たけうちんぐ最新情報


⬛︎ たけうちんぐと申します。ライターと映像作家をやっております。 プロフィールはこちらをご覧ください。
⬛︎ 文章・撮影などのご依頼・ご相談はこちらのメールアドレスまでお気軽にお問合せください。takeuching0912@gmail.com
⬛︎ YouTubeチャンネルはこちら→たけうちんぐチャンネル/Twitterアカウントはこちら→

2011年11月24日木曜日

うみのて@渋谷O-nest

うみのて、渋谷O-nest初上陸。無料イベント、viBirth×CINRA presents『exPoP!!!!! volume56』への出演が数日前に突然決まった。
開演前、明らかにメンバーではない人が映りこんでいるアー写が後方スクリーンに映し出される。なんとも脱力感のある写真であるが、ステージではこの日、その真逆のテンションが繰り広げられていた。

相変わらず懐かしのゲーム音楽が鳴り響く、うみのてのライブ直前。『星のカービィ』のカービィがギター・高野のマイクスタンドに吊るされていて可愛いことになっている。メンバーが続々と登場する。「お待たせしました。うみのて始めます」と挨拶し、ライブがスタート。

1曲目は『RAINBOW TOKYO』。「ワンツースリーワンツースリー!」とボーカル・笹口が叫ぶと虹がかかるかのように高野のギターの高音が美しく鳴り出す。「爆心地はトーキョー 焼け野原焼け野原 ここからどこえ 虹の中え 虹の向こうえ」と、まるでSF映画のようなスケールなのにどこか今のちっぽけな東京を思わせる。地獄絵図の後にはキレイな虹がかかるのだろうか。最後、ドラムと鍵盤ハーモニカだけが残る余韻がすべてが無くなった後のトーキョーを匂わせ、切ない。

ドラムのシンバルを調整するキクイに「ハリアップ」と呼びかける笹口。高野と共にギターをガコーン!と振り落とし鳴らすと、うみのての必殺曲『東京駅』が始まる。東京ソング2連続だ。
歌詞に登場する人物は、東京駅を自分の家だと言い張る男と、四角い部屋で生活する女の子。ホームレスと風俗嬢のことであることは容易にイメージできるが、はっきり示さないのがいい。「お前らなんか不自由だ」「外はみんな不潔だ」といったシャウトには鳥肌が立つ。ルサンチマンの塊だ。
曲が一旦ブレイクするところでは、まさかの談志の霊が降臨。「するってえとお前さん」と落語家のつもりだろうか、笹口が奇妙なポーズをとりながら喋り始める。「談志だけどさあ」と説明しちゃってる。いい具合に曲のシリアスな雰囲気をぶち壊し、更に空間を切り裂くように高野のギターが笹口の余興をぶっ潰す。この瞬間はうみのての見所の一つ。そして「キクイさんのドラムソロ!」という紹介により、ドラムソロ。この流れには、いつか客席が大暴れすることになるだろう。それくらい、モッシュやダイブが似合う。
暴れる笹口と高野の周りを、落ち着いたテンションで演奏する三人の構図がいい。激しく鳴る音の中に、鉄琴がピコンピコンとさりげなく聴こえてくるのがまた味なのだ。

そして、先日の灰緑とのツーマンで初披露したばかりの『もはや平和ではない』。「"笑っていいとも"やってる限り 平和だと思ってた」の後の「そーですね!」の高野の掛け声がやはりいい。元々は笹口騒音ハーモニカの楽曲にも「そーですね」はあるが、ライブでこの掛け声が聴けるとなると、バンドバージョンにする必然性を感じる。

「新人バンドのうみのてってバンドです。多分一番年上です、出演者の中で。新人です。お手柔らかによろしく」
笹口が半ば挑発的な態度で告げる。硬派なMCがこの日への意気込みを物語っているような気がした。談志のモノマネをした人とは思えない。
最後は『スーサイダルシーサイド』『正常異常』を立て続けに演奏。最後は演奏が若干荒々しくなるも、それこそがライブであり、ロックの醍醐味だ。キリキリとギターの弦が痙攣するかのように音が鳴り、真っ赤な照明に照らされたステージには終盤、神がかり的なものを感じた。「50年前に死んだおっさん」と「10年前に失踪したAV女優」が見えた。笹口の歌には様々な登場人物がいる。そいつらを踊って暴れさせる音楽が鳴っていた。
高野がギターを高く掲げ、笹口が何か(フラッシュウニ?)を客席に投げ込み、煙が上がったかのように盛り上がるステージ。すべてが終わった後、笹口が威嚇するかのようにステージ前方に歩み寄り、観客をアジテーション。
ライブ後の拍手と歓声が今までで一番大きかった。
うみのて、始まった予感がした。
このバンドはガチだ。間違いないだろう。

うみのて【東京駅】2011/11/24 渋谷O-nest


【正常異常】

0 件のコメント:

コメントを投稿