たけうちんぐ最新情報


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2012年11月20日火曜日

たけうちんぐ日記 11/16-11/20

11月20日(火) 「VANASHI」
嘘も方便とは誰が考えたのだろう。その加減が知りたい。
物語がつく嘘は方便だし、映画はとてもメジャーでポップでスペクタクルな嘘をつき続ける。それに感動して流れる涙は決して嘘じゃない。嘘によって得たものは、決して嘘とは限らない。
夕方、上智映画研究会の部室にお邪魔する。初めて来た上智大学は偏差値という高い壁にぶち当たるかと思いきや、居心地が良かった。ビジュアル的に馴染めただろうか。ここで処女の革命が始まったのかとドキドキした。部室に入ると山戸結希が写メを撮ってきた。既視感がある。以前、バンドじゃないもん!のイベントでもいきなり写メを撮ってきた。長女、次女、三女でタケウチルドレン会。どこにも誰にも見せていない映像を見せ、むしろ自分が一番感慨に耽る。
その後、山戸さんに誘われておとぎ話と平賀さち枝のライブへ。
チルドレンたちが果敢に撮影に挑む姿を、偉そうに腕組んで後ろから眺める。これはカメラを持ってきてなかっただけだ。山戸さんは相変わらずぐらんぐらんとカメラを揺らしていた。撮っている姿を見ると、僕もすぐさま撮りたくなった。カメラを持ってきていなかったことが悔やまれる。
おとぎ話は『KIDS/クラッシュ』が出る以前、高円寺の円盤で売られていたCD-Rから聴いていた。当時、チッツの面々がよく聴いていた。あれからもう6年が経つ。変わらずギターの音が美しい。『COSMOS』は音が瞬きしていた。音が何も言わずに身体に溶け込んでくる。"おとぎ話"とは、まるで映画化されるためにあるかのようなバンド名だ。

11月19日(月) 「愛とは」
お隣さんのカップルがケンカ。女が泣きわめいて部屋から飛び出す。 
バン!というドアを閉めるどでかい音の後、カンカンカン!という階段を素早く降りる音。タッタッタッというアスファルトを走る小さな音。間髪入れずに男もバン!カンカンカン!タッタッタッ。まるでサウンドノベル的なノリで絵が思い浮かぶ。これはラジオドラマか。
そしてその後、ダンダンダンダン!という激しく階段を上る音が鳴り、ドーン!というドアを開けて閉める音が2連続。ドンドンドンと部屋を力強く歩く音。止まる。
「ふざけんなよ」という男の声。
仲良くしてください。
僕は一人部屋で編集している。開いたままのニコニコ動画の時報が流れる。「ふざけんなよ」の少し後に、「ニ~ッコニッコ動画っ!」と空気を読まずに大音量で流れる。ふざけてすみません。

