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2009年11月26日木曜日

神聖かまってちゃん@渋谷O-nest

神聖かまってちゃん、初O-nest。

O-nestは居心地がいい。上の階のまったりとできるフロアは知り合いがいれば楽しいけど、知り合いがいないと地獄だ。あれほどの疎外感と排他的空間は他にない。まさに天国か地獄なのだ。
この日はどちらかといえば天国だった。恐らく。
O-nestに着くと、上の階のテーブルに神聖かまってちゃんメンバーが。monoくんがやたらテンションが高い。どうやらウィスキーを飲んで結構酔っ払っているらしい。こんなに酔った彼は初めて見る。饒舌だ。
ちょうどウミネコサウンズの演奏が始まる頃、撮影場所を確保する。ウミネコサウンズのドラムは元くるりの森信行さんだった。

この日はCINRA主催の"exPOP!!!!"という無料イベント。タダだからか、いつもの神聖かまってちゃんのライブでは見ない顔もチラホラ。噂を聞いて駆けつけた人も多いだろう。それに対しての子がセッティング中のステージで言い放つ。
「今日はタダだから貧乏人どもがいると思うが、インターネットをつないでいるこのクソ中流どももいると思うが、すべての奴に俺は伝えたい!マイクケーブルがない!」
とりあえずマイクのケーブルが無く、オフマイクで喋っている。
「ほとんどの奴が対バンの客だろうから…お前らは、俺の息子だー!!」
意味不明な発言に、会場は笑いに包まれる。
この日のの子は調子が良さそう。終始楽しそうな表情をしていた。楽しそうといえば、僕のすぐ隣で"水中、それは苦しい"のボーカル・ジョニー大蔵大臣がずっとケラケラ笑い、楽しそうに神聖かまってちゃんのライブを観ていた。

この日、なぜか登場SEが用意されていた。『クレヨんしんちゃん』の二代目オープニング曲、B.B.クイーンズの『夢のENDはいつも目覚まし!』が流れ、ステージに走り込みながら「ゆーめのエンドはいつーもー!」と叫ぶの子。感触があんまりだったのか、すぐに沈静する。

「とりあえず、神聖かまってちゃんです!よろしくお願いします!これからどんどん落ちぶれていくバンドです!今しか観るチャンスがないので、みなさん、しかと目に焼きつけてください!イヤッハーイ!」

monoは完全に酔っ払っている様子でへらへらと笑い、「いくぞこんやろー」ともうすでにできあがっている。ちばぎんがmonoを「べろんべろんです!」と紹介。の子に「お前ちゃんとしろよ!やる気あんのかよ!」と叱責される。
「『天使じゃ地上じゃちっそく死』です!自殺したい曲です!自殺したいようには見えないが!」
の子の曲紹介により、元気いっぱいに1曲目『天使じゃ地上じゃちっそく死』の演奏へ。元気に「死にたいなー」と歌っており、たしかに自殺とは無関係のテンション。
「もう嫌だー!」直後のちばぎんのベースのウネウネとした低音がかっこいい。みさこをズームすると、一瞬髪型がボブヘアーに見えた。あれはボブだろう。いいことだ。monoの着ているバカボンの服が意味もなく可愛い。
酔っ払っているせいか、ギターを弾くmonoはその動きが自信にみなぎっていた。慎ましくやるよりも、バーーン!とやってほしい。酔っ払っているほうがいいのかも。

「えーと、次は久々な曲をやります。『いかれたNeet』という曲をやります。僕は今ちょっと漫画喫茶でバイトしてるんですけどね!」との子が言うと、monoが「すぐニートになるんだろうけどね!」と返す。の子、「まあそうなんだけどね!」と元気いっぱいに話す。

『いかれたNeet』はmonoがノリノリ。手をラッパーみたいにイケイケに動かしている。若干気持ち悪さも感じさせてくれる。
「いかれたニィィィィトォオオオオオ!!!」と何度も叫ぶ曲。この曲のPVは、最後が見事だ。立ち尽くしているの子の後ろを、元気いっぱいにはしゃぐ少年たち。偶然映り込んだにしても見事な絵だ。ニートと小学生という組み合わせ。モラトリアムという意味では変わりない。最後のmonoのキーボードのメロディが物悲しい。mono悲しいというわけではない。すみません。

ライブ自体は物悲しさが一切なく、早くも「疲れてきた」との子。次は神聖かまってちゃん唯一のラブソングとも言える『ちりとり』。

の子「皆さん、初恋の方がいらっしゃると思いますが、初恋の人がトラウマのごとく夜中に脳裏にふと思い出されて、募りに募った恨みに近い、そんな曲です」
ちばぎん「うそだろ」
の子「いや、ほんと。初めて来た人には言ってる。いつも来ている人には言ってないけどな。ハハハ!今日アウェイだからな!」
mono「アウェイじゃないと思うよ、これ結構」
の子「は?イキがってんじゃねーよバカ」
ドラムがドカドカッパシャーンと鳴る。
mono「(みさこに)なんだよそれお前!!」

