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2010年2月23日火曜日

神聖かまってちゃん@代官山UNIT

オシャレスポット・代官山でのK's JAPANプレゼンツのギター破壊イベント。対バンは、怒髪天、JAPAN-狂撃-SPECIAL、Limited Express(has gone?)。

「昨年のリキッドルームのDVテープを博報堂が貸してほしいようなんで」と劒マネージャーから電話があり、K's JAPANのサイトにもの子さんがギターを破壊する映像が掲載された。あのときのギターはの子さんがずっと愛用していたギターだけど、今回は"破壊用ギター"というものをK's JAPANが制作したらしく、そのお披露目イベントだった。
ライブハウスに入るとき、ラーメンを食べ終えたばかりの神聖かまってちゃんメンバーと偶然出くわす。の子さん以外。みさこさんは「開場時間まで私とランデブーしますか?」と、ちょうど入場しようと受付にいる僕に言ってきた。ちばぎんがこの日のイベントについて教えてくれた。
「金網が2メートルくらいあって、しかもビニールみたいなのがその上に張られてあって、客席が見えないんですよ。スタジオで練習してるみたいでした。なんで、今日あんまり動いたりしないです」
2メートル?
前情報では、1メートルくらいだと聞いていたけど、2メートルって一体。メンバー全員すっぽり金網に隠されるということか。"ギターの破片が飛んでこないように"ということらしいが、2メートルだなんて逆に安全すぎる。

ライブハウスに入ると、それはもうステージには巨大な金網が張られてあり、ステージと客席とが完全に隔てられていた。

イベント開始前にプレイベントが行われ、司会者が新商品"破壊用ギター"をプレゼンするような形で進行。フジテレビや日本テレビなど、多くのマスコミ関係のカメラが来ている。竹内カメラは来ていない。この日、イベントの都合で撮影が禁じられていた。新宿LOFTといい、最近はそういったことが増えてきた。なので、必死に目に焼き付けるしかなかった。
イルリメや、芸人の安田大サーカスといった名前の知れた方々がプレイベントを盛り上げ、怒髪天のメンバーがギターの破壊方法を伝授。
ここまで、神聖かまってちゃんが出る予感が一切感じられない。ほんとにこのイベントに出るんですか?と首を傾げたくなるくらい、場違いな雰囲気に思えた。いや、そもそも場違いではない場なんて今まであったのだろうか。
ちばぎんが「ほら、まちゃまちゃさん。インタビューされたんですよさっき」と教えてくれる。芸人のまちゃまちゃがMTVの番組で取材で来ており、神聖かまってちゃんも取材を受けたようだ。

プレイベントが終了し、本イベントの開始。第1発目の出演者は神聖かまってちゃん。

いつもの登場SE『夢のENDはいつも目覚まし!』が流れ、2メートルの金網の中でメンバーが入場してくる。これはやばい。まるで動物園の檻のようだ。特にmonoくんは完全に酔っ払っており、動きがもはや完全に動物、金網には"糞を投げてくる恐れがあります"と書いていてもおかしくはない。言い過ぎた。しかし、動物園だ。1月に彼らが出演したイベント名"動物園"をそっくりここに持ってきても良いくらいだ。
の子、第一声が観客に向かって「帰れ!!」だった。
いくら状況がいつもと違っても、変わらない彼らの姿がそこにある。むしろ不思議な状況を楽しんでいた。「向こう側がまったく見えねえ!」と、の子は状況のおかしさを笑っている。監視カメラで見ているかのような感覚にもなった。しかし客席が照らされたとき、「あっ、見えるようになった」とmonoが喜ぶ。そして手を振る。
の子は何度も「早く帰りたい」と言う。それに対し、一人のお客さんが「だったら帰れ!」とかなりロックな野次を飛ばす。の子、どう返す?とドキドキしていたら、「じゃあ俺と一緒に帰りましょう!」と突然のお持ち帰り発言。なぜかフゥーー!といった歓声が上がる。この日のの子は、何か良いことがあったのかな?と思ってしまうほど上機嫌だった。
その割には「昨日、1人で酒飲んで泣いてたんだよ」とも言う。まったくもって掴めない人だ。

1曲目から『いかれたNeet』は珍しい。最後に演奏することが多いというのに。
の子はまるで中学生の夏服のような白シャツを着ており、「ニィィーーートォーーー!!」と喉が張り裂けそうなほど叫んでいる。monoの酔っ払い度数はライブアクトに比例する。彼の動きが大きければ大きいほど、彼は酔っているということだ。

