国の地のアーティストがついに我が国にやってきた」そんな切望感を匂わす悲鳴は涙に変わる。ふと目をやると泣いていた。あの、まだメンバー出てきてないんですけど……
ナレーションがメタルレジスタンスの始まりを告げる。
「Now is the time to join the METAL RESISTANS......」
雄叫びしか聞こえない。
「イェーーーーー!!!」
「ホーーーーーーーーーーーウ!!!」
「ギャーーーーーーー!!!」
ここはジェットコースターなのか。映像ですでにテンションが最高潮。メンバーが出てきたら一体どうなってしまうんだ。

そして『BABYMETAL DEATH』のイントロが空間全てを切り刻むように鳴る。同時に白い幕に3人のシルエットが浮かび上がる。
やがて幕が降ろされて、メタルレジスタンスがスタート。
その瞬間、いまだかつて聞いた事のないような大きな歓声が鳴る。それはもはや悲鳴。耳をイカれさせてくる。隣の女の子は「オーマイガ!オーマイガ!」と叫んでいた。正しくは「オーマイキツネゴッド」だろう。その歓声の凄まじさ、『いいね!』が始まった時なんて演奏の音が掻き消されるくらいだった。
間奏で「UK!」をコール&レスポンス。UKときたらUKIUKIなのか、次の『ウ・キ・ウ・キ☆ミッドナイト』が始まる頃日本時間はちょうどミッドナイト4時頃か。深夜の日本に思いを馳せてしまった。

神々の超絶ソロ演奏後、物悲しいピアノが鳴り止んでSU-METALソロの『悪夢の輪舞曲』。憑依していた。時折後光が差し込む。シルエットが浮かび上がる。あのさこれもうさ、アイドルって呼んでいいんでしょうか。演奏も歌も爪で引っ掻いてくる。かっこよすぎて倒れそうだった……
その目は覚悟を決めた、運命を定めた女の子でしかない。いつの間にか世界的アーティストの仲間入りを果たし、世界中の人々が認知するボーカリストとなったSU-METAL。羨望の眼差しで彼女を見る女の子たち。カリスマとして崇められる日は決して遠くないのでしょう。
間髪入れずにYUIMETAL&MOAMETAL=BLACK BABYMETALの『おねだり大作戦』。あのさこれもうさ、マッチョメタラーが「KATTE!KATTE!」って叫んでたり、タトゥーメタラーが 「CHODAI!CHODAI!」って飛び跳ねてるんで作戦大成功って事でいい?

BABYMETALはMCが無い分、ライブに代わり映えがないという意見を聞いた事がある。それは実際に生でライブを体験していない人が言っていた。ここに来れば分かる。楽曲数が少なくてもMCがなくても、毎回新鮮な興奮を与えてくれる理由を体感できるはずでしょう。

『Catch me if you can』はおなじみ神々の超絶ソロプレイが始まり、「オイ!オイ!オイ!オイ!」コールが止まない。メンバーが入るところまで、BABYMETALが7人編成のグループである事を証明してくれる。バックバンドなんかじゃない。ギターの神、ベースの神、ドラムの神全員が主役。3人がいなくても歓声は変わらない大きさ。
でも、MOAMETALがSU-METALの足下からひょっこり顔を出す時の「ウヒョーーーーー!!!」って悲鳴には敵わない。テンションMAXポイントが皆、分かっている。
ロンドンの観客のテンションは天井知らず。衰える事一切なく進み、それどころかますます上がっていく。『紅月』の冒頭、切ないバイオリンの音色が轟く中でリズム完全無視で手拍子が始まる。SU-METALが「アカツキだーーーっ!!!」って叫ぶと煙が吹き荒れてまた客席が荒れまくる……

そして『4の歌』です。日本の中学生の女の子二人が遊びで作詞・作曲したという曲がここまで海外の人々を狂わせている事はもっと話題になってもいい。コワモテの外国人 が「YO YON!」って中学生と一緒に歌うんですよ。破顔一笑どころか破顔万笑。こんなにかわいくてシュールな場所、他にあるんでしょうか。