まったく初恋ムードじゃない状態から『ちりとり』へ。
この日のmonoのテンションが高すぎる。いつもは淡々と弾いているキーボードだが、この日は弾いてない片方の手が完全にラッパーになっている。イキがっているのだ。自信満々のmono。お酒の力の大きさにはただ震えるしかない。
の子が終盤、「だから、僕はあなたのことを思い出すたびに心が少し切なくなってくるんです。だから今日だけは、ちりとってくれ」と歌詞を変えて歌っているのにグッとくる。

3曲演奏を終えて疲れている様子のの子。
「ワンマンなんかできるわけねーだろ。だからこのまま落ちるべきだ!でも疲れたときにこそ、インスト曲がある。次は『夜空の虫とどこまでも』という曲をやります」
ギターを置くの子。そのとき、monoがもう片方のキーボードを軽く押して、の子に対して「どうぞー」みたいな仕種をする。妙に腹立たしい顔をしていたのがツボだ。
「疲れたよー!」と言うmonoに対し、一人のお客さんが「帰れ」と反応。「はぁ!"帰れ"ってふざけんなお前!」とmonoがキレる。そんな中、「すいません、誰かティッシュ持ってないですかね?」との子がいきなりのんびりと催促。みさこが「ちょっと待って。私持ってる!鼻炎だから!」とティッシュを差し出す。
その間、monoがの子に「踊ってて」と言われ、客席に背を向けて突然踊る。しかし、「逃げてんじゃねーか。こっち(客席)見て踊れよ!」との子に叱責され、たしかに明らかにお客さんの目から逃げていた。「向き合え!!」との子が背中を押す。
やたらとちばぎんのつなぎの服を指摘するmono。酔っ払いすぎて最初は楽しかったが、だんだんめんどくさくなってきたメンバー。ちばぎんは「この酔っ払いの相手、ヤなんだけど…」と弱音を吐く。

みさこが京都で行われる"みやこ音楽祭"の出演の告知を、なぜかこの東京の会場で言い出す。戸惑いまじりの笑いが起きる中、くるりも出演するイベントということで、の子が「遂にくるりの片足を掴んだんですよ…岸部の」と言う。岸部繁って誰。

次は『夜空の虫とどこまでも』の演奏。
ちばぎんのベースラインが気持ちいい。の子のボーカルエフェクターによる高音がキレイに響き渡り、終盤の盛り上がりがたまらない。ドラムが次第に激しくなるのがかっこいい。ライブで演奏されるたびに「この日のベストアクト」と言ってしまいそうな楽曲。実際、この日のベストアクトだった。

の子が外での配信を止められていることについて、monoが「いつかお前逮捕されろよ!長くねーんだから!」と結構ひどいことを言う。の子が「酔っ払ってるのはいいけど、つまんねえぞ」とmonoを厳しく叱責。「すいませんでしたー」とあまり反省していない様子で『ロックンロールは鳴り止まないっ』がスタート。
O-nestで聴くこの曲はまた新鮮。程よく広い会場でこの曲が聴きたかった。「鳴り止まないっ」と言った後、の子がギターを振り回す。ギターがマイクスタンドのマイクにぶち当たって、マイクだけが宙に高くポーーンと飛ぶ。ちょっと危ない。
最後のmonoのキーボードが、そのまま『夕方のピアノ』の演奏に向かう。
『夕方のピアノ』は「最後は、この中にいる佐藤は聴いてくれ」との子が言い、ゾクゾクとさせてくるが「チューニングができてなかった、ハハ!」と笑って仕切り直し。monoのキーボードは夕暮れ空を思わせる切ないメロディを弾き続け、そのまま曲の再開させる。
終盤ではちばぎんも「死ねーー!!」と叫び、アグレッシブなパフォーマンスを。彼も過去に何かあったのでは、と思わせるほどエモーショナルに叫び続ける。

「今日初めて観た方も、ウェブサイトで聴いてくれたら思います。よろしくお願いします。よろしくお願いなんてしねーよ!!来るな!!」
の子らしく、最後はお客さんと程よい距離を保つ発言で終了。

と思いきや、まさかのアンコールが。神聖かまってちゃんにとって、史上初のアンコールになる。トリだけあって、まさかの優遇。
monoが「もう音鳴んないわ!」と言うと、の子が「じゃあ今からmonoくんのフリーラップを!」と強引に催促。「君の見せどきだよ、今!」と物凄い眼力でmonoを睨みつけるの子。

mono「いくら酔っ払ってるとはいってもね…」
の子「お前は今酔っ払ってない!素に戻ってる!ビビってる!長年付き合ってるからよく分かる!お前は酔ってない!酔ってない中でそういう壁がある中でお前はやるべきだ!いいじゃんやればいいじゃん!エミネム好きなんだろお前!」
mono「あのね、普段やってない曲をやったほうがね、いいっていうね…の子のマイクは響くね。ほんとにね。うらやましいね」

