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2013年2月13日水曜日

たけうちんぐ日記 2/13 -ちんぐ死す-

2月13日(水) 「ちんぐ死す」

3時間くらい死んでた。
この写真のように、上映、ライブ、トークすべてを通して僕は死んでた。

新宿ネイキッドロフトで『ちんぐ死す』が開催された。
出演は笹口騒音ハーモニカ、映画評論家の森直人さん、映画監督の山戸結希さん、SPOTTED
PRODUCTIONSの直井卓俊さん。直井さんから「ちんぐイベントやろう」って話を持ちかけて頂いた際、「僕のイベントでお客さんは来るのか…?」と不安しかなかった。そこで「だったら、たとえば僕が死んだら少なくとも友人くらいは来てくれるんじゃないのか」と思いつき、死んだ。だけど結果、友人はほとんど来ることはなかった。ある意味、死んだ。それでも、ありがたいことにたくさんのお客さんに恵まれた。
ステージの椅子に座ってぐったりする。トマトケチャップで口元に血を塗りたくる。目を瞑る。これが死。開場前からずっと音しか聞いていない。時折目の前で写メ音が聞こえる。何撮ってんだ。視覚を一切失ったこのイベントでは、監督した映画『新しい戦争を始めよう』の上映中は劇中の自分の不安定な標準語が際立ち、その後の笹口騒音ハーモニカのライブでは「竹内くぅぅん!!!どうしたのぉおおお!!!?」という突然の芝居声が聞こえてビビる。彼を撮影せずに体験するライブは初めて。しかも死んでるし。このライブがやたらと素晴らしく、撮っていないときにこれとは…と悔しがる。『NEW WAR(IN THE NEW WORLD)』がキレキレで凄まじく、嬉しかった。死にながら。
『もはや平和ではない』『東京駅』『New Music, New Life』『NEW SONG(IN THE NEW WORLD)』と、映画になぞったセットリスト。
MCでは時折泣きの演技で本当に僕が死んだようにしてくれた。
「この曲は…竹内くんも…好きって言ってくれた曲です…ううっ……、はいっ!」
切り替わり方が残酷だった。

森直人さん、山戸結希さん、直井卓俊さんのトークでは僕の撮影したライブ映像(ガール椿、チッツ、うみのて、神聖かまってちゃん、大森靖子など)を見ながら、生前の思い出と、カメラマンとしての分析を繰り広げる。山戸さんはタケウチルドレン長女として出演。「皆さん父上のファンだと思いますが」「今日は父のバーター出演なのに」と父連呼。そしてこの人の映画同様初見の人はだいたい引き込まれるであろう、山戸節トークを展開。
森直人さんが雑誌『映画秘宝』の2011年ベスト映画に挙げてくださった、うみのての『もはや平和ではない』のライブ映像について。
「映画の教科書なんかを読んでると“カメラとは銃の比喩でありパルスである”と書いてありますが、特に実感とかはないんですね。小さい頃からテレビとか映画とか垂れ流し的に観てるので、カメラのこととか感じることはなかったんですが、うみのてのこの動画の最初の笹口さんのギターを捉える映像を観たとき、本当にカメラは銃だしパルスだし、血肉が通ったものであることが実感できたんですね」
ありがとう。父は安らかに死ねますわ。
「まるで挿入が激しすぎて膣の奥に当たっちゃってるピストン運動のような…」
思わず生き返りそうになったわ。
森直人さんの分析はありがたく、この日のトークを録音した音声はずっと大切にとっておこうと思った。
映像は何のためにあるのか。
それが、YOUTUBE動画が身近な存在となり、個人撮影のアップロードが一般化した現代においてより明確になったんではないかと思う。そこで起きている事実、感動、衝撃はこれまでは文章や絵で表現されてきた。だが、いまや誰もがかわいい猫や犬の映像からデモや津波の映像まで、瞬時にして世界中に伝えることができる。
ライブの映像が自分のフィールドである。
はっきり言って動画というものは、現地で流れている衝撃には程遠い。だけど動画にしかできないことはある。編集により、歌詞を入れ、バンドの一番良い部分を切り取れる。そして何よりも不特定多数の人に伝えられること。インターネットは何千、何万人が視聴する可能性がある。迂闊にどうでもいい映像をアップしてはいけない。
森直人さんは「竹内さんのライブ映像は作品だと思っている」と言ってくださったけど、やはり自分は頑なだ。自分にとってこれは作品ではなく、単なる伝達に過ぎない。無料のコンテンツであるし、完全に音楽ありきの映像だから。うみのての映像はうみのての作品、神聖かまってちゃんの映像は神聖かまってちゃんの作品だと思っている。
それにしてもだ。3時間微動だにしないのは非常に困難であることが分かった。2時間ほど経つと痙攣し始める。眠るわけでもなく動かないのは精神的苦痛を味わう。自分のイベントで何やってんだ、という気持ちになりながらも、映画『SAW』でずっと死んでたあのおっさんも大変だったに違いない、と共感した。

『SAW』のごとく、最後はむくりと起き上がる。チッツ、うみのて、神聖かまってちゃんなどこれまで撮影してきたライブ映像を流し、霊能者として復活。そこからいつものパフォーマンス+映像付き。何から何までアングラ感漂うイベントだったけど、最後の最後まで付き合ってくれたお客さんに本当に感謝です。そして、同じ時間にライブがあったのにも関わらず直前まで遊びに来てくれていたうみのてメンバー全員にも感謝。死んでたから来ていたこと知らなかった。
帰り道はトマトケチャップ臭かった。

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