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2012年1月1日日曜日

マーライオン@元旦の吉祥寺から井の頭公園へ

2012年の始まりは、マーライオンから。元旦、吉祥寺の街と井の頭公園にて、彼が歌いながら歩く姿を撮影しました。

年末年始、ツイッターで「マーライオン」を検索すると「忘年会でマーライオン」「新年会でマーライオン」などと出てきてマーライオン大人気でスゴイなあと思っていたけど、どうやら飲みすぎて吐いたという意味らしい。
ちなみに普段でも検索すると「マーライオン生で見た!すげえ!」「マーライオンと記念写真」などと出てきてマーライオン大人気だけど、シンガポールで旅行しただけらしい。

全くのノープランで、打ち合わせなし。やることは1シーン1カット、miniDVテープ63分をノーカットで撮影することのみ。歩くルートだけをあらかじめ決めて、あとはマーライオンのいつものライブの調子で歌い、語ってもらう。若干19才にして彼の自由自在っぷりにはいつもニヤニヤさせられる。「キングオブ前座」「人々をニヤニヤさせたい」という二つのテーマがしっかりとあるからこそ、どれほど言葉を噛んだりグダグダしても、なぜか土台は揺らがない。常に前座の王座を狙っている野心を抱いているし、自主企画『月曜日からニヤニヤしようよ』を頻繁に行なっているだけあって、ライブではこちらもニヤニヤさせられてしまう。
それでも撮影前は緊張し、井の頭公園のトイレに二度入るマーライオン。彼は下北沢の路上でライブをやった際、見知らぬおばちゃんに「死ね!」と言われたことがあるらしい。吉祥寺はどうだろう。彼の心配は拭いきれなかった。
スタート地点の神社に着き、参拝客が並ぶすぐ傍で、程よい緊張感の中で撮影が始まる。

『岡本太郎の絵の前で』を神社の前で演奏し、「失ったものが多すぎる!」とアコースティックギターをじゃかじゃか鳴らしながら横断歩道を歩く。ただ、歩くスピードがあまりにも速い。時間配分としてはラスト地点の井の頭公園へは残り10分あたりで到達したいが、30分で着いてしまった。このあたりの予想外の展開は半ば期待通りでもある。グダグダになり、手持ち無沙汰になる姿も彼のライブのワンシーンだ。
「いつもカメラの前だといい格好をしてしまいがちなので、カメラを敵だと思いたい」
撮影前、マーライオンはかっこいいことを言っていた。だからなのか、高圧的な態度で「竹内はどうなんだ?」「次に入る路地はどこだ?」「この道でいいのか?」「最近ニヤニヤしてるか?」などとカメラに尋ねてくる。どういう会話なんだ。でも、このような関係性が妙な空気感を与え、ありのままのマーライオンを映すことができたかも知れない。とにかく道に迷いすぎだ。
途中、何を思ったのかマーライオンが急に走り出したり、警備員の方に注意されたりとあったけど、これこそが外で演奏することの醍醐味。反原発デモに遭遇し、何も演出しなくても時代性が映り込む。街全体がノーギャラで参加してくれてるような錯覚に陥る。ライブはライブハウスだけで起きるのではない。ありのままの日常を歌うマーライオンの楽曲が、日常に溶け込む。元旦はある意味、非日常に思われている。「一年に一回しかない」と言われるけど、365日、どの日も一年に一回しかない。それでもみんなが口を揃えて「おめでとう」「ハッピー」と口を揃える特別な日、ニヤニヤしがちな日に、彼の『ニヤニヤevery day』は効いた。
結果、「元旦からニヤニヤしようよ」といったマーライオンの気持ちが伝わった気がします。誰も彼を見ていなかったけど。

こういった撮影を初めてやってみてよく分かったことは、いかに撮影が通行の妨げになり、演奏が騒音になるかということでした。マーライオンだけではなく、誰がやっても、通行人の方にとってはほとんど一緒だと思う。
それでも吉祥寺の方々が優しく、温かい。誰一人として怒鳴る人はいなかった。お正月の雰囲気もあったと思う。東京で最も住みたい街に選ばれるだけある、素敵な街だ。外聞だけでなく実際にやってみて、それを痛感できたのが一番の収穫かも知れない。
あと、マーライオンが新しく組むバンドのギター・入江君が誘導などをサポートしてくれたことが大きい。演奏者、カメラマンだけではさすがに難しい撮影でした。感謝です。

マーライオンは、言ってしまったら音程もメガネもたまにズレるわけで、人によっては「なんだこれは」と思うこともあるかも知れない。でもどうだろう。彼の歌は彼にしか歌えない何かがある。誰でも分かる言葉で誰にでも分かる感情を歌う。そして状況説明があまりにも丁寧だ。奇をてらった個性を作る様子もなく、ありのままの姿で個性が爆発している。こういう人はなかなかいないと思う。しかもまだ10代だ。年齢は関係ないか。ライブでのしっちゃかめっちゃかにもなるMCも、今まで味わったことのないニヤニヤがある。

YOUTUBEでアップした動画に低評価がついたとしても、なぜかしっくりくる。それをネタにできる。むしろ逆風を利用できる。それは強いと思う。「どんまい」と一言だけ書かれたコメントだって味になる。自分を叩き台にして曝け出して表現するのは簡単なことじゃない。批難されると誰でもヘコむ。勇気と負けん気根性が必要だろう。誰かにバカにされようが、全部それを利用できる。バカにした方が、助けている。何を言われても、心の中でニヤニヤしていればいい。そう、いじめられっ子は大きい器であるべきだ。暗闇の中でこそ、光は輝いて見える。卑屈と劣等感を全部武器にしろ。マーライオンはそれを教えてくれる。これこそが、彼の最大の個性だと感じる。
騙されたと思って、一度ライブを観てみてほしいです。騙されるかも知れないけど。

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