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2004年10月1日金曜日

無戒秀徳アコースティック&エレクトリック@京都MOJO WEST

無戒秀徳のライブを観るために、京都MOJO WESTへ。
京都は好きだ。お金さえあれば何回も行きたい。それほど好きだ。好きすぎて、メールとか時間帯を気にして送りたいぐらいだ。
「すごい、最高やんか、ほら。あの山とか」
大文字の山かと思って指をさしたら、まだ高槻だった。それくらい勘違いするほど好きだ。
地下鉄烏丸線で北山駅を下車。青みがかった空に映える街頭。その転々とした煌めきはおしゃれだった。代官山って感じだった。行ったことないけど。

無戒秀徳はZAZEN BOYSというバンドのボーカルで、ソロになると"向井"から"無戒"になる。理由はあまり分からない。
MOJOに着く。
ステージを見ると、ギターのアンプが2個もある。それに灰皿も水も2個ずつあるではないか。誰だ、もう一方のイスに座るのは。想像を膨らました。彼と関わってきた著名なアーティストを想像した。ZAZEN BOYSの吉兼聡だった。無戒にとって極めて身近な人だった。元気のないような顔で、狂った音色を静かに弾くギタリスト。内面では暴れまくっているのだろう。

無戒秀徳は人の内面をえぐり出すような曲を奏でながらも、歌の合間に「京都に」「4連泊」などとユーモラスな掛け声を披露し、100人もいない観客の笑いを誘う。
そして無戒のライブでは観客全員が慄く展開がある。
彼が"うたわせる顔"になった途端、先ほどまでステージを羨望と熱いまなざしで観ていたお客さんが一斉に彼から視点を逸らすのだ。"わるい子はいねーがー"といった様子で客席をのこのこと
歩き始め、歌わせるお客さんを探す仕草は恐怖そのものだ。
僕のすぐ横を通ったとき、こっちを見た。
と思いきや、僕の被ってる帽子を垂直に脱がせてきて笑いを取っていた。後ろにいた女性のお客さんに「あっ、可哀相!」と笑顔で言われる始末。
このとき、無戒のいたずらっ子ぶりに戸惑いを隠しきれなかったが、あとで結構珍しく満面の笑みを見せるその愛嬌に負けてしまう。
歌わせられたのは最前で観ていた女性。
「私は男に不自由なく生きてきたが 今度こそは本当の愛を見つける」
などといった歌詞を即興で歌わせ、御満悦な表情の無戒。
なぜか紙袋にサングラスを入れて持ってきており、その女性にも自らかけさせていた。吉兼聡もかけていた。無戒もかけていた。なんなんだこのライブは。サングラス友の会か。

休憩を挟み、後半へ。
『ロックトランスフォームド状態におけるフラッシュバック現象』という、3行にもなりそうな長いタイトルの楽曲を披露。終盤の「記憶~妄想、妄想、妄想」という部分はナンバーガールの『狂って候』だ。センチメンタルが酒で押しつぶされるような、夜の街のぼんやりとした光が思い浮かぶ。ここ京都MOJO付近もそんな風景だ。
『自問自答』では「貴様も俺も皆いつかは姿くらます」と吠えていた。言葉一つ一つに心を掴まれる。そしてそれをごまかすかのごとく、「にゃおーん」と猫の鳴き声を真似てユーモアに持っていこうとするセンス。バランス感覚。最も重要なことのように思う。

アンコールは早かった。右側のカーテンからひょっこり顔を出し、また姿を現わした無戒。全然姿くらます様子はない。ヤンチャな大人だった。
『無常節』という渋い曲で終わる。
この曲がなんとも愉快だった。伝統芸能のような、唸るような声で落語みたいに2人の男女の会話を歌っていた。
「うぜーんだ 前から思っていたけどお前はやかましい」
「うるせえ この早撃ちが何を言うのか」
これは思いつきの会話なのだろうか。割と卑猥な内容だったが、曲の渋さでごまかしていた。とにかく無戒は自分の歌ったことに笑っていた。やはり彼は戒めが無く、無戒そのものだった。

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