曲が始まるごとに地鳴りのような歓声が轟く。この日の『メギツネ』は格別だった。パフォーマンスも演奏も歓声もすべてが一体となって押し寄せてくる。「キ〜ツ〜ネ〜♪キ〜ツ〜ネ〜♪」の間奏から、「ソレッソレッソレッソレッ♪」と盛り上がってくるところまで、何度聴いても全身の血管が浮き出そう。かっこよすぎて我慢できない。
同時多発的「NAMETARA IKANZEYO!」
そのまま『ド・キ・ド・キ☆モーニング』と続き、3人が一斉にお立ち台の上で倒れるので、背の高い人ばかりいる会場でも見やすい。その配慮に感動する。
同時多発的「IMA NANJI〜?」

そして『ギミチョコ!!』でちょっとしたアクシデントが……
冒頭、MOAMETALが床にしゃがみ込んでしまう。この熱気の渦でぶっ続けで踊ってるせいか、疲労が見えていた。それでも一瞬で持ち直し、時折笑顔を見せて最終的にはコール&レスポンスで「I can't hear you!」って煽る。
そのプロ意識、根性に泣きそうになった。決してかわいいだけで済まされない、かっこいいのがBABYMETAL。3月、日本武道館でYUIMETALがステージから転落した時も、その後の全速力でステージを駆け抜ける姿に涙が出た。弱みを見せない。繊細さを出さない。ただ、完璧なショーをやり遂げる。中学生〜高校生である事を何度も忘れる。
この日のMOAMETALの全力疾走には釘付けになった。表情をころころと変えて、最も“アイドル”らしい佇まいで人々を魅了する彼女。ライブ終盤ではその表情のバリエーションが少なくなってくるが、「なにくそやったるーーー!」って根性が垣間みれる。笑顔がこんなにかっこよく思えるなんて、BABYMETALが初めてだ。アンコールで鳴り止まない「We want more!」って歓声がもはや「MOA!」にしか聞こえない。

※(追記です)後々、コメント等ご意見で教えて頂いたのですが、MOAMETALはステージのバミりに足を滑らしたそうです。ホッとしました……大半が僕の妄想になってしまいました。笑

野太い「We want more!」の声は暗転してようやく収まる。
アンコールは『ヘドバンギャー!!』。一人で来ている大人しそうな10代の男の子が狂ったように首を振る。その『BABYMETAL DEATH』と背中に書かれたTシャツは、わざわざ日本から取り寄せたんだろうか。一人で来ているので、学校では一緒にBABYMETALに熱くなれる友人はいないのかな。開演前、携帯も見ずにずっと会場内を見回していた。落ち着かない様子で手を擦っていた。隣の女の子集団、何度も「KAWAII!!!」って連呼していた。背丈もファッションも近くて、みんな学校の友達なんだろうか。仲良さそうで、開演前もずっとBABYMETALの事を語っているようだった。
7才くらいの少年と、そのお父さん。我が子の趣味に付き合っている様子だった。YouTubeには小さな子どもがBABYMETALの映像を観て踊り狂う動画が数多く存在する。その片鱗をかじったような風景に和んでしまう。
それぞれにドラマを感じる。それは日本でもイギリスでも変わらない。BABYMETALがそこにいると、全員同じに見えるのです。

そして最後は『イジメ、ダメ、ゼッタイ』。先日のSONISPHEREと同じく、冒頭に映像 が。先ほどから何度か映像出しのタイミングをスタッフが間違ったのか、フライングVのカットが見え隠れしていた。
語りがすべて英語になっていて、ウォール・オブ・デスを促す映像に真っ赤な文字で映し出される「No more bullying forever」という言葉。雄叫びを上げる人々。とんでもない事が始まる予感しかしない。そしてSU-METALが咆哮を上げる。YUIMETALとMOAMETALがステージの端から端まで全力疾走する。
英国のウォール・オブ・デスを目の当たりにした。ここに巻き込まれたら下手したら死ぬ。モーセの十戒の如く客席中央に空洞が生まれ、そこに目がけて人と人が全速力でぶつかり合う!
二階席の観客も総立ちし、その景色をカメラに収める人もいれば、拳を上げる人もいる。その映像は後々YouTubeにアップロードされるのだろう。インターネットも現場も全部一緒になってる。目の前ではおっかないアクションが行なわれる。物凄い光景だ。何度も聴いた事のある、味わった事のある興奮なのに、初めて出会ったような感動が押し寄せる。それにしても……