その次は『ロックンロールは鳴り止まないっ』。ビデオカメラで撮影することに慣れているせいか、最初のピアノからmono→ドラムが始まるとみさこ→ベースが始まればちばぎん→みさこ・mono→「昨日の夜」と歌い出すとの子という順に観てしまう。やっぱり、撮影しないで体験する神聖かまってちゃんのライブは新鮮に思う。

『夕方のピアノ』はいつも以上にメンバーが激しい動きをしているのが、金網越しでも分かる。メンバー全員、いつの日か、誰かに対して"死ね"という感情を抱いたことがあるのかも知れない。ちばぎんが特にそう思う。ちばぎん、「あんまり動かないです」と言っていたことがまるで嘘のように動いている。
昨年12月のリキッドルームでのライブでは、この曲での子が突然ギターを床に叩きつけて破壊した。誰もが驚いた瞬間だった。それは当然、予定調和ではなく感情の赴くままに取った行動という意味でロックに思えた。しかし今回、"ギターを破壊します"という大前提のイベントなのである。観客の"いつ、どのようにして壊すのか"という期待のハードルを持ってしまっている。そのハードルをどう抜けるのか。上に飛び込むか。下にくぐり抜けるか、まるで大喜利のような緊張感がある。
客層は当然、神聖かまってちゃんファンだけではない。
"JAPAN-狂撃-SPECIAL"と背中にプリントされた革ジャンを着ている、いかついニイちゃんもいるのである。このニイちゃんにも「の子、ロックだぜ!」と思わせることが求められているのだ。ちなみにこのニイちゃんにはイベントが始まる前にバーカウンターで足を踏まれた。「すいません!」とすぐに謝ってきた。めちゃくちゃいい人でした。

そして、ついにギターが破壊される。それは意外にも、ギターを一切使わない『黒いたまご』の演奏中だった。

曲の最後、ドラムが鳴り止み、男性メンバーだけが演奏しているときにみさこがドラムセットからひょこひょこと飛び出してきて、目にゴーグルを装着する。そして手には破壊用ギターを装備。ネックの部分を持ち、ギターを床に叩きつける。
ガシャーン。ガシャーーーン。ガシャーーーーン。ガシャーーーーーーン。
ところがギターは壊れない。先程のプレイベントの安田大サーカスのときも、巨体のメンバーが床に叩きつけてもなかなか壊れなかった。みさこであれば余計に壊れない。何度か叩きつけ、ようやくボディの部分が欠けた。
さすがにリキッドルームのときような衝撃もなく、驚きもない。それはやはり、誰もが壊すことを知っているからだ。
ある程度壊れた後は、の子にギターをバトンタッチ。昨年同様、床にギターを叩きつける。が、他の機材まで被害が及びそうな危険な動きをしていたため、劒マネージャーが急いで止めに入る。
予定調和な展開はとても"ロック"と形容できるようなものではないけど、強いて言えば、ギターを床に叩きつけてからゴーグルを装着したの子は結構"ロック"なのかも知れない。意味がない。
「あれ?俺が壊すって話じゃなかったっけ…?」
monoが戸惑う。どうやら予定調和ではなかったようだ。やっぱり神聖かまってちゃんはロックだ!(なんか違う)

最後は『ちりとり』。の子はギターを破壊した後、装着したゴーグルを金網の上にポーンと投げ、客席に飛び込んでくる。
この日の演奏は素晴らしかった。
過激なことも、衝動的なことも一切無い。ギター破壊イベントであるのに、普通にかっこいいライブをする彼ら。自覚はないと思うけど、こういうひねったところがまたたまらない。

神聖かまってちゃんのライブ後は、かまってちゃんのライブには必要不可欠な僕にとっての癒し系男子・森くんと「今日のは良かったね」と感想を言い合う。劒マネージャーはニヤニヤしながら会場を歩いており、「今日は最高でした」と独り言を呟きながらうろうろしていた。

JAPAN-狂撃-SPECIALのライブを初めて観た。
関西弁全開。「アホボケカス」が口癖のロックンロール。JAPAN-狂撃-SPECIAL目当てのお客さんが暴れまくり、よく神聖かまってちゃんの空気に耐えられたなあ…と思った。神聖かまってちゃんの客席はいつも大人しいため、この空気の違いには妙なギャップを感じた。だからこそ、JAPAN-狂撃-SPECIALのライブが余計に熱く感じた。
「今日はなんか、ギターを破壊しないといけないみたいで。お小遣いもらえるみたいやから、しゃーないから壊したるわ」
ボーカルが言い、ギターが破壊用ギターを手にして、破壊。このライブの勢いでいくとそのまま床に叩きつけるのがベタだけど、違った。なんとペンチみたいなものでギターの弦を1本1本切っていった。これはギャップ。惚れた。このバランス感覚。やっぱりギター破壊はある意味、大喜利なのかも知れない。