なぜか妙に優しく話しかけるmono。笑いに向かい、ラップから逃げようとする。
僕の隣で観ているジョニー大蔵大臣が「リーダー!『23才の夏休み』やってください!」とリクエストするも、演奏する機械がないという理由で断れる。「こういう展開は『怒鳴るゆめ』とかやったほうがね」との子が言い、アンコールでは『怒鳴るゆめ』を。
「もう帰りたいでしょ?もう帰っていいよ!ちゃんと日給渡すからさ!」
の子が観客に向かって言い放ち、「ほんとはお前のフリーラップが一番いいんだけど」とmonoに執拗に迫りながら、演奏へ。
10月の渋谷LUSHで聴いたときよりもビシッとキメていた。中盤の行進マーチのようなリズムの部分もバッチリ。「そういつの日かすれ違う デカいクジラ前にして なめられないように歌ってやるのさ」は、しばらく耳から離れないフレーズ。最後はちばぎんのコーラス「る~るらら~ら~」も気持ちよく、清々しいムードで神聖かまってちゃんのライブが終了。

そんなこんなで、monoの全編酔っ払いモードのライブが終わった。
O-nest恒例の、ライブ後のまったりとした時間。上の階ではみさこさんとで喋ったり、ちばぎんが抱きついてきたり。そしてmonoくんはやっぱりまだ酔っ払っていた。monoくんの『サウスパーク』のキャラクター・ケニーの物真似がいい具合に腹立たしい。
帰る間際にの子さんに挨拶し、「てか、竹内さん今度対バンじゃないですか」と言われる。来年1月の新代田FEVERでのイベントで、なぜか竹神聖かまってちゃんと竹内(霊能者パフォーマンス)が共演する。ちばぎんに「潰します!」と迫られる。潰されるかも知れない。

2009年11月26日 渋谷O-nest
〈セットリスト〉
1、天使じゃ地上じゃちっそく死
2、いかれたNeet
3、ちりとり
4、夜空の虫とどこまでも
5、ロックンロールは鳴り止まないっ
6、夕方のピアノ
〈アンコール〉
怒鳴るゆめ

2009年11月21日土曜日

神聖かまってちゃん@下北沢BASEMENT BAR

前回の11月11日の下北沢Daisy Barのライブは『自分らしく』を初披露し、『夜空の虫とどこまでも』を今年の4月以来、久々に演奏。にも関わらず、テープを破損してしまい、使い物にならない映像に。ひどく落ち込みながら雨の下北沢を帰った記憶が蘇る。
丁寧にも、彼らはどちらの曲もこの日は演奏してくれた。場所は同じく下北沢、BASEMENT BAR。
住所不定無職、ねごと、ときめき☆ジャンボジャンボ、神聖かまってちゃん、オワリカラ、ジプシールーズが出演。まだそれほど知られていない、若手のバンドばかりだ。

住所不定無職の『あの娘のaiko』を聴いているとちょっと泣きそうになった。この曲は本当に売れる。aiko的に大丈夫であれば。とにかくグッとくる。
グッときていると、ちばぎん、みさこさん、monoくんが僕の目の前に登場。ちばぎんに着ている服を「ビートルズみたい」と言われる。
この日の一番の収穫は、ねごと。
早い話、可愛いのだ。メンバー全員が大学1回生の女の子。それだけで可愛い。MCが初々しいのだ。ときめき☆ジャンボジャンボ目当てで観に来ていた友人の横山くん(弁当屋勤務)の様子がおかしかった。演奏前から「これはやばいかも知れませんね」とメガネをキラリと光らせていたが、その予想は的中した。
それはキーボードの女の子のMCで頂点に達した。
「今日はとっても良い天気だったので、家で洗濯物を干してから来ました。こんなに良い天気だったら、草も虫も喜んでいると思います」
前で観ていた横山くんが静かにこちらを振り返った。メガネが光っていた。ここがポイントだったんだろう。その通り。植物や昆虫に優しい女の子が可愛くないわけがない。これからはねごとを応援しよう。曲もポップで素敵。売れそう。ねごと最高!