「DAME!DAME!!DAMEDAMEDAMEDAME!!!!!」

これもう、かわいすぎる。
コワモテのメタラーも美少女も親子連れも、ここでは違いが分からない。片言の日本語で叫んでいるんだから、かわいい以外の何者でもない。
『BABYMETAL DEATH』でDEATHが「です」、『Catch me if you can』でサークルモッシュが「鬼ごっこ」、『イジメ、ダメ、ゼッタイ』でウォール・オブ・デスが「かけっこ」。
おっかないものすべてをBABYMETALの3人が「かわいい」に変換している。その光景は海外となるといつも以上にギャップがあり、シュール。壮絶な光景と笑ってしまうような可笑しさが混在する。相反する二つがドッピングし、より美味しい効果をもたらしているのです。

「We are!」「BABYMETAL!」「We are!」「BABYMETAL!」「We are!」「BABYMETAL!」
最後、お決まりのコール&レスポンス。会場がフォックスサインで包まれて、「3、2、1!」とSU-METALがカウントし、ジャンプをすると大量の銀色のテープが舞い上がる。
その後、YUI&MOAがイギリス国旗 色のBABYMETALフラッグを持って挨拶するが、歓声が大きすぎて聞き取れず。いつもの「See You!」ははっきり聞こえた。足をくいって上げるところがかわいらしい。
3人の表情は一つ大きなものを達成したように清々しく、美しかった。

3月、日本武道館で急遽告げられたワールドツアー。そのヨーロッパ編の最終地・ロンドンのBABYMETALワンマンライブは特別に凝った演出も仕掛けもなく、どストレートの直球勝負だった。
観客は発狂に近い熱狂。泣き出す女の子の存在。男女年齢問わず世界中の人々に愛されていく。あまりのホームっぷりに一体どこが本拠地なのか分からなくなる。
初めてBABYMETALを知った時、動画が海外向けに作られていたのも、Twitterのアカウント名がBABYMETAL_JAPANである事も、全 部意味があったのか。すべてがこの日、この後の展開のためなんだと。“メタルレジスタンス”第二章、あまりに刺激が強すぎる。
この日のライブはワンマンだけあり、賛否両論の賛しか感じられない。YouTubeでいうところの高評価しか得られない。
世界のBABYMETAL、そのスタートを少しでもかじる事ができてよかった。


終演後、興奮さめやらぬ人々が会場前で盛り上がっていた。まったく疲れを知らない。

BABYMETALの3人の真似をする人、熱く語る人、飛び跳ねている人。皆、日本で生まれたグループに魅了されていた。

さらに、大勢で記念写真を撮っていた。「We are!」「BABYMETAL!!!!!」って叫び、それはKenitish Town駅まで至るところで行なわれていた。
BABYMETAL唯一のライブ中の言葉が、もはや写真の掛け声になってしまっている。
「We are!」「BABYMETAL!!!!!」動画(インスタグラム)
これはまたヨーロッパに来るしか方法はない。
むしろ、この人たちが日本まで観に来る事も珍しくはないのでしょう。ここまで発狂して泣いていたんだから、我慢できるはずがない。

世界の垣根を超えて活躍するBABYMETAL。そして、ついにあの人が観に来ていたという。


ダメジャンプ(からのー!)Xジャンプ!!!!!

この先、どうなっていくのか。これ以上はあるのか。ないのか。いや、これ以上しか感じない。
この日、BABYMETALの真髄を初めて知った。今後もっともっと、知らないBABYMETALを目撃していくのでしょう。


2014年7月7日 BABYMETAL@The Forum(London)
【セットリスト】
01、BABYMETAL DEATH
02、いいね!
03、ウ・キ・ウ・キ☆ミッドナイト
04、悪夢の輪舞曲
05、おねだり大作戦
06、Catch me if you can
07、紅月
08、4の歌
09、メギツネ
10、ド・キ・ド・キ☆モーニング
11、ギミチョコ!!
(アンコール)
01、ヘドバンギャー!!
02、イジメ、ダメ、ゼッタイ

3 件のコメント:

  1. お疲れさまでした!!とてもよかったです。

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  2. 今さらですが、現場のたのしさを思い出して涙しました!
    We are babymetal \m/と叫ばずにはいられません!みなさんありがとうcu !

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  3. いやいや、文章がうまくて感激しました

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