その後はちばぎんとみさこさんに、いつも通り思う存分身体を触られまくる。monoくんは楽しそうに女の子と一緒にどこかに姿を消してしまう。神聖かまってちゃんファンの方々と談笑する。物販コーナーのあたりで、見知らぬ方がちばぎんやみさこさんと楽しそうに会話している。人気マンガ『モテキ』の作者・久保ミツロウさんだそうな。神聖かまってちゃんの大ファンだという。

ソファに座りながら森くんと話していると、階段を降りてきたの子さんと目が合う。ニコニコしながら近付いてきて、「ようやく知ってる顔が…」と安心したように話しかけてきた。
どうやら初対面のファンの方や業界の方と挨拶などをしていると疲れてしまったようで、森くんと僕の姿を見てホッとしたらしい。小動物のようにビクビクしており、ソファと壁との間に埋める身体。こんな小さな身体から、あれほどのエネルギーが発散されているとは。
しばらく世間話をしていると女の子ファンから「あっ、の子さんだ!」と見つかり、話しかけられるの子さん。今や大スターだ。次々と話しかけられていく。音楽雑誌に限らず、『サイゾー』や『KERA』などにも掲載される彼。もはやこの状況は当たり前なのだ。

演奏する曲の話になり、「俺、自分ではどの曲をライブで演ったらいいのかわかんないんすよ」と言っていた。『いくつになったら』と『男はロマンだぜ!たけだくんっ』を推した。「竹内さんとそういう話あんましたことないっすよね。そういうの、言ってください」と言われたので、言っていきたい。この2曲はやっぱり聴きたい。本当は『りぼん』も『あるてぃめっとレイザー!』も『トンネル』も演ってほしい。というか全部やってほしい。『帰りは雨』も一度ライブで再現してほしい。難しいのだろうか。結局、の子さんの宅録音源をすべてバンドで聴いてみたいわけなのです。

怒髪天のライブが終わったのか、お客さんがたくさん上の階に雪崩れてくる。の子さんは危険を察知したのか、別の場所に消えていった。 
この日、女優の坂井真紀さんもライブを観に来ていたという。神聖かまってちゃんが大好きらしい。坂井さんのブログにもこのような記述が。
http://sakaimaki.jp/blog/2420
神聖かまってちゃん、一体どこまで行くんだろうか。ますます飛び火していく彼らのストーリーに、目が離せない。

最後に、竹内が描いたmonoくんのイラストを公開します。




2010年2月23日 代官山UNIT
〈セットリスト〉
1、いかれたNeet
2、ロックンロールは鳴り止まないっ
3、夕方のピアノ
4、黒いたまご
5、ちりとり

2010年2月18日木曜日

神聖かまってちゃん@渋谷O-nest

神聖かまってちゃんにとっては2度目の渋谷O-nest。

前回のO-nestは無料イベントだったからか、お客さんが大入りだった。今回、入りはどうなるのか。
会場には早めに着き、iPhoneを買ったばかりの最先端・劒マネージャーに恐らくストレスが原因であろう身体のじんましんを見せていただいた。じんましんだった。戦時中を感じた。『火垂るの墓』で死ぬ前くらいの節子の身体にできていたものに近かった。大丈夫なのだろうか。
この日、友人のバンド・シャムキャッツも出る。彼らがトリということで、ギターの菅原慎一くんに「竹内さん、神聖かまってちゃんが終わったらお客さんを止めておいてください」と言われる。
1バンド目は、0.8秒と衝撃というバンド。僕の目の前にいらした女性ボーカルが赤いタイツ。ライトを浴びて赤が映えていた。赤タイツばかり見てしまう。2バンド目はふくろうず。それはもう見事なボブのキーボードボーカル。赤タイツとボブばかり見ていたわけではないが、グッとくるものがあった。