などと、神聖かまってちゃんのことを書かずに終わりそうになったが、そうはいかない。1曲目から『自分らしく』を演奏してくれる彼らを無視できない。かまっちゃう。最近、こちらがかまってもらっている感じもあるけど。

この日、セッティングにやたら時間がかかっていた。
「今日はありがとうございます。よかったらライブの後にでも話しかけてください。CD売りつけるんで。バンバン買ってください。ボンボンバンバンボンボンバンバン」
の子はまだライブが始まってもいないのに、MCみたいなことを言い出す。
そしてセッティング中のBGMが、なぜかX-JAPAN。
後で聞くと、ちばぎんがX-JAPANを歌う予定だったらしい。そういえばライブ前、ちばぎんが「今日、セッティング中にやることはネットにアップしないでください!」と本気の目だったので、そういうことだったのか。結局歌わなかったので悔しい。歌ったら絶対アップしていた。

『自分らしく』はmonoの軽快なリズムを刻むパーカッションで始まる。の子が「日だまりの夢見て~♪」と歌い始め、ジャーン!と気持ちよくスタート。
みさことmonoのダブルリズム。首からタンバリンをかぶったの子のその姿は異様にキマっていた。曲の途中、「マイクに返しを!返しを!返しを!」とリズムに乗りながらPAさんに訴えていた。デモ音源よりもライブのほうが、ちばぎんのベースも聴こえてマッチョな音に。
そして注目すべき点はここ。
「男の子になった 女の子になった」の後、monoがパーカッションからキーボードに移行する瞬間だ。その切り替わりがかっこいい。耳にこびりついて離れようとしない、強烈にポップなメロディ。この曲展開は痺れる。

monoがの子にヘッドマイクを渡し、『23才の夏休み』へ。
の子の声にエフェクトがかかりまくり、天からの声のようになっている。それをちばぎんが翻訳する。本当に何を喋ってるのか分からない。ものすごいディスコミュニケーションがステージ上で繰り広げられている。「俺のボーカルエフェクターを切ればいいんじゃないかよ」と神様のような声で言い、切る。
「荷物がありーの準備がありーのなんで、そのあいだにmonoくんが何かやってくれるんで」とムチャ振るの子に対し、「俺が一番準備することあんだよ!」とmonoが反抗。「うっせーアゴ」と返すの子。「お前、アゴなんか言ったことねえだろ!」とmonoが慌て、の子は「言ったことなかったっけ。俺monoなんか言ったことねえ!」と返す。

の子「ベースメントバーは僕ら2年ぶりなんですよ。2年前は、対バンの客が3人いた。今はこんなにいるという、なんだこれはという感じで。あー、アハハハ」
mono「アハハじゃねえよ、早くやろう!時間がない!」
みさこ「いきますか!いきますか?」
の子「じゃあ、ジャジャッジャッジャッジャ、チャチャチャチャチャチャ。ね?」
ちばぎん「何の確認!?」

そしてドラムがジャジャッジャッジャッジャ、チャチャチャチャチャチャと鳴り出し、『23才の夏休み』へ。
左右のキーボードを使い分けて弾くmono。僕のビデオカメラに映るの子、まさに黄金アングル。彼が「俺がイケメンに映る」と気に入っているだけあって、ちばぎん側から撮るとベストショットが多くなる。の子ガールが歓喜するに違いない。の子ガールなんていないだろうけど。タンバリンを頭から被って首飾りのようにしているのも滑稽なようで、実際は様になってしまっている。
この曲はちばぎんのコーラスの場所が観るたびに変わっていたり、細かい部分に変化が見られる。それほどこだわり、試行錯誤しているのだろう。

PAさんにボーカルのマイクの返しの音を求めるの子。「…てか次インストか!次は『夜空の虫とどこまでも』」と曲紹介。ちばぎんも返しの音を求める。

の子「うちら、リハーサル出てないからな!」
ちばぎん「はい誰のせいですか!」
みさこ「わたしです!わたしが…いつも乗り慣れてる電車を乗り間違えて、15分遅刻したから…」
ちばぎん「30分です!」
の子「お前、そこんとこしっかりしろって毎回言ってんだろ!」

本番前にやたらセッティングの時間がかかっていたのは機材が多いからだけではなく、みさこの遅刻が原因だったのか。天然パワーが炸裂したようだ。

みさこ「だってね、特別快速って書いてあったのに快速だったんだよ」
の子「は?知らねーよ」
みさこ「ごめん。PAさんごめんなさい!他の対バンの方もほんとごめんなさい…」
の子「さて、アンケート。許すか許さないか」
mono「微妙だねそれ。結構どうでもいいと思うけどね」

みさこはここで大胆発言。
「許すと言ってくれた方には、あとで乳揉ませます…」
一人の男性客が「許すよ!!!」と叫ぶ。全員が許したら揉まれまくりじゃないか。

「今日は女の子のバンドもいっぱいいて、なんかわたしも恋したいなって気分になりました。普段こんなアレな男の子たちに囲まれてるから、そういうバンド観て、わたしもこうあるべきじゃないかと思って。今日は乙女ぶって『夜空の虫とどこまでも』を叩こうと思います」
なぜかいきなり語り出すみさこ。その間、ちばぎんがずっとイントロのベースを弾き続けている。みさこが「準備できましたかー?」とメンバーに聞くと、ちばぎんがブチ切れる。
「ドラムを始めろよぉおおおお!!!弾いてんだろさっきからぁぁああああ!!!」

