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2011年3月5日土曜日

映画『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』

映画『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』を初日初回に。

人類に絶望し、新たな生命体として作られたロボットたち。だけど、そのロボットたちにも競争本能というものが芽生え、人類と同じ道を辿ることになる。他人のものを奪い、他人よりも優越を望み、他人の地を侵略しようとする。
美少女・リルルと青い球体・ジュドも、人類を奴隷にするために地球に送られてきたロボットだ。労働階級からのし上がり、晴れて侵略計画の重要な任務を託された2体。しかしのび太たちと触れ合い、人間を知っていく。
リルルは人間を襲いに来たはずの自分を助けるしずかに疑問を抱き、ジュドはさらわれたドラえもんたちを助けようとするのび太に尋ねる。

ジュド「助けて、何の意味があるの?」
のび太「意味なんてないよ。友達だからだよ」

ロボットにはない友情、絆、愛を知っていく2体。あるはずのなかった感情というものが次第に芽生えていく。誰かを助け、思いやるという感情を。
しかし、そんな人間とロボットとの関係を切り裂く運命が訪れる。宇宙からロボットの軍隊が来襲し、ドラえもんの道具によって無人の世界へと誘導されたロボットたちとの死闘が始まる。
人間が誰もいない世界で、人間がいる世界への扉を死守するドラえもん、のび太、スネ夫、ジャイアン。たったの4人という絶望的な戦いと平行して描かれる、人類とロボットの未来のためにしずかとリルルのとった行動とは——。

1986年に公開された旧作をリメイク。奥深いテーマが尊重されたまま、笑いと感動がパワーアップして帰ってきた。庵野秀明に「俺はもう古い」と言わせた日本屈指のアニメーター・橋本敬史がビル崩壊や兵団との戦闘シーンを大迫力にリメイク。今だからこそ再現できる、壮絶な映像だった。
ジュドがドラえもんの道具により「親しみやすいルックス」に。青くてボウリング球みたいな奴が、ピッポという黄色くて丸いキャラクターに改変。このへんに旧作ファンからの賛否両論を予想していたが、旧作ファンである僕はあまりのこの可愛さに奇声を上げそうになった。上げなくて本当に良かった。
もともと黄色くて丸いキャラクターに弱い僕であるが、このキューティカルな姿には感服。劇場内にも子どもたちの「ひゃーかわいいよー」という悲鳴が上がっていた。

お約束とも言えるのび太のママの最強さ、ジャイアンリサイタル、そしてリルルのヌードシーンなどと見所満載。ピッポの存在により、スネ夫がおバカロボットの出番が少なくなったけど、そのこと自体がちょっと面白かったのでちょうど良かったように思う。
空気砲、瞬間接着銃などといったドラえもんの攻撃アイテムも心強く、無人の世界でロボットたちと戦うという設定が胸を熱くさせる。そして「ピッポと戦うのは、嫌だよ」というのび太のセリフが涙腺を刺激させるのだ。
ピッポのおかげで、旧作では描かれなかったリルルとジュドの関係もこの映画では回想シーンで描かれる。2体の関係と、のび太と仲間たちの関係。リルルは人間の持つ人を思いやる心というものを、あらかじめ持っていたのかも知れない。しずかの家でのリルルの会話に、小学生の頃に旧作『鉄人兵団』を初めて観たときのことを思い出し、懐かしさと切なさで胸がいっぱいになってしまった。

リルル「どうして助けるの?…人間は、分からないわ」
しずか「時々理屈に合わないことをするのが人間なのよ」

ラストシーンは旧作も強烈な余韻を残すものだったけど、この映画も相当な気持ちにさせてくれる。「優しい人でありたいな」と願いながら劇場をあとにした。
きっと、そんな小さな平和をたくさん生んでくれる映画なんだと思う。それが叶わなくても、ありえなくても、優しさに満ちていた。それだけで十分じゃないか。

そういえば、隣の席で観ていた親子。そのお母さんのほうが鼻水をすすっていた。子どもが見るような映画の劇場でグッとくるのはこういった光景だ。お母さんやお父さんはその映画にあまり興味がなくても、子どものために1時間半か2時間くらい映画を観ることになる。このお母さんが『ドラえもん』に興味あったかどうかは分からないけど、こういった空間に子どもへの愛を感じる。
自分も幼い頃は、両親にこんなことをさせていたんだな。そう思うと、映画館でのほんの2時間の出来事でも、特別のことのように感じます。

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