神聖かまってちゃんの出番が来る。

の子のアゴにちょっとばかり大きなデキモノが。思えば、先日までのライブは起伏があった。2月5日の名古屋ではライブ直前の失踪。「居酒屋で一人で飲んでた…」とのことらしい。7日の大阪は普通にライブし、8日の新宿LOFTではmonoがの子を殴った。そして9日の柏は、の子がライブを欠席。残り3人のメンバー+劔マネージャーによる"神聖こまったちゃん"が結成された。

この日、無事にこまったちゃんではなく、こまってないちゃんだった。じゃなかった。神聖かまってちゃんとして出演した。

「渋谷O-nestは2回目ということで、僕たちはこのO-nestが大好きです。なぜかというと、対バンが客を集めてくれるから。対バンが集めてくれるから、そいつらのぶんを根こそぎごっそり持っていくことができるから」
第一声、の子が自信満々の発言。monoが「若干(客が)しらけてるよ、ほんとに。えーっ、、あれだね、こないだはお前欠場したからね。今回はちゃんと、(メンバーを指差しながら)1、2、3、4人。4人でやれました!無事に!」と言うと、客席から拍手が起きる。
「やっぱお前がいなきゃダメなんだよ!!分かる?ね、"お前なんかいなくてもやれるよ!"とか俺言ったけどね。言ったけど、やっぱお前がいなきゃダメなんだよ。みんなお前を待ってるんだよ!!」
monoの言葉に拍手と歓声が。なぜか最初から感動的なシーンになり、「やめろよ…こんな状況でいいのか?やめろよ、素に返るから…」との子が照れ気味になる。
前回のバイオレンスなステージとは打って変わり、友情のステージに。monoの目はキラキラし、の子は恥ずかしがりながらも、嬉しそうな表情を浮かべた。BL漫画にされそうなくらい、美しい光景だった。

1曲目は『怒鳴るゆめ』
感動的だった。珍しくの子側から撮影したが、その表情は常に凛々しいものだった。LOFTでの態度が嘘のように、別人のように、ギターを掻き鳴らしていた。今年に入ってから神聖かまってちゃんのライブは、怒鳴るPA、怒鳴る客と続いていた。しかし今回のライブでしっかりとゆめが怒鳴れていたのだ。
「僕らなんてちっぽけって言わせないぜ」
誰もがちっぽけだなんて思えないライブ。1曲目から飛ばしていた。
演奏後、人さし指を立てながらはしゃいでいるの子。最近気づいたが、の子はテンションが高いときやテンションを上げようとしているとき、人さし指を立てることが多いように思う。

mono「お前あれだね、一回ライブを休んだから本調子だね」
ちばぎん「そういうこと言うなよ!」
の子「違う!ライブは、続けてはいけない。2週間に3週間に一回くらいがちょうどいい。ワンマンは、ダメ」
mono「あれだね、お前は現代社会のアレ(?)と同じようなことを言ってるよね。いや、いいよいいよ。お前、この現代というもののそのまんまの姿が映っているからね!」
の子「話が噛み合ってなくてよくわかんない」
mono「僕は噛み合ってるよー!」
の子「そろそろ一人で踊ったら?とぅっとぅっとぅるっとぅるー♪」

の子が音頭をとり、ちばぎんとみさこがリズムを刻み始め、monoを躍らせようとする。mono踊りは最強なのである。昨年4月の下北沢屋根裏のライブでは『夜空の虫とどこまでも』で、ドラクエでいうとMPを吸い取られそうな踊りを披露していた。このまま多くのお客さんのパワーを吸い取り、自分たちのものにするのではないかと危惧した。が、この日は結局踊ることはなかった。
「あのね、前もって打ち合わせしよ」
monoは優しい口調でメンバーに訴える。

「でもここはいいね。o-nestは、対バンの客がいっぱいいて。アウェイ感とホーム感が混在してて、僕はここ大好き」
の子の調子はすこぶる良いようだ。『自分らしく』の演奏へ。monoに「早くしろよ、バカ!」と言ったの子だが、ギターのチューニングが合っていなかったのか、自ら曲を途中でストップ。そして仕切り直し。「ちょっと待てよ!はえーよ!今のはお金を払ったお客さんに失礼だろ!」と言いながら、横でmonoが「(お客さんに)今日は許して!今日だけは許して!」と謝る。「いや、自分がチューニング間違えてただけだけどな。ちゃんとしてくれよ」との子が白状。monoがパーカッションを鳴らしながら、そのまま曲へ入る。
ジャーン!ジャーーーン!ジャーン!の部分でいつもmonoが空中パンチするのだけど、先日の人間パンチとは格別のかっこよさがあった。