そんなこんなで、曲の世界のムードが一切ないまま『夜空の虫とどこまでも』へ。
の子が持たず、キーボードを弾く。デモ音源とは違い、の子がヘッドマイクで歌詞があるのか分からない言葉で歌っている。声が楽器みたいな役割。ベースとドラムがビートを刻む中、monoとの子のキーボードが絡み合う。普段暴れている人が、インテリな様子でキーボードを演奏する姿にドキッとした女子は少なくないはずだ。客席には女子自体少なかったが。
後半、静かに盛り上がる感じがたまらない。4月に観たときはmonoがキーボードを弾けなかったが、もう弾けるようになっていた。あのときの不可解なシャドウボクシングみたいなダンスも良かったけど、今の感じもグッとくる。

「ぶっちゃけこの曲やりすぎてるんだけどね」との子が言い、『学校に行きたくない』へ。
たしかに、ライブで演奏しないことは少ない。
monoがライブ告知をしている語りに合わせて、みさことちばぎんが演奏を開始。そのおかげでmonoの声が全然聞こえないという残念な展開に。「お前らでセッションしろよ」との子の命令のもと、突然セッションが開始される。そしての子もキーボードを弾きながら歌い始め、お得意のラップが披露される。
「漫画喫茶もやってらんねえ!アルバイトどうすんの?いぇー(渋い声で)。アルバイトどうすんの?いぇーー(渋い声で)」
の子のラップにちばぎんが笑いまくる。
「最近はキクチという奴がいて、僕に、清掃に行かせようとするー」とアルバイト体験談を即興ラップに。「僕は、清掃に、行った。そして受け付けに、帰ってきた。そしたらキクチが言い放った。"大島くん、どこ行ってたの?"…清掃に行ってたんだよーー!!!このやろーー!!てめーが行かせたんだろうがよぉおお!!」
これ、単純にアルバイト先の上司に対する愚痴でした。

そして『学校に行きたくない』へ。もはや"バイトに行きたくない"のほうが感情高まるだろう。
の子、ダイブするが恐らく誰にもまともに受け止められず、落下。お客さんに背中を押されてステージに戻る。叫びまくりながら、近くに置いてあったビールケースを客席にぶん投げる。この曲は撮影していて気持ちいい。もっとやれ!やっちまえ!という気分になる。ビールケースは客席でどうなったのだろうかが気になるが、危険とか安全とか一切考えずにパフォーマンスする姿はやっぱり清々しく、かっこいいものだ。

演奏が終わると、の子が「はい、あと20分休憩。エヴァンゲリオンでもそうでしょ。20分、休憩」と身体を休める。monoが「なんなんだよそれ。普通に疲れたけどね」と応えると、の子が「は?お前が疲れたとか意味わかんねーよ。何それmonoくん。"つ か れ た"って4文字。あー、はー、そうですよ。ライブってのは疲れるもんですよ」と無愛想に返す。

の子がみさこに対し、「ライブ告知したらいいんじゃないの?」と言うが、みさこは気づかない。「無視かよ!殺して殺して死姦するぞ!!」との子が言い、会場に笑いが。「死姦?死姦でいいの?」とみさこが尋ねたのが気になった。
こんなひどい空気の中、『ロックンロールは鳴り止まないっ』へ。
鳴り止まないっというよりも、の子のギターが鳴らないっ。演奏途中で「待てよこのやろー!!」と止める。そしてまたもや仕切り直しへ。

次が最後の曲であるにも関わらず、「ボーカルの返しをください」と言ってしまうの子。みさこの遅刻からか、機材の不調からか、いつも以上にグダグダなライブに。
ちばぎんが「ギターを弾くんですねー」とmonoに言い、「そうですよー。俺に似合わないギターを弾くんだよー」と返す。ちばぎんがの子に「なんでギター取っちゃったのー?」と尋ねると、「いや、これ(ベルト)が緩いから直そうと」と緩い会話がありつつ、最後の曲は『ぺんてる』
の子が「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」とまだマイクを確認し続けるので、他のメンバーが少し強引に曲を開始。
グダグダなまま演奏は始まったが、「大人になりました」の後のキラキラとした展開がやっぱりかっこよい。
「ジャポニカ学習ノートのページがどんどんめくれてく、僕が学んだことなんて風の中へと消えていく」からの歌詞が切ないのだ。「考えて生きてくような価値なんて どこにあるんだと僕は思うのです」というフレーズが印象的。ライブで演奏していない『あるてぃめっとレイザー!』でも、宅録音源に「頭で考えることではない」といった歌詞があるけど、の子はやっぱりドントシンク・フィールな人間なのだろう。感覚で物事を決め、発言しているように感じることが多い。いつも、計算と天然の狭間にいる。