11月18日(日) 新しい戦争を始めよう

長野の松本CINEMAセレクトで『新しい戦争を始めよう』の上映をしていただき、本作の上映がひとまず終わった。
今年3月から約半年間にわたって全国11館もの劇場で公開。映画をご覧になってくださった方々、映画館の方々、配給・宣伝のSPOTTED PRODUCTIONSの直井さんに感謝の気持ちでいっぱいだ。どどど素人の初監督作品がこれほど沢山の方の目に映画館で触れられるとは、数年前は思ってもみなかった。
『新しい戦争を始めよう』は常日頃からYOUTUBEを通して音楽を伝えようとする、自らの意思を込めて作った。夢を孕んでいるはずの東京が、不穏な世の中で次々と絶望を堕胎していく。上京して5年、色んなことがあった。「焼け野原」「グラウンドゼロ・トーキョー」と歌い表す笹口騒音ハーモニカ/うみのての世界観と、映画監督を目指して東京にやって来た自分の感じた「東京」を描いた。
SFというジャンルを借りた。もはやSFでしかない今の日本と、それでも平然と暮らしていく東京の人々に少なからず疑問を抱いていた。もちろん自分自身にも。未来よりも今日の飯、明日の予定、明後日のライブ、明々後日…。そこに危機感の共通認識は薄れ、手持ちカメラ2台のプライベートビデオ的作りで地上から眺めるSFを映し出そうとした。
刻一刻と迫りつつある死を、やはり震災後に痛感した。人はいつか死ぬ。必ず死ぬ。だけど、死ぬまで続けたいことは何なのか。そのときの僕には「伝える」ことだった。バンドなり、ライブなり、音楽なり、熱くなるものを即座に伝えることが続けたかった。
スペシャルサンクスに、この映画の制作に全く関与していない人の名を書いた。
映画学校時代、お世話になった担任の先生の名前を。
学費が払えなくて学校を辞めると決めたとき、先生と一緒にファミレスに入った。「俺がもっと売れっ子の映画監督でお金がたくさんあったら、竹内が辞めるのを止められたのになあ」という言葉を、おごってもらったオレンジジュースをすすりながら聞いた。ずっと覚えてる。挫折を決めた日、最も親身になって話を聞いてくれたからこそ。
先生は生徒からも職員からも頼られている存在だった。僕にとってもお父さんみたいな人。辞めてからも飲みの席に誘われては、僕の近況を興味深く聞いてくれた。そんな人が、自ら命を絶とうとは思わなかった。その知らせをメールでもらったときは電車の中だった。人目もはばからず、涙がとめどなく流れた。悔しさなのか、悲しさなのか。僕には、先生の死を受け止めるために備えられた感情は用意されていなかった。
どうして?終点の新宿駅に着いても足が動かない。突然のことで目の前がすべてぼやけた。また一つ、東京は絶望を堕胎させた。震災後、薄暗くなった街の中で。
『新しい戦争を始めよう』は決起の映画だ。
これからも見えない病気、見えない敵と闇雲に戦うことになる。それを世間では「鬱」「放射能」「絶望」という言葉に置き換えられている。たとえカメラでなくても、手放さずに掴みたい物はこの世に確実にある。それを今後も見つける意思表示を、放射能にまみれた現代で共通認識として提示したかった。
使用したビデオカメラは今でもライブ撮影に使ってる。これはある映画監督の遺品を使わせてもらっている。劇中、笹口騒音ハーモニカが倒れた人のギターを奪い、死んだ僕のメガネをかけたように、誰かが遺したものを受け継いでいかなければならない。
それは先生の遺したものだって同じ。
亡くなってから、先生の奥さんのブログを読んだ。
そこには、ペットの犬と散歩する生前の先生の写真があった。先生はたしかに生きていた。確実に芝生の上に立ち、確実に犬の首輪を引っ張り、確実に、確実に晴れた空の下を歩いていた。先生は見えない病気と戦っていた。それを支える奥さんの苦悩がブログには記されていた。
僕はですね、先生。
今、ライブ撮影ってのをやっていまして、映像をYOUTUBEにアップしてるんですよ。そのバンドが有名になったりして、で、今もまたグッとくるバンドを有名にするために撮ってまして。
で、今回初めて映画を監督したんです。
つまらなくてつたないかも知れないけど、映画を監督したんです。
先生にも見せたかった。本当に本当に、見てほしかった。
僕の東京のお父さんにスペシャルサンクス。
人はいつか死ぬ。必ず死ぬ。
だけど笹口騒音ハーモニカが歌ってる。
「さあ、僕ら 新しい世界を作るのさ 誰かの誰かの生と死の上に 誰かの幸せと不幸せと痛みと悲しみの上に」
新しい戦争を始めよう。