演奏後、「いやっふぃーーーい!!」と絶叫して気持ちよさそうなの子だけど、「そんなわけで神聖かまってちゃんでした。ありがとうございましたー」とライブを終えようとする。monoとみさこが「ありがとうございましたー。って!」とノリつっこみ。
monoがアルバム『友だちを殺してまで。』の告知をした後、みさこが「ちばぎんが飲んでいるジュース、『紅茶花伝』なんですけど、ライブ中に『紅茶花伝』っておかしくないですか?」とお客さんに問う。ちばぎんが「そこ、つっこむところ…?」とみさこに確認。両方に言いたい。「たしかに」と。

次は『23才の夏休み』。ライブでやるたびに進化していく。というより、実験していく。始まりのみさこのドラムも変化を遂げてきているし、コーラスもころころ変わる。色んな部分に改善が見えて発見が面白いのです。
の子が頭に付けているマイクがズレ落ちつつあった。演奏中には直せないので、常に落ちそうな様子はかなりスリリング。昨年8月のライブではの子がズレ落ちる頭のマイクにイラッとして、なぜかマイクスタンドを蹴飛ばすというシーンもあったが今回は無し。スタンドを蹴っていたら僕のほうに飛んできたことだろう。

の子「僕らもかれこれ色々あって、最近は遠征とかあったんですけど、最近は、局もね」
mono「ああ、テレビ局ね」
の子「もう俺らも活動して6年になるんだけども」
ちばぎん「6年は言い過ぎだろ」
mono「そりゃあお前、ケンカの一つか二つはするわ!」
客席から笑いが。
の子「こないだ殴られて、耳から血が出たんだ。これちょっと笑えないけど」
mono「病院、行ったの?」
の子「病院と精神科行ったよばかやろー」
mono「おれ関係ないだろー!」
の子「お前のせいじゃない。偶然タイミングが合ったから。でも、お前のパンチで俺の精神的支柱が折れた」
みさこ「リアルなんでやめてもらえます?」
mono「土下座すればいい!?"悪かった、の子!"って?」
の子「…冗談だよ、ばかだなぁ」
mono「反省してますって僕。ちょっとカッとしてボカーンってやっちゃったけど」
の子「前回の記憶がないんだ、本当に」
mono「えっ!記憶がない?俺すごいねー!記憶が無くなるほどのパンチってことなのかな。俺自信持っちゃうなー。彼女できたら、ね。あれだよ。"俺にまかせとけ"って」
ちばぎん「ああ、守ってあげるんだー」
みさこ「守る人がいない」

中央でメンバー3人に囲まれるmono。こういった会話のために、キーボードが中央にあるのかも知れないと思えるほどだ。バンドの中の出来事もMCで何でも話すその姿は痛快で、最終的にはいつもmonoがいじられて終わる。
そんなこんなで『死にたい季節』の演奏へ。
演奏を始める前、「なんか言えよ、ワン・ツー・スリーくらい言えよ」とみさこに促すの子。そのせいでみさこがなぜか混乱する。そのグダグダっぷりに、の子が「テレビでイタイ素人を見てるかのようだ」と呟き、笑いが。

『死にたい季節』は死にたくなくなるほどバッチリとキマり、次は『ロックンロールは鳴り止まないっ』
monoの喋りに対し、の子が「お前、ビートたけしに影響されているだろ」と指摘。

の子「最近俺も『ソナチネ』と『その男、凶暴につき』を借りたんだ」
mono「お前、バイオレンス映画ばっか借りてんじゃねーか。最新の映画見に行こうじゃねーか」
の子「え?」
mono「最新の映画見に行こうじゃねーか」
の子「何言ってんだ?何語だよ。グローバル社会がどうかしたのか」
monoの喋りは滑舌が悪くて、たまに何言っているか分からないことがある。というのも、酔っ払っているからそういう喋り方だったりするわけだけど。
mono「最新の映画!」
の子「ああ、『アウトレイジ』だろ。お前と観ねーよばかやろー」
mono「(ビートたけしっぽく)観ねーよばかやろー」
の子「似てねーよ」
mono「なんだよ!マイクをいちいち下げるのが大変なんだよ!座ったり立ったり、楽しいな」

monoがいちいち笑いを誘い、「次の曲いくよ!『ロックンロールは鳴り止まないっ』だよ!ロックンロールはもう鳴り止んでるんだよ俺らの中で!」とmonoが言うと、の子が「ほんとだ、いつの曲だと思ってんだよ。やり飽きたよ。バカじゃねーの。なにが『ロックンロールは鳴り止まないっ』だよ。アホか!」と、まさかの自作批判。会場は笑いが止まらない。