曲が終わり、お店側に強引に照明を落とされた神聖かまってちゃん。これは仕方ない。撮影したDVテープの録画時間を見ると、50分近くに迫っていた。これはイベント殺しのライブです。

そんなこんなで終了した神聖かまってちゃんのライブ。
次の出演バンド・オワリカラのライブ後、突然物販から出てきてステージ上でCDの宣伝をし始めるの子。次のバンドがセッティング中にも関わらず、マイク無しで大声を張り上げる。「500円なんで買ってください!」と、周囲を気にしない様子の強引な販売に笑いが起きる。
僕の友人が「ちょっと腹立った」と言ってしまうくらいグダグダのライブだった。しかし、『夜空の虫とどこまでも』は幻想的な世界観がステージに滲み出ており、今後の発展が楽しみになった。

あと、ほんとねごとがかわいかった。これはまた普通にライブを観たい。ねごとねごとばかり言って、ねごとばっか言ってんじゃねー!って感じになるけど、配られたねごとのライブの感想のアンケート用紙に、ちょっと熱いメッセージを書いてしまった。また神聖かまってちゃんと対バンしてほしい。切実に。

2009年11月21日 下北沢BASEMENT BAR
〈セットリスト〉
1、自分らしく
2、23才の夏休み
3、夜空の虫とどこまでも
4、学校に行きたくない
5、ぺんてる

2009年11月3日火曜日

神聖かまってちゃん@渋谷duo music exchange

神聖かまってちゃんにとって、今までで一番大きな会場でのライブ。渋谷duo music exchangeがこの日の舞台。

『ROCK'N' ROLL SUNDAY』というイベント。出演者はTHE COLLECTORS、dry as dust、OKAMOTO'S、黒猫チェルシー、トライセラトップスと過去最大級に豪華。会場を前にすると「かまってちゃんが遂にここまで!」と妙に感慨深くなりつつ、の子さんから撮影を頼まれていることもあり、カメラマンとしてスタッフの受付に。リストに名前がない。劒さん!
入れなくて困っていると、ちばぎんとmonoくんが目の前に登場。心優しき2人は受付の女性に丁寧に説明してくれ、無事入場。"撮影禁止"という貼り紙があるので、カメラ持っていると恐い兄ちゃんに担いでポーイと投げられそうな不安を覚えていたので、ちばぎんとmonoくんに感謝。monoくんはトライセラトップスの一番有名な曲を歌っていた。

会場に入ると、かなりの数のお客さんが。なんとなく、THE COLLECTORSやトライセラトップスのファンが多いように思った。
OKAMOTO'Sの前に着たので、イベントが始まってしばらく経っている状態。撮影するにも最前に行けなくて焦っていたら、心優しき神聖かまってちゃんライブ常連の高見さんやななごうさんらが「ここいいですよー」と場所を譲ってくれた。神聖かまってちゃんは「死ね」とか歌うけど、ファンの方は「死ね」とか言わずに実に優しい人ばかりなのです。生きる!
OKAMOTO'Sは前回観たときに引き続き、ベーシストのいくみさんに見とれる。
そして、神聖かまってちゃんの登場。

セッティング中になにやら叫んでいるの子。本番ではないが、急いでビデオカメラの録画ボタンを押す。神聖かまってちゃんはライブの本番だけでなく、撮るべきタイミングの予想がつかないのが刺激的だ。
会場に流れているBGMの外国人ラップ曲に無理矢理合わせながら、の子が即興ラップを披露。
「お前らにこの声が!この言葉が!聞こえるか!?ネオニー(の子の愛猫)なんかいらねえ!リズムだけがあれば!いい!貴様らの!脳天に直撃させ!俺はそれでいい!」
大きな歓声が上がる。神聖かまってちゃんのファンは意外にいるのかも。
の子ラップは「そしてマイクケーブルが、ない!」とちょっと萎える瞬間も。それでもマイク無しでラップを披露し続ける。

「黒猫チェルシーが、なんだ?10なんぼか知らねえが、俺も若い!俺は12才だ!俺はもっと若い!あんなクソガキチェルシーなんかに負けるかこのやろー!!また、何だ!えーと……トライセラ、トップス。あんなもん絶滅しろトリケラトプスなんか!絶滅したバンドなんかどうでもいいんだ!あー!そんな渋谷の奴なんか知ったこっちゃない!お前らどうせライブ終わった後ラブホテル行くんだろ?とりあえず帰れ!」

