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2011年10月27日木曜日

前野健太@武蔵野公会堂

前野健太、約1年ぶりの武蔵野公会堂公演。

昨年の9月からはるばる、武蔵野公会堂に戻ってきた。今回はタテタカコ、高田蓮という強豪との共演。『TERATOTERA』という無料イベント。寺と寺ということは、高円から吉祥寺、ということなのだろうか。
ステージには大きなピアノがライトに照らされており、ライブハウスとは違い、武蔵野公会堂は相変わらず厳粛なムードを漂わせている。
まずは高田蓮。座ってアコースティックギターを軽快に鳴らす。居心地のよい音がホール全体に響き、秋の空気をしみじみと味わえる時間だった。

そして前野健太の出番。
いつものサングラス姿でステージに立つ。軽くセッティングをするとアコースティックギターを置いて、ピアノに前に座る。
『100年後』のピアノを弾き始める。マイクは一切使わず、ピアノだけの演奏。言葉はなくても歌詞が伝わる。低い音から高い音まで、長い年月が通り過ぎ、幅の広い季節を感じさせる。まさに100年後の世界だ。今のこの日本、世界の現状を考えると100年後なんて想像できない。
「100年後、君と待ち合わせ」
この言葉が美しく捉えられるか、空しく聴こえてくるか。昨年の9月とはまた違う感覚で聴こえてくるのだ。
沈黙の中、ピアノのイスから立ち、アコースティックギターを抱える。
「ちょっと、キザでしたね…」
さっそく笑いを誘い、会場が少しリラックスムードに。

「前野健太といいます。短い時間ですが、よろしくお願いします。なんか今日、タダ(無料)じゃないですか。なんでこんな緊張しなきゃいけないんですかね…」
ものすごく緊張しているらしい。それでもゆったりとマイペースにギターを鳴らし始め、いきなり「失楽園でヌイてた~」である。『18の夏』が始まる。
「今日、タダなんで…」としつこく無料であることで自らの緊張を解そうとする前野健太。客席から「ははっ!」と子どもの笑い声が聞こえ、「はは!って…」と前野健太も反応。そしておなじみのリクエストタイムを早くも始め、男性客から「友達じゃがまんできない!」と声が。「今日は男性の方は、ちょっと…」といじわるに応えて笑いを誘う。
「『友達じゃがまんできない』でよろしいですか?…千円になります」
更にいじわるを上乗せすると、またも子どもの「わかったー!」という声。「君はいいよ…」と優しく応える。
そしてまさかの『鴨川』へ。本当にいじわるです。

このイベントに設置されている募金箱に入れられたお金は直接福島へ届けられるらしく、「物販みたいなものもあるんですけど、まあ、あれは…とか言うと貧乏くさいんで。お金はもう、あるんですよ」と笑いを誘い、前野健太は終始和やかな雰囲気が続いている。

「『友達じゃがまんできない』でしたっけ?『モテキ』っていう映画があるんですが、そこで使われているみたいなんですけど。みんな夙川BOYSとか本人が出ているんですけど、俺だけ…カバー?でもナキミソさんっていう京都の若い人が一生懸命歌ってくれてるんで」
大根仁監督の映画『モテキ』では恵比寿リキッドルームで長澤まさみや森山未来がライブを観ているシーンで、京都のシンガーソングライター・ナキミソによる前野健太の『友達じゃがまんできない』のカバーが使用されている。確かに、本人が全く出ていなかった。

「ちょっとセクシーリバーブと、セクシー照明をお願いします」
前野健太が言うと、照明が一気にピンク色になる。「この会場の一番セクシーな照明を。あと、一番セクシーな拍手を…」などと注文すると、ますますピンク色に染まるステージ。『ファック ミー』を歌っている間にリバーブがかかり、「えっ?」と前野健太が反応すると会場は爆笑。「いいじゃん、タダなんだし」と演奏中に呟き、ますます笑いに包まれる。
最後はアコースティックギターの音がまるでエレキギターのような鋭さを放ち、曲の情景が浮かび上がる。
そしてそのまま『東京2011』。花の都でもない、なのに憧れの街・東京を歌う。
「今、灯りは消え 若者たちは去る」
実際、東京の街は震災後に節電のため、暗くなった。灯りは消えた。それでも若者たちは去らずに毎日電車に揺られ、友達と遊び、恋愛をして、仕事をしている。前野健太が言葉とギターで作り出す群像劇に自分自身も入れ込まれたような、そんな錯覚があった。東京に何かしらの感慨を覚える人であれば、この歌に思い入れさえ生んでしまうだろう。

「じゃあちょっと寒くなってきたんで、ホクホクする曲を。銭湯っぽいリバーブを。照明はセクシーでお願いします」
こうして『タワー浴場』へ。「タワー、タワー、タワー」の部分でコーラスをお客さんに促し、かなりの一体感が。
「最後は高円寺というか吉祥寺というか、どこでも通じる曲です」
 『あたらしい朝』へ。後半はお客さんの手拍子が鳴り、楽しい雰囲気で終了。と思いきや、アコースティックギターを置いてピアノに座り、『東京の空』をピアノを弾きながら歌う。ピアノでの演奏は初めて生で観た。最後にふさわしい余韻を残し、ステージ奥の白い壁にはピアノを奏でる前野健太の姿がシルエットで映し出される。
照明が落とされ、真っ暗闇の中で終了。

その後はタテタカコ。ピアノを弾きながら会場の注意事項を伝え、トイレの場所を伝えるのにも美声を轟かせ、会場はまた一段とリラックスされる。
1曲目は映画『誰も知らない』で知られる『宝石』。優しい声なのに強烈に突きつけられるものがあるボーカルが印象的。身近なことを歌っているようで、スケールが大きい曲の世界だ。

終演後、撮影として参加させて頂いたので打ち上げに参加。前野健太スタッフの上倉君と久々に会い、色々な話題に花を咲かせる。
この日のイベントは、それぞれのシンガーソングライターと一対一になれていた。座席指定と、天井が高い厳粛な雰囲気の会場からか、妙な緊張感が漂っていた。だけどそれぞれの出演者がMCで緊張を解し、曲だけでなくトークの面白さも伝わるイベントでした。

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