次の曲でこの日は最後になる。
「このくらいの短さがちょうどいいです。ワンマンとか…」との子が言いかけると、ちばぎんが「じゃあワンマンやめよう!」と。の子が「うん、ワンマンやめよ」と言い、monoも「ワンマンやめるか!」と言う。ちばぎんが乗ってしまうと誰もつっこむ人がいないので、ワンマンライブをやめるという話で完結してしまう。

mono「はい、曲いきますよー!『いかれたneet』ですよ!あーもう、曲紹介するのかっこわるっ!」
の子「なんでかっこ悪いんだよばかやろー!」
mono「さりげなく始めたいんだよ!」
の子「うだうだ言ってっからだよばかやろー」

この2人のやり取りに、お客さんの一人が「お前らほんと仲いいなー」と呟いたのに和んだ。ほんと、今年始まってからのライブのことを考えると、心が温まるMCなのです。なかなか曲は始まらないけど。
最後の『いかれたneet』もそうだけど、この日はすべての曲がばっちりキマった演奏だった。こういう神聖かまってちゃんが観たかった。そう思う人は多いはずだ。衝撃的なライブというよりも、楽曲の良さが表れたライブが気持ちいい。
「いかれたニィィーィートーオ・オ・オ・オ・オ・オー!」
PVでいうと、木のようなものをひっくり返すシーン。この部分にいつも気分が高揚してしまう。

演奏終了後、ギターをぶんぶん振り回して遊ぶの子。ギターを肩にかけたまま、パーカッション機材の置いてある台の上に登る。monoのウィスキーを手に取って、monoに投げ付け、ステージの天井に両手でぶら下がってゆらゆら動き、遊ぶ。
「これがやりたかっただけだ!!」と叫ぶ。
「フゥ~~イ、フゥゥ~~イ」と言いながら天井からぶら下がっているの子の身体を、monoが手で揺らしてあげる。お父さんと子どもみたいだ。
の子が着地しようとするとき、の子の手がmonoのメガネを直撃。メガネが吹っ飛ぶ。
飛んだメガネを急いで探し、「あっ、あったー。良かったー」と気弱な声で呟くmono。の子は自分の位置に戻り、マイクで「えー!それではこれからも良いお年を!!」とキメ顔で言うの子。みさこが「えー!」と悲鳴を上げる。

「次のバンドも素晴らしいバンドが出ますので、よろしくお願いします。初めて観てくれたお客さんも、ありがとうございました!初めて観たお客さんも、ほんと心からありがとうと思っています。初めて来たお客さん、初めて観たお客さん、初めて曲を聴いたお客さん、心からありがとうございました!はい、知ってる人たち早く帰ってください」

無気味なくらい、爽やかな笑顔で胸に手を当てながら礼儀正しく挨拶するの子。清々しい終わり方でした。

最後のバンドは、シャムキャッツ。思えば、3年前に関東に住み始めて、初めて友だちになったバンドがシャムキャッツだった。
『忘れていたのさ』の冒頭の哀愁はたまらない。ボーカル・夏目くんが今日乗った電車、何をしたか、まるであらかじめ用意された歌詞のように即興で言葉を紡いでいく様が健在。『アメリカ』は「スガワラー!」という掛け声で始まるギターソロからは、ギター・菅原くんに目が釘付けになる。

O-nestの上の階はイベントが終わってからもダラダラと広々としたスペース。
ライブを観に来ていたSEBASTIAN Xのベース・飯田くんをみさこさんに紹介し、つまらないことを言うとみさこさんに「竹内さんって関西出身の方ですよね?」とバカにされ、ちばぎんには乳を揉まれ、monoくんには顔を近付けられ、劔さんはハットを被ってなぜかジョニー・デップな格好をしていた。
この日は神聖かまってちゃんというより、神聖かまってさんと言いたいくらい、ライブに貫禄さえ感じた。毎度毎度、ライブの印象が大きく違う。初見の人はどのタイミングで観るかによって、その後のバンドへのイメージが変わってしまうのだろうか。
少なくともこの日のライブは、ファンが確実に増えるものだった。一つだけ指摘することがあるとすれば、の子さんのアゴのデキモノだけが気になったことだけだ。