セッティング中にお客さんにマイクを投げるの子。しっかりキャッチしたら笑顔で「おー!」と小さな拍手する姿がなんか可愛らしい。お客さんがマイクを投げ返したが、キャッチできずにステージ床に落とす。「ちくしょー!」と拾ったマイクを床に叩き付ける。
なんだかもう始まった感はあるけど、実はまだ本番前。セッティング中での話だ。

ようやく本編がスタートする。
「どうも神聖かまってちゃんですー。優しい歌を世界に広めるために活動しているバンドですー。よろしくお願いしますー。ライブが終わった後、優しい気持ちになると思いますー。まあ、ライブ後ラブホテルとか行くやつは…死…いや、の子の子軍団が待ち構えてるからな、出口で」
の子、黒い笑顔を見せる。とりあえず"の子の子軍団"という響きが可愛らしいのはなぜだ。
「これ、全部僕らの客?僕らの客は、えーと、"ぬおーっ!"って言ってください。僕らの客の人ー!!」
お客さんが「いぇー!」と声を上げる。一人でした。残念です。

本編が始まり、ようやく照明を浴びるメンバー。
「改めて、光が当たった神聖かまってちゃんでーす。初めて観る人も、毎回どっかで観る人もよろしくお願いしまーす。盛り上がっていこーぜー。潰していこーぜー。これから出る大物バンドを。えーと、何からやるんだっけ…」
の子が言っている間、みさこがドラムを叩き始める。「はえーよ!」との子が叱責し、やり直し。

の子による曲紹介で1曲目は『天使じゃ地上じゃちっそく死』
いつもはちばぎん側から撮影しているが、この日は珍しくの子側から。「死にたいなー」の直前の部分でジャキジャキとギターを掻き鳴らす音が気持ちいい。
リボンが付いた可愛らしいニット帽を被ったの子は「もう嫌だ」「死にたいな」の二言を延々連呼。こんな人は今のところ世界で一人しかいないんだろう。気がつけばこの日、ちばぎんはメガネをかけていないままライブをしていた。

その後、間髪入れずに『ゆーれい未満』
間髪入れずに始まったのが悪かったのか、monoがまだキーボードの準備が出来ていない。ちばぎんがその光景を見て微笑する。それでも容赦なく演奏を続けるの子とみさこ。たぶん気付いていないのだろう。慌てたままヘッドマイクを手で持ち、「そんざーい」とコーラスしているmonoが不憫で仕方なかった。
それでも中盤の「うーっゆれーい!」の後のキーボードがかっこよくキマる。「ですよね」の部分で、僕の後ろにいた女の子がなんとも可愛らしい声で一緒に「ですよねー」と言った。グッときた。の子と一緒に声を出すお客さんを初めて見た。

「そうだ。今朝、うちの親父がニュー速(2ちゃんねる)書き込めないって怒ってたぞ。なんかよく規制されるんだ。俺のせいじゃないよ!」
次は『学校に行きたくない』
monoがしくじってしまい、仕切り直し。monoが「ごめんごめん、緊張してんだよ!まじめに緊張してんだよー!」と弁解。"まじめに緊張"とは、なんというmono語。みさこのシャンシャンシャンシャン(シンバル)、ダダッダッダッダダ(ドラム)で、再び『学校に行きたくない』へ。
の子は広いステージを自由に歩き回り、「学校に行きたくない」「計算ドリルを返してください」という二言を延々と叫ぶ。
「お前らさあ…お前らさああああ!!」
客席とステージの間の柵に足を乗っけて、客席を威嚇するの子。その後はダイブ。落下地点は妙に閑散としており、危険だ。威嚇された観客だが、の子が客席からステージに戻る頃には周囲のお客さんはみんな笑顔。ステージ上で手をぶんぶん振り回し、踊るように暴れまくるの子。寝転がったり、叫んだり。の子とは違い、黙々と演奏に徹するmono、ちばぎん、みさこ。
「計算ドリルを…佐藤ーー!!」と叫んで終了。『夕方のピアノ』がここで繋がるとは。

「の子いいぞー!」と客席から歓声。
「楽勝じゃ」と2ちゃんねるネタを言ったり、鼻水を服で拭くの子に「ちょっと!」とちばぎんが焦る。の子はそのまま「みんな風邪に気をつけてください。最前の方すいませんでした。あとで僕のことぶん殴っていいんで!」と笑顔で喋る。

mono「テンパってんだ俺!結構予定通りじゃない。だいぶ予定通りじゃない」
ちばぎん「うん知ってる。」
2人が会話している間、の子が上半身裸になって服を着替えている。
mono「ここで生着替え…どんだけだよ」
突然の生着替えのBGMとしてみさこがドラムを叩き、ちばぎんがファンキーなベースを弾き始め、の子もそのビートに乗っかって途中から歌い始める。