11月17日(土) 「少年よ大人になれ」

早朝から待望の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・Q』をワーナーマイカルシネマズ新百合ヶ丘で。
自分なりに考察した。
この映画は、酒と風俗の話だ。大人の階段を語っている。
以下、ネタバレ含む。
前回の『破』であれほど葛城ミサトに「行きなさい!己自身の願いのために!」などと促されたのにも関わらず、サードインパクトを起こしたことで「エヴァにはもう乗るな」と周囲から言われる。14年の眠りから覚めた碇シンジは、あれほど乗れ乗れ言われていたのに、いつの間にか乗るなと言われれ、「自分は何をしてしまったのか?」と苦悩する。
これは明らかに、二日酔いの心境です。
酔っ払ってる間、自分は一体何をやってしまったのか?飲め飲め言われて飲んだのに、もう飲むなと言われる。『破』のラストは飲み会だった。ミサトも酔っ払って一気コールするかのごとく「行きなさい!」と言うし、赤木リツコも酔いのあまり解説を始める。そして勢い余って綾波レイに告白したのに、レイは『Q』では全然覚えていない。彼女も酔っていたので記憶が無い。もはや『破』のラストで流れるのは『レッドブルをください』。酒とレッドブルを一緒に飲んで酩酊状態の末、シンジはとんでもない失態をおかしてしまった。それがサードインパクト。「もう酒だけは飲まんといてください!」と友人の妹にも言われるほど。地球人口の大半が死滅するほどの失態をおかしたシンジの翌朝の気分は『ハングオーバー!』に近い。
そして、渚カヲルという友人ができる。酒の失敗に落ち込むシンジに、彼は優しく「二人で一緒に抜きに行こう」と大人の誘いをする。
これがシンジの風俗デビューである。
しかし、あれほど積極的に誘っておいてカヲルは風俗店の前で躊躇う。「これは…違う…」と、思っていたものと違う風俗嬢を前に萎え始める。しかしシンジにとっては初めての風俗。ここまで来たら引き下がれず、「抜こうよ!」と意欲バリバリだ。カヲルは「やめておこう」と促すが、それでもシンジの裸を前にしたリビドーは止まらない。女の子二人も「バカというか、ガキね!」と呆れ気味にシンジの童貞喪失を食い止めようとする。
しかし、結果的に抜いてしまったシンジは昇天。それは、なんだかとんでもない映像で表されている。 その後はやはり抜いた後なので腑抜け状態になり、アスカに「ちゃんとしなさいよ!」と叱られる始末。
そんな大学生の失敗談がこの度、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・Q』として映画化された。
当然、悪ふざけで考察しているけど、こういった大人の階段を描くのは少なからず庵野秀明監督の意識下にあったのではなかろうか。14年経ってもいつまでもあの頃のままのエヴァファンに向けて、痛烈に現実を見せた作品だからこそ。
少年たちに「大人になれよ」と厳しく言い放つ、酒と風俗の話だと僕は思った。
夜、ガール椿のイベントで下北沢CaveBeに霊能者パフォーマンスで出演。さっそくエヴァネタで攻めた。渚カヲルに股間を狙われるといった内容だったけどそれほど反応がなかった。

11月16日(金) 「ドッチデモナイネ!」
小学生の頃、クラスの男の子が女の子にいじわるするのを見て、「女の子には優しくせなあかんねんで!」と叱ると、「なんでー?」と言われて、「女の子は将来子ども産むから優しくせなあかんねんで!」と答えたら、「みっちゃんエローい!」と返されたことを思い出して頬杖ついてる。
「みっちゃんエローい!」と叫んだ子の中に、Facebookで再会した地元の友人がいる。自営業の自動車メーカーで働く彼は、お父さんのあとを継いで立派に社長になっていた。いつも「イイネ!」ボタンを押してくれる。君こそがイイネ!だ。まっすぐに生きて、まっすぐに暮らしている様子がヨスギルネ!と。思えばこの子に初めてエロを教わった。エロ本を読ませてくれた。おかげで僕もまっすぐに男として成長した。
Facebookに「ヨクナイネ!」ボタンがあればトラブルになるのだろうか。訃報に「イイネ!」する人よりはマシか。本当にいるらしい。

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