2010年2月18日 渋谷O-nest
〈セットリスト〉
1、怒鳴るゆめ
2、自分らしく
3、23才の夏休み
4、死にたい季節
5、ロックンロールは鳴り止まないっ
6、いかれたNeet

2010年2月8日月曜日

神聖かまってちゃん@新宿LOFT



新宿LOFTは神聖かまってちゃんにとって初めて。芸人・ダイノジによる"ダイノジ・ロック・フェスティバル"に出演。

この日は撮影が禁じられていたので、普通に鑑賞することに。ビデオカメラを回さずに観るのは昨年4月に初めて観て以来。何が起こるか分からない神聖かまってちゃんだけに、やはりずっと撮影したい気持ちはあったけど、たまには普通に観るのもいい。
だが、普通に観たことを後悔した。神聖かまってちゃん、またもやとんでもない事態がステージ上で起こったのです。

ミドリカワ書房の後、ダイノジのDJが始まる。巷で話題のエアギターを生で観れた。意外にお客さんがそれほど多くないフロアだが、これでもかこれでもかと温めようとするダイノジのイベンター魂が沸騰。
フロアが十分温まった後、神聖かまってちゃんの出番。
メンバーが登場する。みさこが笑顔を見せる。ちばぎんが髪切ってる。monoはなぜか空中にパンチしながら出てきた。お酒で酔っ払っているのか、やたらと意気揚々としている。映画『キングコング』でキングコングがニューヨークに来たときののようにテンションが高い。
遅れて、の子の登場。彼は完全に酔っ払っている様子だ。登場していきなり、最前列にいる男性客とキスをする。の子の「バナナの味がした…」という素朴な感想に会場は爆笑の渦に。同じく最前列にいるのは音楽ニュースサイト・ナタリーを運営するナターシャ社長・タクヤさん。

1曲目から『学校に行きたくない』だなんて、飛ばしている。の子がステージ前方まで来て、B'zの稲葉浩志のように動き回っている。左側のスピーカーの上に立ち、観客をアジテーション。どこか破滅的なパフォーマンスだった。monoがキーボードを放棄し、またもやニューヨークに来たときのキングコングになっていた。
『黒いたまご』はいつか最高のダンスナンバーになるのではないかと予感させるほど、踊らせる。アレンジかっこよすぎる。monoのピアノのメロディが相変わらず切なくて、キングコングとは思えない。
この日、まともだったのはこの2曲。このままガンガン行くと思いきや、後は予想外の展開へ。

『自分らしく』からの子の様子がおかしくなった。
ギターをちゃんと弾こうとしない。他のメンバーが演奏しているが、自分だけ演奏することも歌うことも放棄。明らかに困り果てているメンバー。の子、自分らしくない。いや、自分らしいのだろうか、これが。
その次の『ロックンロールは鳴り止まないっ』も同様。
演奏するメンバーの姿を、ぼーっとした目で冷ややかに見つめるの子。ライブハウスには微妙な空気に包まれる。始まらない演奏。覇気のない歌い方。明らかにやる気がない。疲れているという以前に、の子の個人的な不満か何かが表れていた。monoが「では、『ロックンロールは鳴り止まないっ』です。僕らの中ではもうとっくに鳴り止んでますけど」と笑いを誘う。しかし、の子の歌い方は魂がどこかに飛んでいっている。チューニングが崩れまくったギターの音に、ナタリーのタクヤさんが爆笑していた。

の子の挑発は止まらない。メンバー、観客、周囲の大人たちがイライラしそうな態度をこの日は常に見せていた。
ここでついに、事件が起きる。
monoがいい加減怒り始め、の子に「おい、ちゃんとしろよお前!」と怒鳴る。するとの子がmonoに近づき、頬に思いっきりビンタ。そして激昂したmonoが、そのお返しにの子の顔面を思いっきりぶん殴る。
倒れるの子。静まるライブハウス。止めるスタッフ。苦笑いと、どうすればいいか分からない空気。そして、一人の男性客が激怒する。
「なんだよお前ら!マジメにやれよ!俺、今日楽しみに来たのに何だよ!帰るよ!」
帰ってしまうお客さん。
殴ってしまったmonoは、必死に笑顔で取り繕う。可愛さをアピールする。空気は直らない。の子もバランスを保とうと、ほんの少し正気に戻ったふりをする。
24才のリアルファイト。これは、凄惨な光景。ただ、monoがの子を殴るという出来事はあまりにも刺激的なもの。これをどうして撮らなかったのかと後悔する。いや、望んでいたわけではないが。微妙な葛藤が自分の中で渦巻く。
今年に入って最初がうわぁ…というライブで、それからヒャッホー!なライブになったばかりなのに、再び、というかうわぁ…以上にうわわわぁ…というライブが繰り広げられてしまった。