「みんなーどこ行った?みんなーどこ行った?僕はここで独りで、みんなはどこ行ったの?みんなどこ行った?僕は独りだよ。みんなどこ行ったの?目が見えないよー。目が見えないよー。みんなどこ行ったの?目が見えないよーハハハ。みんなどこ行ったの?みんなが見えないよーハハハハ!!」

の子が笑顔で楽しそう。へんてこりんな即興に、ちばぎんが「なにこれー!」と叫ぶ。

「次は優しい曲をやりますー」との子が言った後、僕の隣にいた女性客が「えぇ…」と戸惑っていた。
の子は「優しい曲とか言うんじゃなかった」と後悔しつつ、優しい曲『ちりとり』が始まる。
しかし、本当に優しい曲だ。この日のライブは冒頭にの子が言った通り、「世界に優しさを届ける」つもりらしいから、monoの弾くキーボードのメロディは本当に優しいのだ。
この曲の歌詞は、どうしてこれほどまでキュンとさせるのか。
最後の歌詞が丁寧語だからなのだろうか。「掃除当番あなたとやれて良かったと思っています」って、小学生が同級生の女の子に言うなんて。言うわけがないし、言えるはずもないけど、大人になった今しか言えなかったりすることはある。小学生には語彙がない。表現する力がない。小学生の気持ちを大人の言葉で伝えるところにグッとくるのだ。

「ありがとうございましたー! まあ、早かれ次の曲で最後になるんですけどね。今日はこんなに人がね、憎き渋谷ピーポーが集まってね、またよかったらライブに来てください。来なくていいけど」

の子が無愛想に吐き捨てた後は『ロックンロールは鳴り止まないっ』のイントロが。
始まりはかっこよくキマったが、最初のあたりの歌詞を思いっきり間違えるの子。「do,da~」のちばぎんのコーラスが気持ちいい。顔を(>_<)←こんな感じにして叫ぶのがたまらない。

演奏後、「の子ーー!」という歓声が。
男性客の「の子ぉお!!」という野太い声に、「お前、怒り気味じゃねえかよ」と指摘するの子。「怒ってねえよ!」とお客さん。「怒ってねぇよ!おぇ!」とそのお客さんの真似をするの子。「おぇ!うぇ!次はぁ!『死にたい季節』って曲やりますぇ!」と真似しながら曲紹介。失礼すぎる。
の子の「…えっもう終わり?」という声に、客席から「もっとやってーー!!」という声援が。「なんだよ!これで終わりかよ!わざわざ北海道から来たってのによ!」との子が喋ってある間にみさこが叩き始め、「お前、だから空気読め!頭おかしいんじゃねえか!?」と激しく叱責。この日2回目のかみ合わない瞬間です。

「早くやれーー!」と客の野次により、再度『死にたい季節』を。
の子側で撮影しているからか、ギターの音がよく聴こえる。弾く単音のメロディがキンキン鳴り、気持ちいい。タイトルに似つかわしくない、美しくキャッチーなメロディ。いや、"死にたい季節"というものは意外にキレイなのかも知れないし、そんな季節には色んなものが眩しく見えるものなのかも知れない。少なくともの子の目にはそう映るのだろう。
途中、の子がマイクに角度にキレる瞬間がありつつも、爽やかな印象をステージに残した。THE COLLECTORSや黒猫チェルシーやトライセラトップスのファンは、どう思ったのだろう。

「機材の不備があってちょっとグダったけども、まあ機材のせいにしちゃいけないよな!とりあえず、みなさんありがとうございましたー!!これから黒猫ヤマトとトリケラトプスが出るんでー!はいがんばってがんばってー!」
最後まで黒猫チェルシーとトライセラトップスの名前をちゃんと言わず、終了。

ライブ後、ステージに黒猫チェルシーのメンバーがセッティングに現れる。の子、黒猫チェルシーのボーカルを目の前にして、「あっ!お前!お前あれだろ!!」と反応する。苦笑いするボーカルでした。

神聖かまってちゃんのライブが終わり、客席の後ろのほうにいると、OKAMOTO'Sのベーシスト・いくみさんが。メガネ大きい!ヒゲ怪しい!握手してもらった!嬉しかった!
この日は脚本家の宮藤官九郎さんや、EMIの加茂啓太郎さんも観に来ていたらしい。
注目されるようなイベントに次々と出演が決まっていく、神聖かまってちゃん。
初見の人たちにも魅力を感じさせていくのだろうか。この日、の子は女の子のお客さんにサインをしてあげていた。ところがそこには「みんな死ね」「ころしたい ころしたい」などと書いていたらしい。これは恐すぎる。

2009年11月3日 渋谷duo music exchange
〈セットリスト〉
1、天使じゃ地上じゃちっそく死
2、ゆーれい未満
3、学校に行きたくない
4、ちりとり
5、ロックンロールは鳴り止まないっ
6、死にたい季節