最後は『いかれたneet』
いかれたliveとなり、ロックンロールは鳴り止んだっ。怒鳴るゆめどころか、怒鳴る客。こんなライブを目の当たりにしてしまった僕は竹田くんではなく、竹内くん、竹内くん、元気がないね君らしいね。やがて死にたい季節になった。ぺんてるに行ってしまいたい。
名古屋、大阪と連続で遠征ライブをしてきて疲れていたせいか、それとも蓄積された個人的な不満のせいなのか。

ライブ後、打ち上げ的な雰囲気もないまま隣のバーステージにやって来たの子さんの耳から血が流れていた。monoくんのパンチ、強烈だ。

怒鳴って帰ったあのお客さんは、あれはあれで正しい反応だった。ボケにはつっこみが必要であるのと同様、ああいったやり取りがあってライブが成立したように思う。勇気のある行動だった。
メンバーには悪いけど、帰宅後、僕はTwitterで「明日のライブ、僕行かない。今日のはクソみたいなライブだった」と書いた。たしかにひどいライブだった。その一方で、神聖かまってちゃんに興味がない人に「あんなに神聖かまってちゃん好きな竹内が、クソって?どうしたの?かまってちゃんに一体何が?」と、興味を示してもらいたかった。プロレスには参加しなければならないのだ。
やたらと2ちゃんねるの神聖かまってちゃんのスレッドで反応があった。記念に、書き込みを全部コピーしました。

「竹内は今日のライブクソだったから明日行かないって」
「の子はほんとムラッ気あるな 殴っちゃったmonoもmonoだけれども これは竹内なりの愛だと思う 本当に見捨てたりはしないだろうよ」
「竹内神ライブ行って撮影、レポしてきてくれよー 」
「竹内明日行けよなー責任もってこういう時こそお前が伝えなければならないんだろうが」
「伝えなければいけないのは素敵なライブだけじゃないと思う というわけで竹内よろしく」
「いつも動画録ってくれてるんだからお前ら竹内大事にしろ 録ってくれなくなったら困るのは俺だぞ?わかってんのか?」
「つか竹内さん明日レポだけでもお願いしゃーす!!あんたも後々見に行かなかったら後悔するんじゃねえの?なんつって、竹内がここ見てる前提でレスしてるんだけど」
「楽しみにして観に行ってた客に帰られたり身近な存在の竹内に行かないと言われて当然だと思う」
「今日どんな感じになるんだろう 竹内は行くのかなー?気になって落ち着かない」
「今日のライブ見たいのう 竹内さんおねがいしますよ・・・」

「ライブに行かない」というのは、実は普通に仕事で行けなかった。時間的にも距離的にも。千葉って。柏って。
そして翌日のライブ、の子さんは欠席した。24才の冬休みだった。
の子さんのいない神聖かまってちゃんはそれはそれで貴重だし、monoくんがニルヴァーナ歌ってアゴヴァーナになったのも観たかったけど、やっぱり僕は"神聖かまってちゃん"のライブが観たいというのがある。やはり、ギターを弾いて歌う姿が観たかったのが正直な気持ち。求めてはいけないのだろう。浮き沈みがあることこそが神聖かまってちゃんなのだろう。
だけど、の子さんはこんなもんじゃない。だから、早くまた元気に復活した彼の姿が観たいと思った。とりあえず、アゴヴァーナは本気で観たかった。
というか、そもそも先月31日のライブの帰り、の子さんが「どれか一本キャンセルします」と言っていたのだ。それをメンバーも感じていたのではないだろうか。とは言っても、今回のライブ後にちばぎんに「シナリオ?」と尋ねると、「いや、俺マジで分かんなかったっす。ただ、本番直前にmonoくんとの子が何かこそこそ喋ってるように見えたんですけど…」と。
ひょっとすると、monoくんとの子さんが何かしら打ち合わせをしていたのではないだろうか。の子さんがライブを休む口実的な出来事を作るために。

なんて憶測を立てつつ、『学校に行きたくない』『黒いたまご』は普通にかっこよかったなあと思うのでした。

2010年2月8日 新宿LOFT
<セットリスト>
1、学校に行きたくない
2、黒いたまご
3、自分らしく
4、ロックンロールは鳴り止まないっ
5、いかれたneet